異色の経歴をもつプロレスラーの仕事論~後編~
慶應大学⇒博報堂⇒プロレスラー⁉ 異色の経歴をもつ三富政行さん(twitter、instagram)による仕事論、後編。
※前編はコチラ
ライフワークとライスワーク
プロレスラーとしてしばらくキャリアを積んだ時、ライフワークとライスワークという言葉について考えるようになった。自分にとってプロレスは元々「好き」だし、仕事にも出来た。ある意味ライフワークとして機能している。
しかし、ひとつの指標として収入というものさしで見た場合、どうだろうか。自分の場合、博報堂を辞めた以上、将来的には残った同期と同じくらい、それ以上に稼いでやる!という気概と目標があった。そこに到達できているか。
結論、到達できていない。
今置かれている状況を客観的に考えれば、試合のギャランティや年俸だけでそこに到達するのは難しいと言わざるを得ない。プロレスラー全体を見ても、その金額を稼ぐことができるプロレスラーは氷山の一角だ。可能性があるのは、前編で書いたような「天賦の才」を持ち合わせた選手だけだと言っても過言ではない。
先述のマネジメント業務の一つとして、自身での興行を開催することで一度に多額のお金を手に入れることはあるが、一過性のものに過ぎない。安定的な収入にはつながらないのである。
プロレスラーであるからこそ出来る仕事、プロレスラーの「自分」であるからこそ出来る仕事で、永続的な収入を得るためにはどうすべきなのか。ライフワークの先のライスワークとは…。
「+α」の価値こそ “ライスワーク”
プロレスラーであるという時点ですでに珍しい職業であるし、十分に価値がある。自分の場合そこに大学や社会人を経て得た特殊なキャリアという、「+α」の付加価値が加わる。
さらに、社会人時代に独学で取得したNESTA-PFT(パーソナルトレーナーライセンス)や栄養学の資格なども「+α」の付加価値として機能してくれる。
これらの付加価値はプロレス業界単体で見ればあまり意味を成さないことである。「プロレスラーならプロレスを頑張れよ」という声もある。しかし、前述のライスワークについて考えた時、この「+α」の付加価値に助けられることが多々あるのだ。
個人的な例として…
パーソナルトレーニングをはじめ、ジムを開業したい個人や企業へのコンサルティング。自身が現役の選手だからこそ見えてくる、机上の空論に終わらないアイデアが、一つの商品価値になる。
また、「話す」ことも仕事になる。近年、大学や専門学校、企業などでの講演依頼を多く受けるようになった。多くはキャリアデザインなどのテーマであるが、自身の特殊なキャリアに大変助けられている。
そして、このコラムをはじめとした「書く」ことも同じ。今後も様々な媒体で、言葉で発信していけるプロレスラーを目指して頑張りたい。
同じ
結局は「好き」を続けること
思い返してみると、学生時代に塾講師のアルバイトをしていたのも、何かを伝えて響いてもらうことが好きだったからだ。そして文章を書くことは幼少の頃から好きだった。
「話す」ことも「書く」ことも、まさかこういう形で仕事になっていくとは思わなかった。
全部プロレスのせいだ(笑)
すごく、いい意味で。
原点はプロレスとの出会い
プロレスに出会った瞬間人生の確変が起きた。夢中になれることに出会い、人生が毎日楽しくなった。才能はないけど大好きだからその道に進めた。
「好き」なことを仕事にしてみたら、今度は別の「好き」が自分を追いかけてきた。結局はめげずに続けないと。
というより、「てめえが選んだ道、てめえが胸張れるように頑張れよ!」と自分に言い聞かせている、毎日。
自分にしかない価値を見つけてしがみつかなきゃ。
職業:自分。
泣きたい夜もあるけど明日は来る。
今日も明日も「好き」で人生突き進もう!
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<W-1大会情報>
★2018年7月1日(日)
「WRESTLE-1 TOUR 2018 SYMBOL」神奈川・小田原アリーナ大会
★2018年7月18日(水)
「WRESTLE-1 TOUR 2018 SYMBOL」東京・後楽園ホール大会
★2018年9月2日(日)
「2018 プロレスLOVE in YOKOHAMA」神奈川・横浜文化体育館大会
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