ニッチ市場でニッチな商材を扱うビジネスで認知させる、集客させる方法とは?

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現在、兵庫県の姫路を中心に活躍する粘土アーティスト「アシュラ帝国」
 
あえて粘土というニッチなジャンルで勝負をしているアシュラ帝国さんにニッチな商材を扱う上で認知させる、集客させるニッチビジネスの戦略を伺いました。

ニッチな粘土作品をはじめたきっかけ

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アシュラ帝国さんは最初から粘土アートを制作しているのですか?

いえ、もともと大学生の時はリアル路線の禍々しい絵を書いてきていました。そのころ尖っており、先生に対しても悪態を付いていたりと、なかなか評価してもらえなかったんですね。絵で頑張ってるのに・・・と中々うまくいかない状況で悶々としていました。
 
で、ある時にゼミで箱を使って作品を作ってくださいという課題がでたんです。ちょうどクリスマスシーズンということもあり、プレゼントを作ろうというと思ったんです。でも、箱を作るなら、その際中身がなきゃいけないな・・・と思って、中身として今の作品のベースとなる『アダムくん』というキャラクターの粘土作品を作ったんです。
 
高評価を受けたましたね。そこから絵と同時進行で粘土作品を作っていくようになりました。その後は、卒業制作の時に粘土作品にしたほうが良いと助言を受けて、300体の粘土作品を作って、またそこで高評価を受け、今もキャラクターを中心に粘土作品を作り続けています。

ニッチ市場での販売方法

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販売方法などはどうされているのでしょうか?

基本は対面での販売が主となっています。というのも、もともとネットの方でも販売は行ってはいたんですが、そもそもジャンル自体が認知がされていないので、あまり反応は多くはなかったです。
 
粘土作品をネットで検索することがあまりないので、それならいっぱい知り合いを作って、そこで色々とつながって販売していった方が、やりやすいと感じたので対面が主になっています。
 
現在はFacebookからも多少注文はくるので、ネット販売を行っています。FacebookとかインスタグラムなどのSNSはを使う際は、粘土作品という利点を生かして、風景などに今中心で制作しているアダムくんを溶け込ませて撮影したものをSNSで発信していっています。
 
だから、旅行に行くときなんかは絶対に持っていきますね。キャラクターたちをある種エンターテイメントの一つとして活用しています。見ている人にいかにおもしろいと思ってもらえるか。そこを意識してSNSを使っています。
 

ニッチなジャンルだからこその対面なんですね。その際意識していることってありますか?

やっぱり対面で売っていく以上、作品以上に売る側の態度であったり、姿勢が大切になってきます。売っている人間の態度が悪かったら、対面なのでやっぱりいらないですということになりかねませんしね。
 
そうなると、買ってくれる人もそうですが、粘土作品に対しても失礼なので意識しています。
 

対面である以上作り手の印象も重要になってくるんですね。確かに喋っててもいい人オーラがすごいです。それと、今かぶっているお面も対面での販売のためなんですか?

これはマスクではなく素顔です。本当のことを言うと、特殊造形をしている友人に作ってもらったのですが、これはお客様に顔を覚えてもらうには最高のアイテムだと判断しました。
 
実際これをつけていると初見の人からも話しかけてもらいやすくなるし、かなり役に立ってます。

お客さんを惹き付けるニッチな戦略とは

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粘土作品を作る上でお客さんを惹き付けるためにやっていることってありますか?

やっぱりまずは、いかに手にとってもらえるかですね。だからこそ『アダムくん』などキャラクターを作っていることもあります。そして、実際に手に取ってもらうためにキャラクターの形も変えてきました。
 
最初は尖ってたり角ばっていたりしていたんですけど、あまり手にとってもらえなくて・・・。で、そこから今のような角を極力無くし、丸っこいデザインに変えたんです。
 
形を変えてからはお客さんの反応にも変化があり、それまでは、イベントに呼ばれて粘土作品を見せるだけでその場限りで終わってしまうことが多かったです。もちろんそこから次のイベントに呼ばれたり、作品を購入してもらったりはあったんですが、あまり広がっていきませんでした。
 
でも、いかに手に取ってもらうかを意識し始めてからは、お客さんからの反響も徐々にですが最初よりも大きくなって、作品が人から人に渡ってもいるという実感も感じました。さらに、その実感があるからこそ、作品自体の精度上がってきたのも嬉しいですね。
 
アダムくんは好評ではあるんですが、やっぱり中には「ちょっと・・・」と感じる人もいらっしゃるんで、そういった人も楽しんでもらえるようにいろんなキャラクターを展開してます。
 

この他にもお客さんを惹き付けるためにやっていることってありますか?

次に意識していることは、とにかく気に入られることです。なので注文が入れば、その人が過去にどんなことでワクワクしたのか、そして集めていたものは何なのかなどを徹底的にリサーチをします。
 
それをアダムくんやそれ以外の作品にも反映し、その人のだけに合わせたオリジナルを追求していき、ピンポイントで気に入ってもらえるような作品になるようにしています。基本はオーダーメイドで、お店や個人の方から注文をいただくことが多いです。で、リサーチをアダムくんなどに反映して作っています。

ニッチ市場で売上を上げていく方法

 

こういったニッチな作品の売上は一体どのようにして広げているのか?

やっていることはシンプルです。声がかかればイベントなどには必ず参加しますし、広告を作って街で配ったりと、とにかく知ってもらうようにしています。そして注文も極力お店などを中心に作るよう売り込んで作っていっています。実際にお店に置いてもらえば、いろんな人に見てもらえるわけじゃないですか。
 
そうしていかに知ってもらって、人から人につながっていくかを意識して売上を広げていっています。地道ではあるけどやっぱりニッチなジャンルである以上こういった人に知ってもらうというのは重要ですね。実際に反響とかはあるんですか?
 
結構ありますよ。実際に神戸にあるお店のために作ったアダムくんをみた人が姫路に来たときに「ここにもある」と驚いていたなどの話もよく聞くので確実に作品は広がっていっているなという実感はあります。

ニッチ市場で戦ってきて思ったこと

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お話を聞いてるとニッチなジャンルである以上、地道な広げ方が多いように感じました。今まで心が折れそうになったりはあったんですか?

心が折れそうになったことは一度もないです。確かにイベントなどをやって1個も売れずに帰るなんてことはたくさんあったし、順風満帆でもありません。ですけど、粘土でやっていくと決めてやっているわけですし、さらにアダムくんなどのキャラクターが励ましてくれているようにも感じる時もあります。
 
なんとかこのキャラクターたちを有名にしたいという気持ちがあるので、辞めようとは思ったことはありません。そして、イベントやギャラリーに呼ばれたり、そこから実際に人に触れてもらったりし反響も大きいので需要はあるという確信があったのも理由ですかね。

編集後記

今回、アシュラ帝国さんのインタビューを通して感じるのは、粘土アートという世間の認知度が低いニッチなジャンルだからこそ、ネットではなくリアルでの販売を中心に展開していき、粘土アートというものが頭にない人にも少しずつ目にふれ、手にとってもらうのかという地道ではあるものの、その丁寧なニッチ戦略であったり、それを可能にする自分のキャラクターなど作品に対する愛情など多くの刺激を受けることができました。
 
アシュラ帝国さんは「アダムくん」の他にもほかのキャラクターの粘土作品も展開しているので、大注目ですね。

 
 

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1994年生まれ、姫路の城下町在住。フリーライターをやっています。ちなみに洋楽とヒップホップを狂おしいほど愛しており、現在洋楽サイトを運営中(http://yougaku24.net/)。それとストリートでラップもしています。悪そうなやつはだいたい他人。

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