南足柄の「金時山」に登ってみよう
こんにちは。ニューアキンドセンターのつかDです。山登りの話です。
僕にとっては非常に(肉体的に)辛い記憶でなかなか筆が進まず、気付いた時には季節が変わっていました。少し前、初夏の出来事になりますが、ここに記します。
湘南ゴールドエナジーの守屋さんに「金時山登山」に誘われる
以前この記事でお世話になった、湘南ゴールドエナジーの守屋さんから「一緒に山登りをしないか」というお誘いを受けた。金時山とは南足柄にある山で、坂田金時、つまり「金太郎」が生まれた場所と言われている(諸説あり)。
僕は体力はそこそこ自身があるものの、山登りはほぼ経験がない。少し不安に思ったが、守屋さんの「早い人だと片道40分程度で登れる、初心者向けのライトな登山ですよ」という言葉を全面的に信用し、気軽な気持ちでOKした。
登山当日朝8:30、守屋さんが湘南ゴールドエナジー色のSUZUKIハスラーで迎えに来てくれた。優しい。途中、守屋さんの友人である小田原が生んだヘヴィメタルレスラーFUMAさんを拾い、3人で登山口へ。僕はFUMAさんは初対面。
登山初心者に襲い掛かる試練
金時山はいくつか登山ルートがあるが、この日は「足柄峠ルート」を選択。登山口に到着し、車から降りる。さあ登ろうという所で、守屋さんから僕に「じゃあ、これ持ってください」と渡されたのは、UberEatsの人が弁当配達で使うような、正方形に近い形のリュックだった。
「なんすか、これ」と聞くと、「今日は納品なんですよ」と。よくよく聞けば、金時山山頂にある山小屋で湘南ゴールドエナジーを販売しており、その在庫を今日補充するんだということだった。リュックの中には湘南ゴールドエナジーが1箱。重さは約10kg。
「なんで僕が荷物を持つんでしょうか?」 そんな質問が口から出かけたが、守屋さんの隣でFUMAさんが鋭い眼光で僕を見つめているため、言い出すことはできなかった。車の中でFUMAさんのyoutubeチャンネルをチラ見したのだが、常人には理解できないイカれたトレーニングを披露していたので、頭がおかしい人かもしれない。機嫌を損ねるのは危険だ。
言われた通りUberEats風リュックを担いで登り始めた。
金時山攻略開始。ちょっとしたハイキングの序盤戦
登山口からしばらくは、ほぼ平坦な道のり。山登りというよりはハイキングだ。背負ったゴールドエナジーは1箱約10kgあるが、まだまだ余裕。余裕なんだけど、守屋さんもFUMAさんも歩くのが早い。登山初心者の僕を置いてさっさと前に行ってしまうので、「ちょっと待ってください」と何度か呼び止め、その度に渋い顔をされる。じゃあ荷物を持ってくれよ。
ちなみにFUMAさんは元大学の山岳部だったとのことで、金時山は散歩感覚で登れると言う。 僕のリュックを指さし、「そんなのの数倍重たいの持ってたよ」と笑う。じゃあ持ってくれって。
森を抜けて少し開けた場所に出ると、目指すべき金時山の山頂がはるか遠くに見えた。金時山は山頂付近がとがっていて、それがイノシシの鼻に似ているということから、かつては「猪鼻嶽」とも呼ばれたという。山頂近くはかなり急傾斜になっているようだ。不安。
金時山登山。UberEats風リュックが圧し掛かる、地獄の後半戦
比較的平和な序盤戦を終えたところで、突如急な上り坂が現れる。そこからは一言でいえばしんどかった。心肺は置いといて、足の筋肉が限界。がくがく震えて足が前に出せない。
登山道には銀色の鉄製階段が全部で12個設置されている。おそらく特に上りにくいところに設置しているのだろう。8個目過ぎたあたりからはあんまり記憶がない。ただただ辛かった。
「体力ねーな…」と言わんばかりに蔑んだ眼を投げかける守屋さんとFUMAさんをにらみ返す元気も無く、一歩進んでは止まり、二歩進んでは止まり。アルゴリズム体操ほどのスピードになっていたと思う。それでも1時間20分くらいかけて、なんとか山頂に到着した。
金時山の山頂は天国
僕だけが命がけでたどり着いた金時山の山頂には、2つの山小屋がある。今日はそのうち1つの「金時娘の茶屋」への納品だった。金時娘は実在する方で、小宮山妙子さんという80歳を越えたおばあちゃん。この日もお店で仕事をしていた。
小宮山さんは13歳から1人で山小屋を営んできたという、元祖山ガールだ。カラフルなアウトドアウェアに身を包み、山頂でコブシ大のガスコンロでコーヒー沸かして飲んだりしているエセ山ガールとはイノシシとミニブタ程違う。主な店の切り盛りは金時娘の息子である「しゅうほうさん」が行っているようだが、金時娘もまだまだご健在。
「金時娘の茶屋」では、レモンのかき氷に湘南ゴールドエナジーを投入したオリジナルドリンクを頂いた。これがめちゃくちゃおいしかった。ここ数年で飲んだ飲み物の中で一番だ。山頂に行かれた方はぜひ試してほしい。
ちなみに金時娘のお父さんは物凄い力持ちで、北アルプス・白馬岳山頂へ約180kgの巨大な方向指示盤を持って登ったという凄い方。第34回直木賞を受賞した新田次郎の小説「強力伝」はそのお父さんがモデルになっている。下山後に早速読んでみたけど、全然笑えない、とても壮絶なお話だった。10kgごときで音を上げていた自分が恥ずかしい。
店内に石の塊が置いてあって、「これが50kgくらいだよ」と言われ、持ち上げようとしたが無理だった。腰が折れる。FUMAさんは普通に持ち上げていた。
もう1つの山小屋「金太郎茶屋」にもご挨拶。名物の「まさカリーうどん」を守屋さんがおごってくれた。塩分を欲していたので、物凄くおいしく感じた。 ここまで死ぬ思いをした分、食べ物飲み物すべて3倍増し位でおいしく感じている気がする。
頂上からは南足柄が一望できて良い眺め。箱根方面も見渡すことができる。
登りで地獄を見た分、頂上は天国のようだった。特に食べ物。湘南ゴールドエナジーかき氷、まさカリーうどん。いずれも最高なので、登頂した際にはぜひ味わってほしい。
名残惜しいけど、全員午後からは予定があるので、さっさと下山。下りはあっけなく、行きの半分くらいの時間で戻ることができた。
考察:なぜ往路が死ぬほどキツかったのか
登山初心者とはいえ、流石に異常なくたびれ方をした往路。なぜこんなにもつらく苦しい道だったのか。自分なりに考えて、2つの理由を見出した。
その① UberEats風のリュック
UberEats風のリュックは沢山のお弁当を運べるように奥行きがある。そのため重心が後ろに引っ張られやすく、それを防ぐため逆に前に体重を掛けすぎると転んでしまう。傾斜を登るにあたっては致命的だ。今回はあくまでUberEats”風”のリュックだったが、恐らく本家でも同様の問題が発生しているのではなかろうか。急斜面を登って山頂の小屋に安全に配達するというニーズに全く応えられていないため、Uber Japan株式会社にはぜひ改善をお願いしたい。
その②首に掛けていたカメラ
撮影するために小型のミラーレスカメラを首からぶら下げていた。それが一歩歩く旅左右にブラブラ揺さぶられる。重たいものでもないのでそのまま登っていたんだけど、終盤本当にキツくなった時に藁をもすがる思いで守屋さんに「カメラだけ、カメラだけでいいので持ってください」とお願いし、しぶしぶ持って頂いた。そしたら、かなり楽になった。不思議。お試しあれ。
金時山登山まとめ
UberEats風のリュックが登山にとにかく適しておらず、苦労した。そのせいで登りは1時間20分も掛かったが、それさえなければ40分~50分くらいあれば登れると思う。下りは40分としても1時間半程度で往復できて、かつ山頂で良い景色を見ながら一服したり、しっかり楽しめるエンジョイコスパの良い山だ。 朝から登り始めて午後からは別のことに時間が使える。忙しいサラリーマンにも最適なエクストリーム朝活なのではないだろうか。都内の方も東名高速ですぐ来れる。
リモートワークで住む場所の選択肢が増えているので、西湘地域に移住して毎朝金時山登山するのも良いのではないだろうか。その時は一緒に登りましょう。