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【前後編】の記事一覧

本記事は2016年6月21日に開催された経営コンサルタント竹内謙礼氏の「自力でドカンと売り上げを伸ばす 自社サイト攻略セミナー」に参加し、その内容を要約したものです。 細かい部分や「自分の会社はどうなんだろう?」などが気になる方は是非セミナーに参加してみて下さい。   →→→前編はこちら←←←   自社サイトの売り上げを上げるポイント(2)――オリジナルの売り方を見つけること   竹内氏:先にシェアを取ったところが勝つと言われるのがeコマースの世界。後発でも戦っていくには、新しいマーケットを切り開いたり、新しいやり方でものを売っていくことを考えなければなりません。実際、コンサルティングでの成功事例を見ても、その売り方はバラバラで、同じ方法で成功しているパターンはあまり見かけません。    たとえば、イヤホン・ヘッドホン専門店「eイヤホン」は、スタッフのコメントをできるだけ検索キーワードを意識した文章で書き込むことによって、SEOを強化して検索エンジン経由の流入を呼び込みました。SEO効果と情報提供の合わせ技です。    攻略方法はさまざま。商材によって効果的な出し方を考え、サイトでの商品の見せ方を考え、サイトの構成を変えていきましょう。   検索結果の表示順位を左右する「SEO」    インターネットで商売をする上で、検索結果で上位に表示されるということは絶対的に価値の大きいことです。したがって、検索エンジンがサイトをどう評価し、どのように検索結果の表示順位を決めるかということは非常に重要な要素です。そこで、改めてSEOについて触れておきたいと思います。   コンテンツの量だけではなく、オリジナル性も重視されます。コピペはダメなのです。    また、コンテンツを作る際には、検索キーワードも意識しなければなりません。たとえば、ネズミ駆除のコンテンツへ誘導するのに、「ネズミ駆除」という単体の検索ワードだけではなく、「ネズミ駆除 業者」「ネズミ駆除 超音波」といったように、複数のワードを組み合わせて検索されることも考える必要があるのです。そうした、世の中の検索ニーズに合わせてテキストに織り込んでいくことが大事です。    SEOは、検索エンジン側の設定次第で、トレンドもルールもどんどん変わっていきます。それに合わせてSEOをコントロールしようと思っても、なかなかうまくいかないようになってきました。また、古くから存在するサイトが重視されるという傾向は以前からあり、新しいサイトはどうしても最初は有利ではありません。    それなら何をすればいいのかというと、結局は「お客さんのためになる情報を、きちんとサイトで発信していく」という原点に戻るわけです。コンテンツを充実させて、キーワードも盛り込んでいけば、結果としてSEOもついてくる。お客さんは見つけてくれます。   自社サイトの売り上げを上げるポイント(3)――情報を売ること    インターネットで何か買おうとしたときに、まず見るのはAmazon、楽天、Yahoo!でしょう。検索エンジンでも、自社サイトが検索結果の上位に入ることはまずありません。ですから、自社サイトにものを出しているだけでは見に来てもらえません。そこで使えるのが、“情報を売る”ことです。    たとえば、電子タバコというものがあります。これは最初から「買おう」と検索するよりは、「電子タバコって何だろう」という疑問・興味がわき、それがわかって初めて「買ってみたい」となることが多い商材です。商品が出ているだけのサイトでは、最初の「何だろう」が解決しないので買われません。そこで、「何だろう」を解決する情報が人を呼びこみ、購買意欲を喚起することになるのです。    このように、お客さんのクエスチョンがある商材の場合は、疑問や課題を解決するようなコンテンツを提供して、その解決に商材を使ってもらうといったように、コンテンツと商材でお客さんの問題を解決するようなものの売り方にシフトするのです。   他では知れない独自の情報で顧客を引き込む    情報を売るというからには、当たり障りのない情報を書いているだけでは効果はありません。ネットに散在している情報をそのまま載せても、その商材やキーワードについて調べてきたお客さんはもう気付いています。また、他の媒体に載っている情報をコピペで掲載しても、お客さんを呼べないどころか、Googleにオリジナルのコンテンツでないと判断されて検索順位まで下がります。    ですから、仕入れ元の自社しか知らない情報、ネットにないような情報をちゃんと取材して掲載するのが望ましいです。そこまでして、初めて「買おうかな」という気持ちにスライドしてくれるわけです。   3カ月以内に売り上げを伸ばす方法 ――問い合わせ対応の強化    電話とLINEの問い合わせ対応を強化することも欠かせません。最近はスマートフォンでサイトを見る人が増えています。スマホでタップすればすぐに電話をかけられるようにしておくのがいいでしょう。    LINEについては、LINE@を登録して「LINEで問い合わせる」ボタンを付けましょう。LINEは多くの人が使っており、ちょっとした問い合わせはLINEのほうが楽と感じる人が増えています。簡単に問い合わせできる仕組みがあると機会を逃しません。    LINEは利用者層が広がっている分、リテラシーの高くない人から問い合わせがくることもあります。中には要領を得ないものもあるかと思いますが、そういう問い合わせに対しても丁寧に対応すること。そうすると、お客さんはとても感動して、お店のファンになってくれます。   SNSでの集客拡大を考える    ここまであまり触れてきませんでしたが、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSでの集客拡大についても触れておきましょう。最近はSNSの活用が叫ばれますし、SNSでの集客はもちろんありですが、結論からいえば、SNSの集客は思いのほか足が遅く手間がかかるものです。    また、商材によっては、SNSの向き不向きもあります。そう考えると、SNSを使う価値があるのかどうかはきちんと検討するべきでしょう。それでも、自社サイトの場合は集客施策の一つ一つの力が小さいですから、使えるものはできるだけ活用したほうがいいというのが基本の考え方です。    なお、SNSの運用で一番よくないのが、TwitterとFacebookとブログで流す情報が全部同じというものです。いかにも宣伝のように見えますから、喜んでフォローする人はいないでしょう。FacebookとTwitterとブログでは、読む層もシチュエーションも違いますから、わけて考える必要があり、それぞれに合った情報をアップしないといけません。情報を出すからには、お客さんのためになるものをきちんとアップしていきたいものです。   SNSでの集客拡大(1)――Faceook    もし今からFacebookに取り組むなら、まずは店舗名よりも社長やスタッフ個人の名で投稿をしていきましょう。店舗のFacebookページは、ブランディングができていないとすぐにはフォローは増えません。Facebookを使って、プライベートの友達にも知ってもらい、お店のお客さんともできるだけFacebookでつながって、お客さんのコミュニティを広げていきたいものです。    投稿は、まずは仕事の話にこだわらず、プライベートでも何でも、「いいね」をクリックしてもらえるような投稿を意図的にアップしましょう。  上位に表示されるようになってきたら、たまにビジネスの話も投稿してみましょう。「今うちの会社はこういうものを作っています。どう?」みたいな感じで、プライベートの話9に対してビジネスの話1ぐらいの割合で入れていくと、見る側もそういうスタンスなのだと理解してくれます。   SNSでの集客拡大(2)――Twitter    使い方の一例としては、お店の名前や商材でリアルタイム検索して、ヒットしたツイートに対して返信をしてみましょう。「これ買ったらよかった」というツイートに対して「使ってくださってありがとうございます」といったように。こういうやりとりが押し付けになってはいけませんが、きちんとできればお客さんの印象にも残り、ファンになってくれます。   SNSでの集客拡大(3)――Instagram    Instagramに関しては、家具やアパレルなど、写真写りがいいものが相性がいいでしょう。年齢層は比較的低めです。基本的に1回の投稿で画像か動画1つ、宣伝のリンクも貼れませんから、直接的に販売ページへ誘導するといった使い方は難しいでしょう。個性のある商品や、他で売っていないデザインなど、特殊なものでは活用していきたいSNSです。    最初は、できるだけ自分の商材と似たような商品の写真をアップしている人や、その人たちをフォローしている人とつながるのがいいでしょう。他の人がアップしている写真に「そのサンダルすごくいいですね」などとコメントするところからスタートして、地道につながりを増やしていきましょう。   パッケージへ投資して感動を生む    自社サイトで買ってもらったときに、チラシなどを同梱してリピーターを作りたいという相談を受けることがあります。しかし、お客さんのテンションは、実は注文のクリックをしたときが一番高く、商品が届いたときはすでに下がっているのです。そこでチラシが同梱されていても捨てられるだけになってしまいます。    そこで提案したいのは、パッケージに投資すること。ただのダンボールではなく、商品が届いたときに「わあ、これ素敵」ともう一度テンションを上げられるようなパッケージにするのです。その後、実際に開封してまた感動してもらう。このテンションアップで感動という“体験”を生めば、顧客とのつながりを強めることができます。   店舗名は思いだけでなく現実的に考えよう    一番最後の話になりましたが、おそらく最初のうちに考えるであろう店舗名も大切です。自分の思いがこもったお店ですから、こだわった名前にしたいと思うかもしれませんが、現実的な面も考慮しましょう。    まず、カタカナの名前は覚えづらいです。口にも出しづらく、ネット検索などでも小さい文字は特に打ちづらいのです。対して、ひらがなは打ち込みやすくて覚えやすいです。    表記や発声だけではなく、サイト名を見聞きしたときに「このサイトで何を取り扱っているのか、何がいいところなのか」がわかることや、「このサイトは安心できそう」と思ってもらえることもとても大事です。○○専門店や○○卸センターといった名前だと商材も一目瞭然ですし、SEO対策としても有効です。      今回のセミナー登壇者:竹内謙礼氏 竹内謙礼氏については下記サイトをご覧ください。 https://e-iroha.com/   →→→前編はこちら←←←  ...

本記事は2016年6月21日に開催された経営コンサルタント竹内謙礼氏の「自力でドカンと売り上げを伸ばす 自社サイト攻略セミナー」に参加し、その内容を要約したものです。 細かい部分や「自分の会社はどうなんだろう?」などが気になる方は是非セミナーに参加してみて下さい。   はじめに インターネットでの販売チャネルとして、Yahoo!ショッピングや楽天市場、Amazonなどのショッピングモールに出店している方も多いでしょう。集客力のある大手モールは利用価値が高いですが、費用面の負担もあり、各モールのルールに縛られることになります。    そんななかで、自社サイトで売り上げを伸ばせたらいいのにと思っている方も少なくないはず。「でも、どうしたら自社サイトで儲かるの?」「自社サイトに力を入れて意味があるの?」――経営コンサルタントであり、ネットビジネスのコンサルティングにも多くの実績がある筆者は、そのような質問を数多く受けてきました。    そうした疑問にお答えして、大手モールに依存せず「売れる」環境を自分で作っていく方法を解説します。   ショッピングモール依存のリスクを考える    インターネットで商売をするうえで、Yahoo!ショッピングや楽天市場、Amazonなどのショッピングモールへの出店が有効であることは言うまでもありません。それに比べると自社サイトの扱いは、一応作ってはいるものの、どちらかというと3番目、4番目といった立ち位置であることが多いのではないでしょうか。    しかし、盤石とも思えるモールも、5年先、10年先もその流れが続くかどうかはわかりません。先日楽天が行った四半期の決算発表では、楽天カードへの注力が強く打ち出されました。楽天カードの利用者を増やしてマージン収入を増やすというわけです。こうした流れはモール全体に広がっており、AmazonはAmazonプライム会員、Yahoo!ショッピングはYahoo!プレミアム会員の獲得に力を入れています。モールでのショッピングはいわば「フロントエンド商材」で、そこで獲得したお客さんを会員化して会費を払ってもらったり、自社のサービスを使ってもらうことで収入を確保するという狙いです。    なぜこうした流れになっているかといえば、eコマースだけでは儲からないからです。同じ商品を1円でも安く売る価格競争が繰り広げられるeコマースは薄利多売なのです。そういったことを考えると、今後もモールが今のようにあり続けるかどうかは、リスク要因として意識しておく必要があります。    大手のモールへの依存状態から抜け出すのは大変です。便利な受注管理機能や集客効果の高いセールを体験してしまうと、やめられないと思うでしょう。しかし、そこで覚悟を決めるしかないのです。モールやプラットフォームに依存せず、誰にも頼らない売り方を見出していかないと、いつまでたっても儲からないのです。    そこで改めてスポットを当てて考えたいのが、自社サイトです。自社サイトの売り上げを上げるには、3つのポイントがあります。本気になること、オリジナルの売り方を見つけること、情報を売ることです。これらを一つ一つ紐解いていきます。   自社サイトの売り上げを上げるポイント(1)――本気になる    「うちは自社サイトで売れないんだよね」という話をよく聞きますが、売り上げが伸びない理由は本気でやっていないだけです。これまで多くのサイトを見てきて、これは断言できます。楽天より本気で取り組んでいますか?    本業が忙しいから、楽天で売れているから、等々理由はいろいろですが、自社サイトをオープンしても力、人、お金の入れ具合が中途半端で、放置状態になっているのが売れていない理由であり、その状態を脱却すれば売れるはずです。自社サイトも楽天も、同じインターネットです。「自社サイトは楽天よりも下だよね」と思っている方は、今ここでその思いを捨てましょう。   本気になって何をすればいい?――自社サイトに人を呼ぼう  コンサルティングを通しての感覚では、「自社サイトの売り上げは、楽天の10分の1」というのがおおよその相場です。つまり、自社サイトで楽天と同じだけ売るには楽天の10倍手間がかかるということです。何に手間がかかるかといえば、集客。楽天など大手モールの強みは、ほかならぬこのトラフィック、集客力の強さです。自社サイトは集客力がどうしても弱い。したがって、自社サイトでしなければならないのは一つ、集客だけです。    大手モールの集客力が大きいのは、SEO対策をしっかり行ってYahoo!やGoogleなどの検索エンジン経由の流入をがっちり確保しているから。Googleアドセンスの広告出稿も各社旺盛ですので、ある意味、放っておいても人が来てくれるのです。出店者は、その集客に対して手数料を払っているといえるわけです。    これを自力でやりましょうというのが自社サイトの話です。SEO、リスティング広告、SNS、実店舗、販促活動など、経路一つ一つの集客力は大きくありませんが、10倍頑張ってこれらを並行して実施しましょう。そうして力を寄せ集めて集客の総数を大きくできれば、モールと同じように売り上げは伸びます。   “質”のいい顧客――つながりを強くする    インターネットのお客さんは、価格勝負や何かのトピックで買うところを選ぶことが多く、買ってもらってもその場限りのつきあいとなるなど、お店と顧客のつながりはあまり強くありません。このつながりの濃さ、強さを“質”と言い換えてもいいでしょう。    これからの商売は、“お客さんの質”ともいえる、お店と顧客のつながりの強さがとても重要ですが、インターネットだけで“質”を上げるのはなかなか難しいのが実情です。そこで実施したいのが、実店舗やダイレクトメール(DM)と組み合わせてお客さんを自社サイトに誘導する方法です。大手モールだと、実店舗を活用した誘導が許されなかったり、顧客情報の活用にも制限があります。制限なく可能となるのは自社サイトだけです。   実店鋪とネット店舗で顧客を誘導    お客さんを誘導する方法はいろいろありますが、実店舗をお持ちの場合はとても有効な活用ができます。「オムニチャネル」「O2O」といった言葉を聞いたことがあるかと思いますが、たとえばサイトを見たお客さんが、このお店が良さそうと思って実店舗に来てくださることがあります。実店舗や自社サイトで商品を買ってくれたお客さんが会員登録してくれれば、DMを送ることもできます。実店舗からサイトに行ってSNSをチェックして、SNSからリピーターになるケースもあります。これからの時代はそうした複合的な取り組みが主流になるでしょう。   新規の顧客を呼び込み、ファンに育てる    お客さんには、「新規のお客さん」と「ファンのお客さん」の2種類があります。新規のお客さんをサイトに呼び込む場合、SEOやリスティング広告といったネットからの流入を最初から多くするのは難しいです。そこで、まずは販促チラシ、折り込みチラシ、ポスターなどの紙媒体からサイトを見てもらうという方法があります。    実店舗から自社サイトにお客さんを呼びこむには、ネット通販もしているとか、メールマガジンを読んでくださいといったことを記したチラシやポスターを店内に設置することをまずは徹底しましょう。とはいえ、ただ掲出してもなかなか人はきてくれないもの。「サイトで割引券配布中」とうたったり、「メルマガ登録してくれたらノウハウをダウンロードできます」といった特典を付けて、サイトを見てみようかなと思ってもらえるように興味を引きましょう。    LINE@のアカウントを持っているお店は、それも大きく告知しましょう。その場合も、ただ単に「LINE始めました」と載せるのではなくて、「LINE登録してくれたら飲み物1杯無料」といった特典を付けるなど、どうしたら人が興味を持ってくれるか、サイトを見る手を動かしてくれるか、本気で考えましょう。   DMでファンを作る    折り込みチラシなどで獲得した新規のお客さんに、お店の「ファン」になってもらうのに適しているのがDMです。同じ紙媒体だからか、折り込みチラシとDMを同じように捉えている人がいるかもしれませんが、折り込みチラシは新規のお客さんを獲得するもので、DMはファンを作る紙媒体です。これをきちんと分けて活用することが重要なのです。    これを混同して、せっかく手に入れたお客さんの住所に送るDMに宣伝ばかり入れてしまうケースがありますが、DMはファンを作るという役割を念頭に置いて内容を考える必要があります。DMで行うべきことは、セールの告知だけではなく、その店舗の社長やスタッフのキャラクターを出したり、会社でどういう取り組みをしているのかを知ってもらい、その会社、店舗を好きになってもらうことです。ものを買ってもらう場所ではないのです。    封筒などに入ったDMが届くと、お店への帰属意識や、お店とつながっているという気持ちが、なんとなく生まれるものです。届いた後も、家のどこかに置いておけば、目につくたびに思い出してもらえます。サイトやメールの場合は、印刷でもしなければ物理的に形に残っているわけではありませんから、記憶からも抜けがちで、帰属意識が浅いのです。メールマガジンやSNSよりは、DMのほうが、お客さんにファンになってもらう働きかけが強いとも言えるのです。   顧客の「知っている人」になる    世の中で売れるものは、大きく分けて「知っているものが売れる」「知っている人から買う」の2種類です。    「知っているものが売れる」というのは、たとえばルイ・ヴィトン、コーチ、卵、キッコーマン……、知っているものは何でも買えます。「知っている人から買う」は、たとえば馴染みの居酒屋さんで板長さんに「何かおいしいものを」とお願いする。価格も聞かないで、何が出てくるかわからないような注文をできるのは、知っている人だからです。    これからのネットショップは、「知っている人から買う」の「知っている人」になることを目指すべきです。「知っているものが売れる」で勝負しても、品揃え豊富で安くて検索すればすぐに出てくるAmazonに負けてしまうでしょう。    小手先の技術で目先の利益を見ていても解決しません。お客さんに「ここが売っているから、この商品を欲しいんだ」と思ってもらえるブランドを構築していくためには、やはり、自分からの情報発信をきちんとしていく必要があります。人に憧れを持ってもらうようなサイトの構成、情報発信を考えましょう。一度「ここだから」と思ってもらえたお店は強いです。   →→→後編はこちら←←←   ...

  楽天市場やYahoo!ショッピング、その他多くのモールでバスグッズ(お風呂グッズ)の通販サイトを展開されている、「お風呂のソムリエ」ことバスリエ株式会社の代表取締役松永武さんにお話を聞くインタビュー第2弾。 前回 はバスリエ株式会社が出来るまで、市場を広げるための文化づくりについてお話していただきました。 今回は今のバスリエさんとしてのスタイルが確立されるまでの経緯、そしてこれからの展望について、語っていただきます。   今のバスリエになるまで   -バスリエさんの商品写真には非常に生活感があるというか、綺麗なだけではない何かが感じられるのですが、こういったこだわりは昔からあったのでしょうか。   バスリエ株式会社の「お風呂のソムリエSHOP!本店 」掲載されている商品のほとんどの写真は自社内で撮影されている。   松永氏:これには色々歴史があって・・・月商がまだ500、600万ぐらいの頃の話なんですが、そのくらいの規模だとまだ余裕をもって食べられるようなものではないんです。なので、その頃に他社さんのサイトの制作の受け売りとかもやったりしてたんですよ。当時はホームページとか作れる人もまだ少なかった頃だったので。   その時に、うちのスタッフがいわゆる画像販売サイトから画像を無断で持ってきて、その画像を使ってしまったんですね。それでいきなり内容証明が送られて来て、600万円の賠償請求が来たんですよ。月商500、600万の頃に。   -600万円!   松永氏:その時は本当に生きた心地がしなくて。もう大変なことしたんだなと。 インターネットでのトラブルに関する事例がそんなにない時代だったので、方々当たって都内のちょっと詳しい弁護士さんに相談したら、いろいろ親身になっていただいて、最終的に請求額以下のお支払いで済んだんです。 そこからはもう「写真はオリジナルで行こう」と決めました。 自分たちで撮影してやっていくと決めたので、スタジオも自社内に作って、そういった写真へのこだわりができました。今でもある意味写真はバスリエの表現の一つとして、大きい部分にはなっていると思っています。   -今のスタイルになるまで、どのような変遷があったのでしょうか。     松永氏:楽天の経営者向けのセミナーに参加して、いろいろ変わっていかなきゃって思っている時に、バスリエとしてどういう方向で行くか、バスリエの理念は何なのか、そういうものを改めて考えました。そこでやっぱり大きく自分の中で変化したのは、バスリエは雑貨屋じゃなくて、お風呂屋になるんだっていうことだったんですよね。 きれいな写真やうまい説明は素敵な雑貨屋さんでもできるけど、そうじゃない、うちはお風呂屋になるんだっていうのをまず一つ、決意しました。   お風呂グッズを売るけども、その先には「入浴する」という行為があって、入浴の先にはお客様の健康に対する思いだったり、美容に対する思いだったり、いろんな「思い」があります。そこを叶えることを、僕らのゴールにするっていう考えができ上がりました。   -それまではどういったお店だったのでしょうか   松永氏:それまでのバスリエは、商品登録を1日に何件して、月に何件登録する、みたいな効率重視のやり方をしていたんですね。ようはロングテールですよね。ロングテールで入口商品だけを作っていくようなやり方だった。その当時は、とにかくお風呂の専門店としての品揃え重視だったんです。 でもお風呂屋になるって決めた時に、「それだけじゃダメだ」っていう事で、大幅に方向転換をしたんです。 ですがその大きい変化をした時に、ついていけないっていう理由で基幹的なところをやっていた社員、スタッフが半分ぐらい辞めてしまって。10人ほどいたスタッフが5人くらいに・・・。   -社内の半数が辞めてしまうくらいの変化だったわけですね。   松永氏:そうですね。辞められてしまったことに関しては、もちろん辛かったんですが、僕の中では「こっちにシフトしなきゃいけない」っていう思いの方が強かった。あの時大きい方向転換をしなかったら、HOT...

皆さんは「ワインのソムリエ」って知っていますか?知っていますよね。そうです。ワイングラスに入ったワインをくるくる回すイメージのあれです。   では、「お風呂のソムリエ」はどうでしょう?知っていますか? ワイングラスにお湯を入れて嗜む人を想像したそこのあなた!「そんな職業ないでしょ」と思われるかもしれませんが、実は、あるんです。   という訳で今回は「お風呂のソムリエ」ことバスリエ株式会社 松永武社長にお話を聞いてきました。   バスリエ株式会社誕生のきっかけ   -まず、最初に松永さんのバスリエを立ち上げるまでの歩んできた道というか、きっかけを聞かせていただけないでしょうか。     松永氏:歩みですね・・・まあ、すごく簡単に端折ると、まず僕は学校の勉強が全然出来なくて(笑)でも仕事が大好きなんです。 もともと実家が町の家電屋と言う事もあり、小学生の頃から父親にくっついてエアコンの取り付けとかの手伝いをしてたんです。そうすると、お客さんから「武君、偉いねー」みたいな感じで褒められ、お菓子をもらったり、500円もらったりしていたのが僕の商売の原点かなぁと思っています。 何かをして喜んでもらって、対価をもらうってことが昔から大好きでしたね。   あと、音楽が好きで、そういう仕事がしたいなと思ってたんです。 それって別に音楽業界で働きたいってことではなくて、音楽ってメロディや歌詞や人に共感するからCDを買っていただけるように、共感して選んでいただけるような仕事って事です。さらに言えば、聞くシーンも常に聞き手都合で楽しいときや悲しいときに合わせて寄り添ってくれる・・・そんな仕事をイメージしていました。 東京に出て来た頃は趣味で作詞作曲をやりながら、ライブハウスでバイトしていましたね。 でも時給が凄く安くて(笑)、住んでる所は風呂なしのアパートで明日食べるものにも困るような暮らしを続けていました。   しかし、いい加減生活が苦しくて当時時給の高かった家電量販店の派遣社員として働き始めたんですが、その時にバスリエを立ち上げるきっかけになった「まくら株式会社」の河元さんと知り合いになったんです。   河元さんは一足先に退職して「まくら株式会社」の前身となるアンニークジャパン(annique japan)を起業し自社開発の枕を販売していました。 扱っていた枕が当時では画期的な低反発枕で、枕が人の頭に合わせて快眠できるという商品でしたね。それが僕の中で「人に合わせる」っていう音楽的な要素を感じたことと、河元さんの枕に対する熱意に感動して「まくら株式会社」に入社させていただきました。   -まくら株式会社様の場所は千葉県だったと思うのですが、東京から通っていたという事でしょうか。     松永氏:そうですね。当時は練馬に住んでいたので会社のある千葉県の我孫子市から帰ったら夜中の1時2時でした。朝は6時に起き・・・でしたので睡眠時間3時間みたいな生活が1年ぐらい続いていました。そんな時に、当時はまだ結婚してなかったんですが、妻が「枕で眠りを売っているのに、自分が睡眠不足でどうするの?」みたいな、ごもっともなことを言ってきて(笑)ある日、妻が入浴剤を買ってきてくれてたんです。 「これにゆっくり入って、これぐらい汗かいて、で、こういう状態になったら上がって、で、また休んで、寝てみなよ」みたいなことを言われたので実際やったら、すごく気持ちよかったんですね。じんわ~り汗をかいてリラックスして。 湯船に浸かっているときはもちろんだし、上がってからも違う!なんか温泉行ったみたいにポカポカするって感じました。 そしてさらに朝起きたらびっくり!完璧に体の疲れが取れてるし、ものすごいすっきりしてるんですよ。   その時、睡眠の質を良くするのってお風呂とか睡眠前にどう過ごすかとか、そういったところがすごい重要なんだと気付かされました。 独立は前々から「いつかは」と思ってたこともあって、独立しようと考えた時に、じゃあお風呂グッズの専門店をやろうと思ったのは割と早かったです。ショップ名とか会社名は、「妻がやってくれたのって、なんかお風呂のソムリエみたいだな」っていうところからショップ名が『お風呂のソムリエSHOP!』になって、会社名が『バスのソムリエ』で、『バスリエ(Bathlier)』としました。 これがバスリエを立ち上げるに至った経緯ですね。 ...

前回の「「何を買うか」より「誰から買うか」【前編】走るジーンズショップ「デニムマン」インタビュー 」に引き続き、「お客様との繋がり」についてデニムマンこと新倉 健一郎氏にお話しいただだきました。   地域に根差して、商売をする   ―今は神奈川の湘南エリアを主な活動範囲にされてますが、今後範囲を拡大させるという考えはあるのでしょうか。   新倉氏:この業態自体がそもそも大量のお客さんにアプローチしなくても良いという部分があって、それよりは地元に根差してちゃんとアフターケアできる距離で密にやった方がいいと思っています。 なので今のところは拡大とかは考えていないです。   ―やはり密にお客さんとやり取りしていたほうが、顧客満足度も高いですよね。   新倉氏:そうですね。今のところの手応えではそう感じています。「めちゃくちゃ楽しかった!」って言ってくれる方もいました。 あるお宅にうかがった時は、ご夫婦と十代後半の息子さんが二人いらして、「こっちが似合うんじゃないか」「いやこっちの方がいい」ってすごい楽しそうで(笑) 大きくなってから家族で服を買いに行くって、なかなかないじゃないですか?あーこういう利点もあるのかー、と気付かされました。 お茶を飲みながらお話をして、で、試着してもらう。こういった体験は、他のお店ではなかなか味わえないと思います。   ―お客さんは何をきっかけにデニムマンを知るんでしょうか?   新倉氏:やっぱり今はSNSとかのつながりが多いですね。 ただSNSは、アカウントを持っている人たちの中での繋がりしかないので、その外にいる人たちにどうやって認知してもらうか、というのが今後の課題です。ネットの外の人に知ってもらうにはどうすればいいかを、今一生懸命考えています。 そういう点で言うと、この前平塚のSunSunマルシェや小田原の軽トラ市なんかのイベントはではお客さんと直接お話しできて、すごい貴重でした。   まずは「自分を知ってもらう」   ―デニムマンを運営していて、苦労された点は何でしょうか。   新倉氏:苦労されたっていうか今も苦労している点なんですが、一人一人個別の営業をする業態だと、呼んでいただく方にとってもハードルが高い点ですね。つまり「わざわざ自分の所まで来てもらうのは悪い」だったり「呼んだけど買わなかったらどうしよう」っていう日本人特有の「遠慮」っていうハードルですね。そのハードルを越えてもらうのにどうしたらいいか、悩んでいます。 僕としては気軽に呼んでいただければ、行けるエリアなら行くし、ゆっくりお話もしたいんですけど、こういったハードルは前述のリアルイベントとかでお話ししたりして、地道にクリアしていくしかない。そこのマッチングが難しいですね。   ―確かに会ったこともない人を呼ぶのって、少しハードルがありますね。   新倉氏:そうですよね。僕の場合はこのハードルを越える為に、まず何から始めたかっていうと、「自分を知ってもらう」っていう事だったんですね。お客さんとの信頼関係を作っていく。   というのもこの商売を思いついた時は、こういう業態では女性のお客さんは来ないだろう、という考えがあって。 だって見ず知らずの人の車に乗って着替え(試着)するっていうのはありえないでしょ。そんな・・・危険な(笑) だから最初レディースは扱おうと思ってなかったんです。 そういう理由でメンズだけやろうとしてたら、知り合いの女性や親戚からレディースも扱ってほしいって言われて。 随分悩んだんですが、突き詰めると要は自分を知ってもらっているかどうか、お客さんから自分が信頼されているかどうかっていうのが大事な訳なんですね。女性のお客さんでも、信頼してもらえれば売ることが出来る。じゃあまず自分を知ってもらわなくちゃ、と。 あとはどうやって自分を知ってもらうか、なんですがこれはブログを書いたり、Facebookを公開したり、直接会って話したり、色々やっています。直接お話をするのが一番確実ですね。 だから商売になる、ならないは別にして、今では色んな会合や集まりに行ってます。昔はこういう事はしなかったんだけど。 「自分を売り込む」というよりは「知ってもらう」。デニムマンもその後に知ってもらえればそれでいいかなと思ってます。まず知ってもらうのは「自分」なんですね。 自分から動いて、どんどん「新倉 健一郎」という人間を知ってもらう。そうしないと、この仕事は成立しないです。   「売り手」「買い手」の壁を越える   ―人とのコミュニケーションを取るノウハウはアパレル時代に培ったものかと思います。でも個人的にアパレルのお店って、店員に話しかけられるのが怖いんですが。   新倉氏:そこなんですよね。今日それもお話したかったんです。 なぜアパレルの接客が嫌われるか。   ―新倉さん的にはなぜなんでしょうか?   新倉氏:店員にマニュアルの接客しか教えてないからだと思います。お客さんとちゃんとしたお話が出来ない。 「いらっしゃいませ」って普段のコミュニケーションで使う言葉ではないですよね。挨拶する時は「こんにちは」とかでしょ。だから本当はお客さんに「こんにちは」って言える関係が作れるといいんですけど、いらっしゃいませっていう時点でもう売り手買い手で壁が出来ちゃう。そこを越えられる店員さんって少ないんですね。 アルバイトの子も多いから、マニュアル重視の接客指導になってしまうのは仕方ない部分もあるんですが、本当の接客を指導できる経営者がなかなかいないっていうのもありますね。 特にチェーン店はそういう事が多いですね。   本当はお店の人と仲良くなっちゃえば、お客さんとしても楽だと思うんですけどね。でもお客さん側には「売りつけられるんじゃないか」っていう不信感みたいなものが少なからずあるでしょう。特に10~20代のまだ買い物慣れしてない人とかは、そういう傾向にあると思います。「やべえ、何か売りつけられるんじゃないか」って(笑) お客さん側としては、店の人と仲良くなっちゃえば、買い物も楽しくなるし楽になる。だからお店側も、お客さんと仲良くなれるような方法を店員に指導できれば、そういうこともなくなるのかなと思いますね。 だから今度からお店の人に聞きたい事は聞いて、ずけずけ行っちゃっていいと思いますよ(笑)ちゃんとした店なら、店員さんもちゃんとそれに応えてくれるはずです。 それこそ「何を買うか」より「誰から買うか」っていう部分なんですね。   ―今日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。最後に一言、商売をしている方々へメッセージをお願いいたします。   新倉氏:調子に乗って偉そうにしゃべってしまいましたが、デニムマンはまだスタートして4ヶ月。成功とも失敗とも言えません。ただ、今後うまくいけば、店のオーナーさんや働いている方に「こういうやり方もあるのか」という気付きになるかもしれません。 「お客さんが来てくれなければ自分で行けばいい」っていうような発想の転換のきっかけになれれば嬉しいです。 もし自分もやってみたいって人がいれば喜んでアドバイスさせてもらいます。   編集後記 「何を買うか」より「誰から買うか」。人と人とのつながりを大事にして、お客様に納得していただける商品を自分の手で届ける、この姿勢は「商いの原点」だと感じました。商売をしていく上で忘れてはならないことを教えてくれたデニムマン新倉さん、もう我々はファンです。   ↓走るジーンズショップ「デニムマン」インタビュー!【前編】↓ ...

  先日、ニアセ編集部員のランチ難民「yuko」がGoogleで「移動販売 小田原」と検索したところ、検索にヒットしたのが「デニムマン」。 ネーミングに引かれ、「デニムマン」について調べるとキャンピングカーでジーンズの移動販売をしている、と書かれてあります。   ジーンズの移動販売!?   1時間後には衝動的に取材申込をしていました。 今回はデニムマン新倉 健一郎氏のインタビュー記事を前編と後篇に分けてお届けします。 我々が最初にデニムマンに抱いた素朴な疑問が「移動販売という時代と逆行したような販売形態をなぜ始めたのか」。ここが興味を持ったポイントなので、色々どストレートに聞いちゃいました。   走るジーンズショップ デニムマン誕生のきっかけ   ―今日はよろしくお願いします。早速ですがデニムマンはどのように生まれたのでしょうか。   新倉氏:もともと僕はジーンズショップに約27年勤務していたんですが、去年に店が閉まることになったんです。その時僕は49歳だったんだけど、これからどうしようかと考えてました。 そこで考え抜いた答えが「結局自分にできることはデニムを売る事」だったんです。 ただ、店舗をどこかで構えるというのは成功する気がしなくて。というのもジーパンの個人商店はどんどん閉店してるし、淘汰されてるんですね。ジーンズショップというショップ形態がなくなるんじゃないかっていうくらい、減ってきている。   色々考えてたんだけど、地域のマルシェが盛り上がってるのをみて「移動販売ってどうだろう」と、ふと思いついたんです。検索しても出てこないから誰もやったことがないんだ、って思ったら俄然やる気が湧いてきました。   ―キャンピングカーというのはどういった理由からなのでしょうか。     新倉氏:まず自分がやりたい事が「試着、ミシンでの丈直し、お話が出来る、ものがある程度置ける」って所だったんです。その中でも、「立ったまま試着ができる」という点が重要で、そう考えていくと一番良い選択肢がキャンピングカーだったんです。   あとたまたま後輩がキャンピングカー持ってて、それ見て「キャンピングカーいいなぁ」って思ってたというのもあったけど(笑) それにこれは結果的に分かったことなんですが、キャンピングカーって皆あまり乗ったことないから「キャンピングカーの中ってどうなってるんだろう?」という興味関心を引く、良いつかみになるんです。 元々キャンピングカーについての知識がなかったので、そこはキャンピングカーを売ってる所で相談しました。シンク取っ払ってミシン置けばいいんじゃないかと思ってたりしたら、それだとキャンピングカーの要件満たさないから車検が通らないとか(笑) そんな感じで準備を進めていきました。   ミシン台。リペアも丈直しもキャンピングカー内で行う。 お客さんと対面でじっくり話して提案する、人と人との関わり合いというのが求められている   ―なぜ通販ではなく移動販売なのでしょうか     新倉氏:そこがよく聞かれるところでもあるし、お話したいところでもあるんですが、個人商店さんとかでもうまくいかないと通販に行く人が多いんですね。 でもそういう人たちに、通販やってみてどう?って聞くと「全然楽しくない」って言う。 商品をアップして、お客さんがポチッとそれを購入したら、梱包して、発送する。それって何が面白いのかなと。僕にとっても全然面白いと思わない。 移動販売はECに対するアンチテーゼなんです。 通信販売、ファストファッションが盛り上がっていくにつれて、それの揺り戻しでお客さんと対面でじっくり話して提案する、人と人との関わり合いというのが求められてきているんじゃないかと思います。   ―購買のターゲットとしては、通販をあまりしない人達なんでしょうか。   新倉氏:僕がターゲットにしている方たちって、年齢でいうとそんなに若い人たちじゃないです。でもネットを全くやらない人たちかっていうとそうでもなくて、買うものが決まってれば通販で買う。 ただネット販売って、買いたいものが決まってなくて、自分に合ったものが欲しいと思った時に少し難しいんですね。 例えばネット通販で服を買って失敗した事ってありません?   ―あります。買ったけどお蔵入りになったやつとか。   新倉氏:今ってそういう人が多いんですよね。失敗した!と思っても返品せずに、お蔵入りにしちゃう。 商材的にもジーパンはちゃんと試着してもらって、長く使ってもらいたいっていうのがあるんですね。こちらがこれどうでしょう、って提案したものを何着か履いてもらって、決めてもらう。   ―確かにお店で吟味したものは長く使っていますね。   新倉氏:そうでしょう。 ちょっと話がそれるんですけど、一時下取りセールが流行った時があったじゃないですか。ジーンズもそういう時期があって、そうすると新品同様のジーンズを持ってくる人もいるわけ。これまだ履けるけどいいの?って思うんだけど、全然愛着がないんですね。それってどうなの?と。 そういうものとは対極の商売がしたいんだけど、店を構えるとうまくいかない。そう考えるとこの移動販売っていう業態は理にかなっている気がしてきたんです。 ネットの利便性とはまた違う「お店の人が来る」「試着が出来る」「お客さんに合ったものを提案できる」っていう部分が理にかなっているかなと思います。 「何を買うか」より「誰から買うか」   ―一番お聞きしたかった点でもあるのですが、ネットでのやり取りが盛んな今日、移動販売は時代に逆行したように感じるのですが。   新倉氏:そこはぜひお話ししたかった(笑) 僕は「今はネットの時代」と思っていること自体が危ないのかなと思っていて。それはある意味驕りだと思うんです。 皆が皆ネットの方向に行くわけではないでしょ。マルシェとかが最近盛り上がってるけど、そういう人たちもいるわけで。 でもそういう人たちが通販を利用しないかっていうとそうではないし、もちろん僕もネット通販は利用します。買うものが決まってたら通販で買います。 でも一方では「何を買うか」より「誰から買うか」っていう方が大事だと思っている人が少しずつ増えている気がしてます。それは僕自身の手応えもある。 今、倉敷の児島のジャパンブルージンズっていうメイドインジャパンのものが見直されてきているのも、そういう理由があるのかなって思うんですよ。   だから将来的にECをやるかって言われると、どうしても必要ならやりますけど、今はやろうと思ってないです。もしもECサイトに商品出してて、お客さんに「いいな」と思ってもらっても、試着もしないで買ってもらうっていうのは僕にとっても不安だし。   ―確かにECサイトなどでもお客様から評価される点というのは接客態度、つまり人とのやりとりの部分が多いですね   新倉氏:僕は売る側も楽しくなるネットショップをやってみたらいいんじゃないかな、と思っています。売上が上がればそりゃ楽しいけど、それだけじゃないと思う。「商い」ってそういう事ではないんじゃないかと。   僕も今までは数字追っかけてたけど、売り上げだけじゃなくて、それ以外のものもあるんじゃないかって思って、デニムマンを始めました。 あとお店って、基本はお客さんが何かするのを待っているものじゃないですか。ネットショップはお客さんがクリックしてくれるのを待ってるし、実店舗はお客さんが来るのを待つ。 27年「待つ仕事」をしていたので、それに飽きてきたってのもありますね(笑)   ―ブログにも書かれてましたね。「待つ営業と行く営業」。商売の本質を突いてるのではないかと思います。   新倉氏:発想的にはへそ曲がりの発想ですけどね(笑) そう言ってもらえると嬉しいです。 編集後記 「儲け」だけでない、人と人とが関わり合う商い。 お客さま一人一人としっかりと向き合い、じっくり話すことで信頼を作り上げる。これはリアルの現場だからできること。お客さま一人一人に合ったニーズを肌で感じることができますよね。 ネット通販でも人間味を感じるサービスが必要だなと考えさせられた瞬間でした。   ↓走るジーンズショップ「デニムマン」インタビュー!【後編】↓     >>デニムマンについて詳しく知りたい方はこちら...

前回の「ECで勝ち抜くための秘訣【前編】社長がシャチョウに聞いてみた」に引き続き、Hamee株式会社代表取締役の樋口氏との対談形式で、ECが始まった当初の苦労話や、「scope」の変わらない部分、EC業界の今後などについて、お話しいただだきました。   当時から「高いものを仕入れて定価で売る」姿勢は一貫していた   ―お二人がお店をスタートされたのはECが始まった初期の頃ですから、やはり苦労した部分もあったと思います。当時の印象的なエピソードなどがあれば、教えてください。   樋口:詐欺にあったとか(笑)。   (一同笑) 樋口:多分、話すと長くなっちゃうから(笑)。最初はネット通販から始まって、メーカー寄りになって「会社にしよう」と。仲のいい香港人の友達と一緒に会社を作って、ストラップを大量生産・大量販売したんです。1発目の商品はよかったんですけど、2発目があんまり売れなくて、焦っちゃったんですよね。で、ガンガン、後払いでもいいから買ってくれる所にってやっていたら、結構な金額の取り込み詐欺にあっちゃって、ブワーってお金がなくなっちゃったんです。当時20歳くらいだったんですけど、それが一番大変でしたね。だからその後は、ネット通販に徹してコツコツやるのがいいかなって思って。   あと、それが直接の原因ではないんですけど、香港人の友達とも、それから2年後に別々にやろうということになって。半分ずつ資本を出しているからどうにもならなくなっちゃって。そこからは、友達と一緒に事業をするのはやめようと思いました。自分が圧倒的なマジョリティを持っていないと、一緒にやっている人のことも不幸にさせてしまうと思うようになりましたね。 平井:うちの場合は、ずーっとあんまり人と接しないで、自分がやりたいようにやっていたので、「耐えるしかない」っていう所ですね。お金がないからファミレスでバイトするみたいな、売れない芸人さんと同じような感じで。バイトで稼いで10何万もらって、スコープの給料はゼロで2年くらいやり続けるみたいな。そういう苦労ですね。まあ、最初はそんなもんですよね。   樋口:僕の所は1997年から始めて、僕も全然お金はなかったんですけど、実家に住んでいたからまだ助かりました。100円ショップでおかゆ買ってきて、みたいな(笑)。そういう世界ですよね。   平井:当時、「日本は何があっても生きていける国」って言われていたけど、ウソじゃないかって思うくらい貧乏でした。缶ジュースとか開けてるヤツがうらやましくて(笑)、買えなかったですから。あと、野良猫を見てうらやましく思ったり(笑)。忙しいけどお金ない、みたいな状態で。当時でも既にブランド家具なんかの安売りで結構な売り上げを作ってる人もいたけど、僕たちは「安売りはしない」って決めていたので、売れなかったんですよね。当時から良いものを仕入れて定価で売るっていう、それは今より強かったかもしれない。   スツールを別注する時も、まずは古い年代のものを何百脚集めて並べてみて価値を見つける   平井:あと、あるお金をどういう風に投資していくかっていうことを、社長は考えるじゃないですか。樋口さんが投資しているのは、システムだったり、海外の子会社ですよね。僕らはものすごく集約した会社にしようと思っているので、今いるスタッフにたくさん投資するのと、あとはモノのアーカイブですよね。過去の物を集める。いろんなソファーとかいろんな花瓶とかいろんな椅子とか、そういうのを集めることにすごくお金をかけています。   樋口:うちのスマホケースをアーカイブしてもしょうがないですからね(笑)。アンティークって、それだけで資産価値があるから。 平井:一個のモノを作ろうとした時に、過去にザーッと遡るんです。例えば、artek/Stool60をスコープで別注しようと思ったら、簡単に「これのこの色にしようよ」っていうやり方は、絶対にやらないんです。1930年代の古いものを百脚以上集めてみて、全部並べて「何が価値なんだ、ここだ」って。そうしないと、お客さんが損するから。お客さんが得をするような方向で考えていて、スコープで買った物が後から価値が出て高くなる、みたいなことがあるといい。ネットオークションで、去年の11月に3000円でうちが売った布が、すぐに数万円になる、とかも実際にあって、そういう買った物の価値が上がるのってなんかいいなって思います。   「今の人数でどうやったらもっと簡単にできるか」   ―scopeさんの場合、商品へのこだわりなどは当初から現在まで一貫されていると思います。その他に、昔から今までで変わってない部分はありますか。   平井:うちは、Hameeさんくらいの人数にするのが難しいなと思って。人を増やすのが嫌いなんですよね。だから、「しんどいから人増やしてくれ」とか言われると「知恵を出して、もっと簡単にできる方法考えてよ」という、知恵出し制度をやっています。社員だけじゃなくパートさんも同じで、割り当てられる仕事によって時給がどんどん上がるようにして、賞与もあって。出荷場も、以前は200件だったのが、仕事のやり方を変えたら1,000件こなせるようになったり。スタッフ1人当たりの売り上げをどんどん増やしていく仕組みというのを昔からずっとやっていて、そこは一貫していますね。だから、スコープに新しいスタッフが入ってきたときに、パートさんを含めてみんなが「あれどうする、これどうする」って知恵を出し合って話しているのを見て、不思議だって言いますね。   あと、僕、お金の使い方にすごくうるさいと思うんですよね。使うとこには使うんですけど「とりあえず」なモノを買うと、処刑されるっていう(笑)。例えば会社で使う椅子にしても、いいものはいいじゃないですか、やっぱり。いいものを買ってそれをずっと使っていた方が会社の歴史にもなるし。そこも変わらない部分ですね。   ―樋口社長は、同じネットショップとして、スコープとの違いを感じたりしますか? 樋口:うちも、今そっち(スコープ)の方向に行きたいと思っているんですけど。スコープさんみたいに、徹底して大事に売る、作る、商品を絞り込む、もっともっとクオリティの高いものを作るとか。そうしたいんですけど、忙しくてなかなかそこまでできていない。少し前までは「会社をつぶしちゃいけない、伸ばさないといけない」という思いが強くて「つぶさないためには」という、危機感の方が大きくて。忙しくて人を増やしても、スタッフはみんな頑張っているから新しいビジネス作るし、成長させているんです。でも、相変わらず忙しい。こういう状況を、スコープさんみたいな流れに持っていきたいな、という思いが強くあるんですよね。 平井:僕もスタッフが大変そうだと、なんとかしてあげたいと思うんですよね。そういう時は、人を雇うべきか悩むんですけど。そこで考えた手法が「人を雇う」じゃなくて「新しいことを増やしたら何かをやめよう」と。例えば、ラッピング対応をやめるとか。今はパートさんも含めて全員で30人で出荷まで行っていて、そのうちの7人で経理、輸入、Web制作、商品企画、写真撮影、SNSを担当しています。樋口さんと会った当時は年商6億くらいだったんですけど、今はちょっと人が増えただけなのに20億近くまで伸びてます。   樋口:やめるっていうことも大事なことなんですね。   「モノをみんなに安く売る理由」を企画化して商品を売る   ―EC業界の全体感として、大手モールは定期的に行う大型セールやポイントキャンペーンなどがスタンダードになっています。今後も、その流れは続くと思われますか。また、同じ業界で頑張っているネットショップ事業者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。   樋口:うちは、今後スコープさんみたいな方針でやっていきたいですね (笑)。スコープさんはどうですか?   平井:僕らの業界は、値引きするのが「悪」みたいな考えがあり、僕らもずっと定価販売を大事にしてきたんだけど、だからこの業界は広まらないのかなと思っている部分もある。世間とは逆行して僕は今、値引きいいんじゃないかな?と思っています。何だかんだ、みんな安い時に買うじゃないですか。プレゼンテーションの仕方が問題なのであって。   僕らがSNSを活用した例として、お皿の在庫が2万5千枚くらいあってなんとか減らしたいと思った時に、スタッフは最初「返品したい」って言っていたんですけど、僕、お客さんに安く売ったらいんじゃないかって考えて。そのお皿に乗せた料理の写真をインスタにアップして、SNS上の企画として「みんなで商品ページつくっちゃおうぜ企画」という風にしたんです。これはおもしろかったです。フォロワ―が数万人いるような影響力のある人も、それを見て燃えてくれて。さらに、週一で僕たちがいい写真を選んで、選ばれた人には豪華商品をプレゼントしていた事もあり、たくさんの人達がインスタにアップしてくれました。そしたらその様子を見て、別のお客さんがまたお皿を買ってくれる。1ヶ月しないうちに、1万2千枚くらい在庫が減り、ほっと一安心でした。 インスタのフォロワ―って、僕はそんなにいないんですよ。SNSはフォロワ―の数より、いかにSNSに連動した新しい企画を作れるかだと思っていて。商品をただセールで安く売るんじゃなくて「モノをみんなに安く売る理由」っていうのを企画化して商品を売るというのが、今後は増えていくんじゃないかなと思いますね。   樋口:確かに、残った在庫を返品したり捨ててしまうのではなくて、そういう風に売っていくのが大事ですね。売り方として、安いものを集めてただ売っているだけのECはダメだと思いますね。   平井:かといって、絶対に値引きしない!とかは、僕は違うと思うんですよね。超ハイブランドはやらないかもしれないですけど、通常のアパレルブランドはセールやりますし、みんな買っていますし。そういうのもうまくやっていくのが、広がっていくコツなのかなと思います。   「ものづくりのポリシー」がないと世界には通用しない   平井:今日、樋口さんと話していて、世界に広がっていこうと思ったら、やっぱり「本物」じゃないと無理なんだなって思いました。いかに自分たちでブランディングするか、モノづくりは自分たちがどう決めるかですから。食器だったら長く使えるとか、「ものづくりのポリシー」みたいのがないと世界には通用しないぞと、やる前から気づいてしまいました。   樋口:それは、日本も同じだと思いますね。中小でも安売りの店は存在するけど、「安売り」だけだと結局大手には敵わないじゃないですか。中小のECとしては、スコープさんみたいな形が、未来のECの形なんじゃないかなと思いますね。   平井:インスタグラムとか、SNSの活用も絶対合うと思いますよ、Hameeさんは。例えばHameeさんの商品を持っている人が参加できる企画とか、やってみるといいと思います。   樋口:スコープさんの過去の企画も拝見して、うちでもちょっと考えてみようと思います。   編集後記   どんな時でも決して安易な方向に走らず、徹底的にこだわり、考え抜くscopeさんの姿勢は、商品セレクトや写真、文章、SNSの企画など、あらゆる所に現れていると思います。   売れない時代でも変わらずに自分たちのポリシーを持ち続けてきたからこそ、scopeさんは、決してひとりよがりではない「本物」の価値ある商品を提供し続けられているのだと思いました。   ↓前編をまだ読まれていない方はこちら!↓ ...

『考え方』が一貫していれば、それがブランディング   2000年より名古屋に本社を構え、インテリア家具・雑貨などを中心に、生活を豊かにするアイテムを世界中、日本中からセレクトし販売するネットショップ「scope」。徹底的にこだわり抜いた商品セレクトで多くの根強いファンを持つネットショップであり、数々の賞も受賞しています。     自社サイトはもちろんのこと、scopeの独自の世界観はSNSでも発揮、そのハイセンスでユニークな写真や動画、参加型の企画などがユーザーに支持され、同社のFacebookページは現在、35万人以上の「いいね!」を獲得しています(2016年4月現在)。    今回は、有限会社スコープの「シャチョウ」こと代表取締役の平井千里馬氏と、以前から親交の深いHamee株式会社代表取締役の樋口敦士氏との対談形式で、平井氏のSNSについての考え方や「scope」のブランディングについてなど、前編・後編の2回に分けてお届けします。   Facebookを「やるなら徹底的に」やる Hamee樋口氏(左)と、スコープ平井氏(右)   ―そもそも、お二人の交流のきっかけは?   平井:出会いのきっかけは、2012年ですかね?楽天主催の SOY TRIPでサンフランシスコに研修旅行に行った時に、5~6人のいくつかの班に分かれていたんですけど、樋口さんと同じ班でした。樋口さんはその時2回目の参加で、僕は初めてで。僕たちの班はそんなにこう、「常連」みたいなお店じゃない班だったんですね。ショップ・オブ・ザ・イヤーも最近受賞し始めたような人達が集まっていて。それでまあ仲良くなって、毎晩飲んでいて(笑)。次の年も、班は違ったんですけど一緒に参加していました。   で、僕はその時急に、Facebookをやろうと思ったんです。SOY...