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ホーム > アキンド探訪  > チームビルディングにも活用!地域と会社を「チャンバラ合戦-IKUSA-」が変える

 

チャンバラ合戦-IKUSAとは?

「皆の者!刀をあげよ!戦国開始〜!!」威勢のいい掛け声とともに合戦がはじまる。しかし、殺伐とした戦いではなく皆笑顔で楽しそうだ。チャンバラ合戦-IKUSA-(以下、IKUSA)とは、一言でいってしまえばチャンバラ遊び
 
「スポンジ製の刀を持ち、相手の腕についた命(ボール)を落とす」ルールはたったこれだけだ。単純なルールなので、下は4歳から上は88歳まで年齢・男女・国籍を問わず誰でも参加できる。世代や性別を問わず楽しめる新しいエンターテイメントとして各地に広がり始めている。
 
 
 


▲合戦フェスPV

 
 
 
IKUSAは企業や地方自治体と組み、チームワークレクリエーションやご当地合戦などあらゆる場所で様々な目的に応じて行われている。IKUSAを運営する株式会社TearsSwitchの赤坂大樹さんに、チャンバラ遊びを単なる遊びにとどまらずエンターテイメントに昇華させた戦術と今後の可能性についてお話を伺った。


▲チャンバラ合戦-IKUSA-を企画運営する株式会社TearsSwitch 赤坂大樹さん

 
 

体験型合戦エンターテイメント「IKUSA」で会社と地域を変える

 
ーーどれくらいのペースでイベントをされているんでしょうか
 
チャンバラ合戦-IKUSAが発足してから5年半ほどになります。口コミなどで広がり、今では年間130以上のイベントを行っています。割合的には、企業向けの研修や旅行イベントが6割、自治体向けのイベントが4割ほどになります。その内、代理店からの受注は2割ほどで、ほとんどが企業や自治体と直接の取引でイベントを開催しています。
 
剣は小ロットでオリジナル製造してるんですが、1本数百円します。消耗品なので壊れてしまいますし、参加料も500円程度ですから参加費のみのイベントですと利益がでません。やる場合は割り切って赤字でもOKなものに絞っています。


▲改良を重ねて作られたウレタン製の「剣」と「命」のボール。当たっても痛くない安心設計。

 

誰もやったことのない遊び!社長も平社員も関係ない


ーー企業イベントに使われてるんですね
 
数百人単位で一気にやれるコンテンツって案外少ないんですよ。運動会をやっても運動神経のいい若手男性だけが活躍して、そうでない人は玉入れやるだけみたいな状態が起こります。社内活性を狙ってるはずなのにそれじゃあ、あまり楽しくない。
 
IKUSAは経験者のいないアクティビティなので平等です。早歩き、駆け足はOKですが、ダッシュは禁止してるので老若男女誰でも参加できます。2時間半で7~8戦ほどするのですが、合戦の間に話しあいの時間を設けてます。我々はこれを軍議と呼んでいるんですが。ここで「次の戦いは陣形をどうしよう」などと作戦をたてます。
 
ーーああ、合戦中にPDCAサイクルを回すんですね
 
そうです。仕事と違って、IKUSAについては誰もが初心者。社長や部長に対しても対等にコミュニケーションが取れるわけです。そういったこともあり、企業イベントで御採用いただく場合はチームビルディングというテーマでお手伝いすることが増えています。


ーー社長クラスもけっこう参加するんですか
 
風通しのいい会社ほど、社長や重役の方も参加されます。某有名メーカーP社や自動車メーカーさんで実施したときも、社長さんが出てきましたから。それで平社員にあっさりやられたりするんです。逆に「この専務、社長に遠慮してるな〜」って上下関係が滲みでちゃう会社があるのも面白いですね。
 
ーー女性社員も楽しんでますか
 
はい。どんなに運動神経がいい男性でも女性3人に囲まれたら、大抵やられてしまいますから。腕につけた命はマグネットで固定されてるんですが、あまり激しく動いたら落ちちゃうんです。命が外れたら自害って呼んでるんですけど。ダッシュとジャンプも禁止にしているので、運動神経の良し悪しや体格の大小もいい具合に帳尻が取れますね。
 
200人ぐらいでバトルロイヤルをやっても女性が残ることが多いんです。威勢のいい男性社員は「かかってこいや!」と叫んだりして目立とうとするので、すぐに囲まれてやられてしまいます。女性社員は冷静に強いやつを見つけて囲んでやっつけていく。そういうところぬかりがないんです(笑)

祭りの再定義!ご当地合戦を蘇らせる


ーー企業イベント以外にも、あちこちの地域イベントや祭りでIKUSAをおこなってますよね
 
どこの地域のお祭りも見るものや食べるものが同じです。どこに行ってもフランクフルトがあって焼きそばがあってアイドルが歌ってる。それはそれで面白いですけど、地域の特色が活かせてません。我々の場合、その地域で起こった合戦風にIKUSAをアレンジできます。大阪城でやるなら大阪の陣、富山城なら佐々成政をモチーフにできます。
 
たとえば、滋賀県長浜市では「姉川の戦い」をイメージしたIKUSAをやりました。織田信長の軍勢と浅井長政の軍勢の戦いです。普通、織田軍に入りたいですよね。でも、チーム分けをしてみたらほとんどの子どもが地元・浅井軍を選ぶんです。これって地域性ですよね。
 
愛知県でやった「桶狭間の戦い」では、今川軍はご飯を食べた状態でスタート。10m先に置いてある剣を取りにいくところからはじまって、30秒たつと援軍がきます。これも史実を取り入れた特別ルールですね。
 
 
 


▲可児市の乱

 
 
 
ーーIKUSAを通じて地域の歴史を振り返るわけですね
 
小さい子たちが「おじいちゃんと一緒に織田軍と戦った!」とか言いながら帰っていくわけです。そういう特別な思い出を、お祭りで作ることができる。お祭りをきっかけに自分が住んでる地域の歴史に興味を持つ。大げさかもしれませんが、そういう場だとお祭りを再定義していきたいです。
 
ーー参加者は子どもや家族連れがメインなんですか?
 
そういうわけでもありません。どっちかっていえば20代後半~30代ぐらいの参加者が多いんですね。

ほかの地域で参加した方が、地元のお祭りに呼んでくれることもよくあります。「なんか資料ある?それさえあれば、あとはこっちで通しとくから」とか言ってくれてありがたい限りです。新しいエンターテインメントなので体験したことある方がいると話しが早いですね。
 
会社でも地域でも決裁できるポジションの方は、年齢的に戦国好きが多いんですよ。司馬遼太郎を読んでいたり、大河を見ていたり。IKUSAは戦国好きを刺激する、決裁権者に刺さりやすいコンテンツなのかもしれませんね。

自主開催で実績とノウハウを積む!5000人来場の大合戦「合戦フェス – IKUSA」


▲泡まみれのチャンバラ合戦。姉川ならぬ「泡川の戦い」だ。

 
 
2017年7月2日には「合戦フェス」を行いました。今までの活動の集大成となるイベントで、大井競馬場を借りて大々的に行いました。準備がほんとに大変で去年11月ぐらいから動きはじめましたね。
 
ーーあまり参加費型のイベントはしないとおっしゃってましたが、これだけの大イベントを企画した狙いはなんですか
 
地域や企業とやるイベントはお客さまのニーズを第一に考えなければいけません。やれること、やれないことが出てきます。それに慣れ過ぎてしまうと、合戦コンサルタントとして発想の幅が狭くなります。合戦フェスはそういう限界を取っ払って、やりたいことを全部詰めこんだイベントをしたいというところが出発点だったりします。


▲トークショーも開催「戦国時代もしもトーク ~もしも、信長が桶狭間で敗れていたら?~」

 


▲合戦を盛り上げる音楽は生演奏でおこなった。

 


▲JOBAで流鏑馬。意外?なことに行列ができるほど人気があった。

 


▲「手作り布甲冑」親子で色を塗りオリジナル甲冑が作れる。

 
 
ーー今まで実現できなかったアイデアも自主開催ならやりきれる
 
フェスのテーマは「親子」でした。親子は顧客単価が安いうえに、クレームが多いんですよ。大人なら我慢できることも、お子さんはそういうわけにはいきませんし、ケガのリスクもあります。正直むずかしいターゲット層です。
 
だからこそ挑戦という意味をこめて、親子をど真ん中のターゲットにしました。子供向けに「こわっぱゾーン」を設け、ヒーローショー、忍者迷路、泡合戦や手裏剣バトル、けん玉合戦などを行いました。
 
そのほか、最強の武将を決める大合戦や、甲冑隊による戦国演武、オリジナルのワークショップもやりましたし、戦国時代にで食べられていた「かもしれない」戦飯も考案しました。考えられるかぎりのコンテンツを用意した結果、2000人の来場目標をはるかに超えて、5000人に来場していただきました。


▲柴田勝家(武将)を守れ!子供達も自然とこのポーズになる。

 
 
ーー5000人はすごいですね!どうやって集客したんですか
 
Webサイトを整え、チラシを手配りしたり、クラウドファウンディングをやったり、考えられる宣伝手段は全てやりました。前日は雨が降っていて、当日の天気もよくない予報だったので「終わった、500人くれば良いほうだ……」と悲観していたんですが、どんどんお客さんが来場してきて、最高に嬉しかったですね。
 
イベントも宣伝も自前でやって、お祭りの仕組みがわかったのが大きいですね。これを地域に転換すれば、目指すべき体験型のお祭りを提供できると思います。ウェブサイトや物販、飲食など提案できる幅が広くなったと思います。
 
ーー自前のフェスが実績になるわけですね
 
とくに自治体では実績が重要です。今までIKUSAはお祭りの一部のコンテンツでしたけど、お祭り全体の提案となるとイベント運営業者さんの世界になってくる。イベント運営となってくると、気の進まない仕事も増えるので手を出したくなかったんですが、やりたいことやるためにはリスクを追わなければいけないとも感じています。

イケてなきゃメンバーのモチベーションは保てない


▲NPO法人ゼロワン。合言葉は「外遊びを再び日本の文化に」

 
 
ーーIKUSAの運営スタッフは何名いっしゃいますか
 
弊社の社員は9名です。IKUSAのほかにウェブマーケティングやコンテンツマーケティングなどの業務も行っています。
 
それだけでは全てのイベントを回せないので、私が副理事もしていますNPO法人ゼロワンという組織と共同の事業となっています。こちらには50名くらいのメンバーがいて、ほかで仕事をしてる社会人がメインなので、フルタイムメンバーはいません。お祭り好きやチャンバラ好き、色々な目的を持って優秀な人材が集まっています。

ーーどうやってメンバーたちのモチベーションを維持されてるのでしょうか
 
モチベーションを保つには3つの要素を満たさないといけないと思っています。一つは、社会に認められていること。簡単に言えばイケてるかどうか。もう一つは、お金の負担がないこと。結婚してる男性が奥さんに説明できるかがポイントになります。交通費などの経費を払って、日当も出せているので、NPO法人としてはなんとかなっているかなと思います。最後は、活動自体が楽しいかどうか。実際、多くのメンバーの原動力はIKUSAを体験したお客さんや仲間の笑顔なのかなと思っています。
 
我々のやっていることはNPOのなかでもライト系ミッションです。これをやらないと人が死にます、子どもが路頭に迷いますって重いミッション抱えているNPOさんと比較すると僕らの活動はなくても別に困らない。でも、外遊びという概念を通じて、世の中を面白くしていくことは後々に重要な価値を産むと信じています。この活動を続けていけるように、たえずリクルートはしています。

ーーこうして話してると赤坂さん、戦略家で武将っぽいですよね
 
ありがとうございます。私に唯一、武将の資質があるとしたら声がデカいことですかね。武将は軒並み声がデカかったんじゃないって思ってるんです、そのほうが説得力があるし。戦場で横についてる小姓とか側近にコソコソって作戦伝えて、代弁してもらってる武将ってイヤですもんね。
 
冗談を抜きにすると、こうした活動だからこそ、先を見通してやっていくことは非常に大事だと思っています。先駆者がいない分野だからこそ自分たち次第でその価値が決まってしまう恐ろしさもある。人によって価値観が安定しないものが故に、メンバーが無駄な不利益を被ることがないよう、ある意味戦略家を目指していきたいと思っています。

まとめ

合戦といえば陣地を奪い合い、多くの命を落とす戦争である。しかし、現代に生まれ変わったチャンバラ合戦-戦IKUSA-は社内コミュニーションを円滑にし、地域の歴史を掘り起こす、誰もが楽しめるエンターテイメントになっていた。遊びに対して情熱をもって本気で取り組むIKUSA、天下統一の日も近い。
 
◼︎取材協力・写真提供
株式会社TearsSwitch/チャンバラ合戦-戦IKUSA-

 
 

この記事を書いた人

おもしろくて別視点な観光地を「東京別視点ガイド」(http://www.another-tokyo.com/)で紹介したり、ツアーにしてみんなで行ったりしています。

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