人工知能(AI)を用いたパーソナルスタイリストサービスを提供する「SENSY」について、デザイン思考の観点からサービス設計について考察していきます。
「SENSY」について、「手のひらに、スタイリストを。」をコンセプトに、ユーザーに合わせた専属のスタイリストのように、好み・センスに合わせたファッションコーディネートを人工知能が提案してくれるサービスです。
芸能人のように専属スタイリストが付くわけでありませんが、忙しい現代人にとってトレンドを追うことや、また雑誌を買ってまで服のコーディネートを考えるかというと、雑誌の不況がいわれているように、それほどでもないと考えられます。
これからは、マス向けに旬な情報を届けることが必要となってきており、「SENSY」はさらに自分の感覚にマッチしたファッションアイテムを約2500以上のブランドの中から提案してくれる画期的なものです。いまやインターネット上は情報で溢れかえり、いいものでさえも情報の渦に埋もれ、なかなか認知しづらい状況にある中、こういった「SENSY」のようなサービスはまた違ったファッションとの出会いを提供してくれるものなのではないでしょうか。
AIアプリ「SENSY」のサービス設計
http://sensy.jp/
AIアプリ「SENSY」は、人の感性を用いて1人1台の人工知能をアプリとしていつでもどこでも使えるサービスですが、この「センス(感覚)」に着目したのが、このサービスにおけるポイントとして挙げられるでしょう。
従来、人間の視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚からなる五感以外でよく感覚やセンスといった表現を用いるのは第六感ともいえます。超能力とかインスピレーションとかもいわれますが、センスはあらゆる場面で無意識に使っている場合もあります。
ファッションで例えるなら、無意識に同じような系統のカラーバリエーションを買っていたとかはよくありますよね。しかし、あくまで感覚的なものなので、可視化する余地や方法はいままで考えれられてきませんでした。
ここで、一つのサービス設計の検証ができます。もし第六感を可視化することができたらと考えると、もっと効率よくかつ個人に最適化されたショッピングができるかもしれない、センスを可視化することで自分のファッションの傾向をつかむことができ、ファッションコーディネートを考えやすくなる、と掘り下げて考えていきます。
このように、「もし~なら」と「~するかもしれない」をアイデアベースで出すことで、次に起こすアクションが決まっていきます。どうやるかと市場(ニーズ)はあるかという大まかな流れでではここまで落とし込みをしていきます。
単純に第六感を人的サービスとして行うには無理があります。webやアプリとしてサービスローンチする方が今のトレンドに沿ってもいるので、webサービスとして設計していくと仮定するとエンジニアの必要性が出てきますね。また市場調査やマーケティングもデータアナリティクスなど、センスという可視化しづらいものをサービスとして扱うので高度な技術を必要としてきます。
AIアプリ「SENSY」をデザイン思考
今回は以下のフレームワークに当てはめて考えていきましょう。
1.How might we
2.How to be like
3.So what?
4.Do action
How might we
このフレームワークはサービスを作る上でもっとも肝になるところです。「SENSY」の場合だとセンスを使って、私たちは何ができるかと考えていきます。センスだと漠然としすぎているので、もう少し絞っていくと、今のセンスが一番発揮するのは衣食住のうち、衣の部分がもっとも実現可能性があるのではと仮定します。そうするとファッションセンスを可視化することで何ができるかというところまで落とし込めます。
そして、実際にサービスとして実現するために、アイデア出しやブレーンストーミングを行い具現化していく作業に入ります。AIアプリ「SENSY」の場合ですと、人工知能を使って、ユーザーの好みを記憶していき、その人のセンスに沿ったサービスを作ることでセンスを可視化するということです。
How to be like
どのようになるのかというのが、直訳ですがフレームワークとして考えるのならどうサービスを成功させていくのか、ビジョンといったところです。AIアプリ「SENSY」の場合だと現状はファッションのパーソナルスタイリストサービスを展開していますが、今後のサービスのグロースにともなって衣食住の他のコンテンツもカバーし、ビジョンとして人のライフスタイル全般をサポートするサービス展開を考えることに当てはまります。
アメリカでは「How to be like~」というどうやったら偉人になれるかという本が出されているほど、なりたいではなくどうやったらなれるかという考え方をします。How might weでサービス内容が具体化したら次にどう実現していくかを考えていきましょう。
Do Action
そして一番肝心なのがこの「Do Action」です。せっかくサービスアイデアを考えても、机上の空論で終わっては何も意味がありません。そのためにも最初のスタートアップ時にはとにかく行動しましょう。「SENSY」の場合だと、ファッションスタイリストのサービスのほか、今年よりワインの人工知能によるレコメンドも行い、食の分野にも「SENSY」の技術を応用しています。着実にビジョン達成へと進んでいるのがわかりますね。
これはHow might weで決めたビジョンがしっかりと腹落ちしていなければなりません。How to be likeではサービスの運用にあたり、必ずしも最初に描いた地図とは違った、いわゆるサービスのピボット(方向転換)がありえます。
How might weがしっかりしていないとピボットせざるをえない状況になったときに、ビジョンで集まったメンバー同士意見の食い違いが起きてしまうこともあるので、How might weで決めたビジョンはぶらさないようにしましょう。
まとめ
このように、デザイン思考のフレームワークで考えていくとシンプルにかつ、どうサービスを作っていくのか、いま何をしていかなければならないのかが一目瞭然になります。とかくスタートアップ時にはバタバタしがちですので、デザイン思考を常に頭に入れながら、サービス設計をしていけばいいと思います。
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