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福島市のご当地グルメといえば円盤餃子。 見た目が空飛ぶ円盤に似ているからとか、円盤状に焼き上げているからとか名前の由来はいくつか説がある。 ▲これが円盤餃子だ!   円盤餃子は第2次大戦後、福島市の餃子専門店「満腹」から始まったとされる。 満州から引き揚げた満腹の創始者が、現地人から習ったやり方で餃子を焼き、屋台で出したら大人気に。開店当初は焼き鳥などのおつまみもあったのだが、お客さんの要望もあって餃子専門店になったそうだ。   満腹の繁盛もあって、福島市内に餃子専門店は次第に増えていった。今ではすっかりご当地グルメとして定着した。現在、市内で円盤餃子を売りにしてる専門店は10店舗ほど。   メニューの1つとして中華料理屋やラーメン屋が提供してるケースはさらに多い。それぞれのお店で円盤餃子が置かれているポジションが微妙に異なっているので、3店舗を巡って比較してみた。 円盤餃子「照井 福島駅東口店」 餃子専門店「照井」は創業60年を超える老舗店。本店は夜からの営業なので、福島駅東口店に足を運んだ。   円盤餃子は一皿22個1300円か半皿11個650円の2択。いずれにせよ数が多い。ごはんセット350円を頼めば、ごはんとみそ汁とおしんこともう1皿ついてくる。ラーメンもあるけれどメニュー表の隅っこに追いやられ、あくまで餃子がメインというスタンス。   満席の店内をざっと見渡すと、2~3人で円盤餃子一皿をシェアしてごはんセットをつけるか、1人で半皿にごはんセットという人が多いようだ。なかにはごはん無し円盤餃子だけ一皿ずつという夫婦もいて、なるほどその手もあるかと関心した。ひたすら餃子に集中したいなら、それが一番だ。 ▲円盤餃子一皿 1300円   油多めで焼かれているので揚げ餃子に近いパリパリ感がある。 22個も食べられるか不安だったが、1つ1つはそれほど大きくないし、餡も野菜多めでさっぱりしてるのでペロリとイケてしまう。主役を張れる餃子だ。 らーめん屋「石狩」 お次は「らーめん石狩」。辛味噌ラーメンやレモン入り塩ラーメンが人気のお店。こちらは基本的にはラーメン屋さんで副菜として円盤餃子も出してるというパターンである。 円盤餃子専門店は営業が夜からのお店がほとんど。それもあって、ここ石狩では昼から食べられるよって点を強くPRしている。10個単位で注文可能で、最大50個の超特大サイズも出来る。 ▲円盤餃子30個 1800円   こちらも1つ1つは小ぶり。餡もさっぱりしてるので10個ぐらいであればラーメンと合わせて食べてもなんてことはない。あっという間に2人で30個完食した。   この時、ほとんどのお客さんがラーメン系を食べていて円盤餃子を頼んでいたのは我々だけだった。あくまでラーメンがベースで円盤餃子はおかず。まさに我々がそうだったが「夜は他の場所で予定があるので、昼間に円盤餃子を食べときたい」という観光客の需要も狙える。 のみくい処「川海」 3店舗目はのみくい処「川海」。カウンターメインの居酒屋で気さくなご夫婦がひっきりなしに陽気な話しをしてくれる。店内は薄暗く、スナックじみた空気感だ。   こちらは福島市から車で50分ほど南下した郡山市内にあるお店。 たった1店舗から始まって、流行るにしたがい競合店が出来てきて、ご当地グルメとして評判になって、周辺の市町村にも広がっていく。円盤餃子もまたご当地グルメの定番の流れを辿っている。 飲みがメインなので、食事メニューはつまみに向いてる物が多い。大変味のあるイラストは店長さんが描いたもの。イメージ図と実物があまりにも違いすぎて抽象画のようだ。 ちなみにこのお店、チヂミが1枚100円と爆安価格。 円盤餃子はこちら。前2店舗と異なるサイズ感で1粒が大きい。皮も厚く、餡も主張が強い。ラーメンやごはんのお供ならこれだけの量は食べきれないかもしれないが、酒のつまみとして2~3人でつつくなら有り。おつまみとしての円盤餃子だ。   以上のように、お店によって円盤餃子のポジションはまるで違う。   ある店は主食として専門で取り組み、ある店は副菜として置き単価アップを狙う。市内を飛びだし、酒のつまみに据えるパターンもある。 人気ご当地グルメをメニュー構成のなかにどう取り込むか。そこからお店の狙いが見えてくる。     ...

旅をすると、知らず知らずのあいだに1つ2つは食べてしまうもの。それがご当地ソフトクリーム。 それ自体が旅の目的になることはないけれど、旅に少し彩りを加えてくれる可愛い存在。   陽気なフォルムに楽しい甘さ、旅のテンションにぴったり寄り添う。小腹を充たすのにもちょうど良い。どんな土地のどんな名産品ともコラボをし、普段それほどアイスを食べない人でもなんだか手が伸びてしまう。 1990年代のソフトクリームブームを境に、日本全国で増え始めたようだ。   かくいう私もご当地ソフトクリームは好きなくち。道の駅やお土産物屋で「お、これは」というのを見つけたら、お腹が膨れていても無理して食べてしまう。ソフトクリームはたんなる食物というよりも、作る工程を見届けたり、みんなでシェアしたりするのが楽しい、一種のエンターテインメントだ。 これは伊豆のわさびソフトクリーム。 わさびが練りこまれたものはよくあるけれど、バニラソフトに擦りたてワサビがぴったりつけられているものは初めてだった。新鮮なワサビの辛さがバニラの甘さと案外マッチする。 これは高知の漁港で売ってたじゃこソフト。ソフトクリームにこれでもかと茹でたじゃこが乗っている。塩気の強いじゃこと甘いバニラが案外イケる。家でやったら家族に怒られるような組み合わせも旅のノリで許される。それでいて、ワサビもじゃこも意外に合うのが面白い。   われわれ観光会社・別視点は9月12日から10月12日までの1ヵ月間、「福島県猪苗代町1ヵ月住みます会社」と銘打って、福島県に逗留し続けていた。その間に6つのご当地ソフトクリームを食べたのでご紹介したい。 福島県のご当地ソフトクリーム6選   ◎地ビールソフトクリーム 猪苗代地ビール館で食べられるのが「地ビールソフトクリーム」だ。このビール館、地ビール羊羹なども製造していて、甘味とビールの融合になかなか積極的で攻めている。その名のとおり、猪苗代の地ビールが練りこまれたソフトクリーム。はたしてビールとアイスは合うのだろうか。 ビール特有のほろ苦さがある。ソフトクリームが口の中からなくなった後にビールの香りが鼻に抜ける。なるほど、悪くない。   ◎ひとめぼれジェラート ジェラート屋さん「モンジューいなわしろ店」。専門店だけに和栗や焼き芋、コーヒー黒豆など定番以外のメニューも豊富だ。 なかでも気になったのが、福島県産ひとめぼれを使ったジェラート。 まだ粒の状態でひとめぼれが残っている。プチプチとした食感が楽しい。   ◎和紙ソフトクリーム 道の駅「安達」の看板。和紙ソフトクリームって一体なんだ。この道の駅があるのは、手すき和紙の伝統が1000年以上あるエリア。和紙の原料であるクワ科の楮(こうぞ)という葉っぱを練りこんでいるそうだ。てっきり、ちぎった和紙が入ってるのかと思った。 お茶のような香りと味わいがほんのりしている優しいソフトクリーム。この優しさ、暖かみ、和紙と通じるものがある。   ◎桐炭ソフトクリーム 道の駅「尾瀬街道みしま宿」で売っているのが、漆黒のフォルムが心の中学生を呼び起こす桐炭ソフトクリームだ。三島町は昔から桐が名産品で、桐タンスや桐ゲタが作られていたとか。桐製品を作る過程で生じる木っ端を活用したのが桐炭で、このソフトクリームにも練りこまれている。 色彩こそ強烈だけど、味はいたってノーマルなバニラ味。とても甘い。 見た目はいかついけど接してみたら優しい山の男って感じ。   ◎甘味噌ソフトクリーム 道の駅「つちゆ」にあるのは甘味噌トッピングのソフトクリーム。見た目的にはミスマッチに思えるのだが、これもこれで悪くない。味噌のしょっぱさとソフトクリームの甘さが妙にマッチしてるのだ。ソフトクリーム、案外受け幅が広い。なんでも受け入れるその器の広さは、ここ最近のキティーちゃんを連想させる。あの猫も仕事を選ばないからね。   ◎喜多方ラーメンソフトクリーム トリをつとめるのは、喜多方ラーメン神社のソフトクリームだ。言うまでもなくラーメンでおなじみの喜多方市。ラーメン神社は観光客向けのラーメン紹介スポットで、鳥居もお箸で組まれている。 はい、喜多方ラーメンソフトクリーム。麺状に細長く盛られたソフトクリームは醤油味。なるとが乗っていて、ブラックペッパーを振りかけて出来上がり。見た目が面白いし、おもわずSNSにアップしたくなる1本だ。   ひとくちにご当地ソフトクリームと言っても、味を重視した物から名産品をむりやり組み合わせた物、SNS映えしそうな話題性狙いの物までさまざまだと分かり頂けると思う。 今後、どこかを旅するさい、各地のソフトクリームに注目してみて欲しい。     ...

町おこしにはさまざまな手法がある。   企業や工場を誘致するのも一つ、道の駅の充実も一つ。ゆるキャラを作ったりB級グルメを推しだすのも手法の一つだ。   福島県いわき市ではデカ盛りメニューで町おこしをしている。 ステーキや唐揚げなど7品目以上乗った重さ2.5㎏の丼メシ、高さ45cmのジャンボパフェを出してる喫茶店、直径27㎝のどら焼きがある和菓子屋さん。市内各地、数十店の飲食店がデカ盛りメニューを提供している。そんな町おこし活動が功を奏して、いわき市は「デカ盛りの聖地」と呼ばれている。   デカ盛り目指して、わざわざ県外からやってくる観光客も少なくない。 なかでも人気なのが「白土屋菓子店」のジャンボシュークリームだ。外観の写真を撮っているほんの1~2分のあいだだけでも、数名のお客さんが吸いこまれていた。   看板にもジャンボシュークリームの写真が載っている。写真を見る限りそれほどデカそうではないが、実物を覗いてみると…… なんだこの姿、形は。   横に幅広いし、半端じゃないぐらいパウダーシュガーが降りかかっている。こんなシュークリーム見たことない。姿、形が普通じゃない事は充分伝わると思うが、比較対象がなければ大きさは分からないだろう。   ちょっと引いて、他のシュークリームと比べていただこう。 ……デ、デカい!!   ジャンボシュー、中ジャンボシュー、特大ジャンボシューの3ランクを見比べれば、その巨大さがお分かりいただけると思う。あまりのデカさに中ジャンボ、特大ジャンボが自重で潰れているじゃないか。 とはいえ、見比べると言っても、ベースとなるジャンボシューがまずデカい。コンビニで売ってる一般的なシュークリームの3倍ぐらいある。   店員さんに尋ねたところ、特大ジャンボシューはジャンボシューの7個分ぐらいあるそう。   計算式にすると 『特大シュークリーム =...

  読み物のような求人サイト。「日本仕事百貨」は営業をしない。   「日本仕事百貨」という求人サイトをご存じだろうか。   トップページに並ぶ写真はどれもスタイリッシュ、記事タイトルも「生き様ベーカリー」「産声をあげて」「北の果てのお宝探し」とライフスタイル系サイトのようでもあるが、すべて求人記事なのだ。   ともすれば「働きやすい環境です!」「未経験でも大活躍」といった漠然とした紋切型表現が並びがちな求人記事だが、日本仕事百貨には1つ1つドラマがある。   インタビューを通して、その職場で働く人々のエピソードが語られている。就職をする気がない読者でも「こんな仕事があるんだなあ」と物語として楽しく読める稀有な求人サイトなのだ。 ▲日本仕事百貨   求人掲載は2週間の掲載費・取材費込みで200,000円(税別)+交通費、宿泊費。成約報酬はかからない。営業はいっさい行っておらず、サイトからの掲載依頼だけで月30件ほど求人記事を掲載している。現在社員14名で22歳から30歳ぐらいの社員が多いそうだ。   そんな求人サイト界の異端児「日本仕事百貨」のスタッフにお話を伺った。 聞き出したいのは「具体例」。その人にしか語れない具体的エピソードで感情移入させる ▲お話を伺ったのは編集者 今井さん   ――日本仕事百貨の記事はどれも丁寧にお話を聞いてますよね。取材は1日がかりなのでしょうか?   取材は基本2時間です。 1人で取材に行くのが私たちのスタイルです。日本中あちこち飛び回りますから沖縄日帰りということもあったり、九州行って大阪寄って帰ってくるなんてハシゴのこともありますよ。とにかく編集スタッフの移動距離が激しいですね。   ――てっきり丸1日、求人先の仕事に付き合っているのかと思ってました。   たとえば地域おこし協力隊の求人ですと、さすがに町を知らないと書けないので、町を案内してもらいます。場合によっては1日ご一緒してもらう場合もあります。だけど、基本は2時間ですね。   事前にどなたにインタビューするか決めておいて、立場の違う方3名ぐらいにお話を聞きます。一般的には経営者など全体が分かる人、入社される方の上司に当たる人、そして若手や新人です。   ――3名別々に話を聞くんですか?   別々に聞くこともありますが、なるべく全員に集まってもらってインタビューしますよ。   ――聞かれるほうは緊張しちゃいませんか。特に新人さん。   最初に自己紹介をしてもらうんです。 その際、今日の気分を聞きます。まず皮切りに私が「朝から曇ってて、なんだか嫌な感じです」とか言って。そうすると「え?今日の気分話すの?」って空気がほぐれるんですよ。   ――突拍子もないこと聞かれたら、防御崩れちゃいますもんね。それは今井さん独自のやり方でしょうか?   私だけでなく、みんな今日の気分を聞くことが多いです。 それでも上司がいて緊張しちゃう新人さんもいますから、そういう場合は写真撮影で近づいた時に個別に話を聞くとか、店舗なら商品撮影してる時に話を聞くこともあります。   ――話を聞きだすノウハウが共有されているんですね。   今日の気分を聞いた後は、入社に至る経緯など2時間くらいインタビューしていって、最後は「話し忘れたことがあったら、どうぞ」で終わります。インタビューの録音を後日、文字起こしをするんですが「ここ、すごく大切なこと言ってたな。もっと掘れば良かった」って思うこともあります。   ――どういうことを話しているとき、大切なことだと思うのでしょうか?   できるだけ具体例を聞きたいと思っています。 漠然とした言葉で社風などを語られても、他人事にしか聞こえない。職場の良いところを「人の良さです」とだけ書いても、ぼんやりしていて深みが出ないし、感情移入も出来ません。なので、なるべく具体的に話してくださいってお願いしています。   ――なるほど、具体例ですか   たとえば松澤さん(※この記事の筆者)に「いままで取材してきた中で、一番グッときた案件」を聞くとしたら、あの人のあのタイミングのあの言葉ってところまで具体的に聞いていきます。その人だけが経験したエピソードだから感情移入も出来るし、2時間でもけっこう深い話しに辿りつけます。   まさに具体例なんですが、岐阜の山の中にある「日本最古の石博物館」の求人記事を書いた時のことです。立て直しを図るためにスタッフを募集したいという依頼でした。取材したのは市の職員さんだったんですが、その中に石好きの方がいたんですね。   少年時代、缶に石を集めてて、それを知ってた先生も石をくれたんですって。そんな昔話をしていると目がキラキラ輝いてるんです。一緒にいるその方の上司も「おまえ、そんなに石好きだったのか!」と感心していて、この話を引き出せて良かったって思いました。   インタビューするのは話し慣れてない方ばかりなんです。その分、初めて聞ける話ばかりなので面白いですね。粗削りだけどそれが良いです。   ――求人記事を書くさいに難しいポイントはどこでしょうか   舵の切り方、記事の出し方は気をつけなきゃいけないなと思っています。表現の仕方、出し方次第で読んだ側の受け取り方が変わります。世間に初めて出る内容なので、ニュアンスなどは丁寧にしたいし、愛をもって書きたいです。   あとは、取材で感じたことをなるべくありのまま書くようにしてます。取り繕ってよく見せても、記事を読んで実際に入社した人が「思っていたのと違う」と思って辞めてしまっては意味がないですよね。その職場に合う人から応募をしてもらうために、私たちも正直に書きたいと思っています。   ――とはいえ、本音を話してくれない人もいますよね   なるべく正直に話してくださいと事前にお願いしてます。話しやすくなるように、聞いたことすべてを記事にするわけではないことも伝えています。今の会社で働くことになる経緯や、仕事をする上で大変なことなども聞いていくので、取材中に泣き出してしまうこともあったりして。それだけ正直に話をしてもらうので、書く側も気が引き締まります。   取材で感じたことは正直に伝えていくものの、職場のすべてを見たり聞いたりできるわけではありません。最終的にその職場の雰囲気やそこで働く人と合うかどうかは、自分で判断してもらうしかないと思っています。 求人は届くべき1人に届けばいい   ――日本仕事百貨に依頼されるクライアントは、成約率の高さを求めているんでしょうか?   もちろん、求めている人物像に出会うためにご依頼をいただきます。私たちは聞いた内容を4,000字にまとめていくので、自分たちの仕事を文章にまとめてくれたとか、取材を通してお互いの考えていることが再認識できたとおっしゃっていただくことも多いです。   ――実際どのぐらい応募があるんですか   案件によってかなり違います。1人も来ない場合もありますし、逆に1人の募集に対して100人超えの応募がくるケースもあります。「届くべき1人に届けば良い」と思ってやっているので、応募が3人とか5人でもぴったりな人が見つかれば成功です。募集期間が終わっても記事はそのまま残っているので、お店や会社へ直接問い合わせをして入社するってパターンもあるようです。   ――採用の過程にも関わるんですか?   どんな方から応募をいただいたかは私たちも把握していますが、その後の選考過程には関わりません。採用が決まったころに様子を伺ったり、「その後、どうですか?」という企画で求人を出した会社の追加取材をすることもあります。   応募メールの志望動機欄に熱い想いが書かれていると「この人に届いて、良かった」って嬉しくなりますし、求めていた人物像にぴたっとハマった時はすごく嬉しくてモチベーションになります。さきほどの石の博物館も、昔から石が大好きだったって方々から応募があって嬉しかったですね。 リアルイベントと求人サイトを連動させる ▲清澄白河駅にあるカフェバー兼イベントスペース「リトルトーキョー」   ――リアルイベント「しごとバー」について教えてもらえますか?   しごとバーは4年前から行っているイベントで、私たちが運営している「リトルトーキョー」で開催しています。基本的には木・金・土の週3日行っていて、いろんな分野で働いてる方をゲストにお招きしています。   はじめに15分から30分ほどゲストさんにお話を伺って、乾杯をし、そのあとは自由にご歓談、となるのが最近の流れなんですが、テーマによって雰囲気が全然違うのも特徴ですね。   同じテーマに興味をもって集まった人ばかりですので、参加者同士でも話が弾むんですよ。「縄文ナイト」では、縄文時代をテーマにしたフリーペーパー『縄文ZINE』の編集者をお呼びしました。参加者に土器を作ってる人がいて実物を囲みながらどうやって作るのかって盛り上がっていました。   ――週3日もゲストを見つけてくるのは大変ですね   大変ですけどテレフォンショッキングみたいな感じで、バーに来たお客さんやゲストの方が次の面白い人を紹介してくれます。   求人記事と連動してゲストをお呼びする場合もありますね。求人の募集期間は2週間なんですが、その期間中に記事に出てくる社長さんをゲストでお呼びすれば直接会えますから。「もし気が合ったら転職してみようかな」って軽い気持ちで参加することが出来ますね。   ――しごとバーのお客さんはどんな人が多いですか   日本仕事百貨を読み物として読んでる人が多いですね。サイトを定期的にチェックしてくれていて、面白そうなのあったら行ってみようと。あとはその日のゲストの知り合いや、バー自体の常連さん、ご近所さんが仕事終わりに飲みに来たりもしますね。   ――具体的にはどういう方をゲストに呼んでいるんでしょうか   たとえばこの間やった「カブトムシくわがたナイト」では、カブトムシ関連の本を5冊も書いてるプロカメラマンをお呼びしました。   「離島に住んでるカブトムシは飛ぶと海に落ちちゃうから走るのがすごく早い」とか「カブトムシはさなぎの時、土の中で縦に寝てる」とか、そういうの全然知らないじゃないですか。その人にとっては常識でも、私たちにとっては全然知らない。そういうことに出会える場です。   能楽師をお呼びして「能楽観てみナイト」もやりました。能を観たこともないし、能ってそもそも何って状態だったんですけど、能楽堂で働いてる方から「おもしろい能楽師がいるよ」と紹介していただいて。   31才の若い能楽師さんなんですけど、アニメオタクで。普通にしてたら普通の31才なんですけど、舞台に出るとめちゃめちゃかっこいい。ディズニーランドも大好きで、ゲームも普通にやるし、Tシャツで唐揚げ食べるんです。なんか、そういうことに「え〜〜」って驚いちゃって。   珍しい仕事についてる人も、みんな普通の人なんだ、普通に生きてるんだって思ったんですよね。そんな風に、いろんな生き方とか働き方に出会える場所にできればいいなと思っています。 まとめ ・求人記事のインタビューは基本2時間。1人で取材に行く ・今日の気分を尋ねて、場の空気をほぐす ・具体例を聞いて、感情移入させる ・嘘は書かない、ありのままに書く ・リアルイベントと求人記事を連動させる   異端の求人サイトは具体例を通じて、仕事のありのままを浮き彫りにしていた。     ...

  若い世代を中心にシェアハウスの利用が一般化しています。家を複数人でシェアするスタイルは、数年前まで「そういうの好きな人いるよね」程度の認識でしたが、現在は暮らしの1つの選択肢として選ばれています。   投資として利回りがいいことも注目されてシェアハウス運営者は増える一方。ひつじ不動産、東京シェアハウスなどシェアハウス専門サイトもたくさんあります。急速に競争が激しくなり、撤退する業者もあらわれはじめるシェアハウス業界。   そのなかで順調に規模を拡大しているのが「絆家シェアハウス」です。2017年7月現在、6軒のシェアハウスを運営し、平均稼働率は脅威の90%(※オープン後、半年以上のハウスを対象)。東京と大阪で合計約100名の住人が暮らしています。今年中にさらに2軒増える予定だとか。これだけの数のシェアハウスを社長夫婦と社員1人の3人で運営されています。 上記写真は取材に伺った東武練馬駅の絆家シェアハウス。4階建て18室で35名住んでいます。絆家シェアハウスを運営する「株式会社絆人」平岡夫妻に、「シェアハウスを円満運営するコツ」「住人を寄せつけるポイント」を伺った参りました。 入居期間は業界平均2倍!「居心地のいいコミュニティー」を作るポイント ▲絆家シェアハウスを運営する平岡夫妻   ――ずいぶん大きなシェアハウスですね。何人住んでるんですか?   いま、住人は35人です。私たちも夫婦でここに住んでます。もともと貴金属工場だったので大きいんですよ。「みんなでつくるシェアハウス」ってプロジェクトを立ち上げて、みんなでどんな内装にするか考えて、部屋割って、お風呂入れて、DIYで椅子や机を作ったりしました。   ――35人!学校の1クラス分ですね。どんな方が住んでるのでしょうか   ここのシェアハウスの男女比は6割男性、4割女性。カップルも私たち以外に2組住んでます。年齢は下が19歳から上は30代半ばぐらいですね。ほとんどが会社員ですが、フリーランスで仕事してる人が3人いるかな。   社会人になって数年経ち、仕事が落ち着いて会社と家の往復に退屈になってきて、あたらしい刺激が欲しいなと入居してくる方が多いですよ。あとは地方から都内に上京してくるタイミングですね。一人暮らしだと、礼金、敷金、仲介手数料と、また家具を新しく一通り揃えると引越し初期費用が40円-50万円と高くなってしまうので、今まで引越しに踏み切れない人が多かったと思います。   シェアハウスだと、礼金、敷金もなく、家具が最初からすべて揃っているので、引越しがしやすくなったと思います。人と住むことにそれほど高いハードルを感じない人なら、シェアハウスはひとつの選択肢になりますね。   ――平均でどれぐらいの期間住まれるんですか?   シェアハウス業界全体の平均だと半年から1年ぐらいと言われてるんですが、私たちの場合は1年~2年ぐらいですね。引越しする理由としては、転職して勤務地が変わるとか、結婚するとか、ドミトリーに住んでたけど1人部屋に暮らしたいとか、そういうタイミングが多いですね。   ――業界平均の2倍長く住まれるんですね。なにか理由があるんですか?   居心地のいいコミュニティーが付加価値ですね。シェアハウスに暮らすことで、誰とどういう関係を作れるのかがポイントです。シェアハウスって敷金礼金がないので、ハード面で選ばれると近くにもっと条件の良いところができると簡単に移られちゃうんですね。家具も備えつけを使う方がほとんどですから引っ越しも楽ですし、入りやすくて出やすい構造。 でも、居心地いいコミュニティーがあればよそに移らないんです。私たちのシェアハウスでは、住民の歓迎会からはじまり、誕生日会などのイベントや、ごはん会など、住民の交流が密にあります。 ▲住民たちのLINEグループ。頻繁にやりとりされている。   ――なにか交流を促す仕組みがあるんでしょうか?   いきなり「みんなで話して」と言っても何を話していいか分かりませんよね。新しく入った住人も、既存の住人の仲が良いからこそ「私、入れるかな……」と不安になってしまいます。だから、「料理が好きだから住んでみたい」「イベントがあるから住んでみたい」と別のファクターが必要なんですね。きっかけがあると入りやすいです。   ――別のファクターですか   たとえば高田馬場に「masobiシェアハウス」というシェアハウスがあるんですね。masobiは学びと遊びをくっつけた造語なんですが。このシェアハウスでは月に3~4回、資格をもってる人をお呼びして料理教室やヨガ、コーヒー教室をリビングで開催しています。そうすると「料理教室があるから」と自然とリビングに集まりやすくなります。こういう教室って「わざわざ出かけるのが面倒くさい」「知らない人がいるからしんどい」となかなか長く続かないものですけど、シェアハウスでやれば気の知れた住人同士なので安心して続けられるんですね。 ▲広い屋上を使ってバーベキューパーティーや流しそうめんをすることも   ――なるほど。共通のコンテンツを体験すれば、自然と会話も生まれますね   コミュニティー作りが目的なので、そういった学びの教室もその道で教えるプロを呼ぶというよりも、居心地の良い雰囲気を作ることが上手な人当たりの良い講師をお呼びすることが多いですね。   コンセプトシェアハウスと言っても、あまりにニッチにしすぎると事業として成り立たなくなってしまいます。たとえば「麻雀シェアハウス」とか「人狼シェアハウス」を作って何十人と埋まるかどうか。趣味として一緒にやりたい人と、一緒に暮らしたい人はまた違ったりもするので、その辺りのバランス感覚が必要ですね。   増えてきてるコンセプトとしては、起業家シェアハウス、英会話シェアハウスなどがあります。これは広告を打つべきマーケットがはっきりしてるからです。起業家シェアハウスならビジネス系のセミナー、英会話シェアハウスなら英会話教室・日本語学校など、ターゲットがどこにいるか明確なものは事業として成り立ちやすいですね。   中には、ニッチなコンセプトで鉄道好きのシェアハウスや、サーファーシェアハウスなどもありますが、趣味の延長線上でシェアハウスをされたい人にはそういうのもありだと思います。 ゴージャスな設備がないなら、コミュニティーで差別化する   ――大阪では旅好きのためのシェアハウスを運営されてますよね   はい、「旅するシェアハウス」という名前で運営しています。大阪には知り合いが1人もいなかったので、「旅」というコンセプトを明確にして、旅のイベントや旅好きが集まるバーなどに出向いていってコミュニティーを作っていきました。   ――そんな草の根的で地道な活動をされてるんですね   自分も旅に興味があるからこそ出来ることですね。「旅好きが集まるシェアハウスをはじめました」と話して、外国人観光客にフリーガイドツアーやってる人たちや国際交流イベントの主催者たちとコラボ企画を月何回もやっていきました。そうやって旅好きに存在を認知してもらう。8割のシェアハウスは特にコンセプトがないので、こうしたテーマがあるとシェアハウスにそこまで興味のなかった人のアンテナにもひっかかってもらいやすいです。   旅するシェアハウスは大阪の北のほう摂津市にあるし、駅からも決して近くはありません。大阪の中心地ですらそんなに家賃は高くないですから立地やハードの部分だけでは差別化が図れません。住みながらいろんな外国人と触れ合えたり、普段は仕事でなかなか旅に出られない人が、日常生活の中で旅を感じられる生活の魅力を伝える。そういったハード面以外のソフト面の付加価値をどう付け加えられるかが大切です。   ――差別化のために重要なのは分かりますけど、コミュニティー作りに本当にすごい手間をかけてるんですね   好きじゃないとできないかもしれませんね。私の場合、コミュニティー作りがライフワークなのでそれを負担とは感じませんが、このソフト面をビジネスライクに効率だけで考えようとすると難しいと思います。   シェアハウスは今2極化しています。 1つは100人前後の大型のシェアハウスで、設備も豪華なもの。ヨガスタジオ、映画施設まであってホテルのようなゴージャスな暮らしができます。ハードの部分を充実させたいという人にとって魅力的なシェアハウスです。結果、住んでる人数も多いので気の合う人も見つかりやすい。   もう1つは居心地の 良い住民との関係性にフォーカスをして、コミュニティがしっかりしているところ。そのために、コンセプトを明確にしているシェアハウスです。英語が学べる、旅が好き、起業家と切磋琢磨できる関係性があるなど「こういう人と住みたい」で選ぶシェアハウスです。   私たちは後者に入ります。   逆に、大型シェアハウスでもなく、コンセプトもあいまいな中間層は難しくなってきています。たとえば、2~3年前に従来の不動産業者が利回りの良さに目をつけてシェアハウス業界への参入が一気に増えました。キッチンなど水回りが1つにまとめられるので工事費が浮きますし、1K物件なら同じキャパで、15人しか住めなくてもシェアハウスなら30人住ませることができる。   でも、私たちはシェアハウスは不動産業というよりサービス業に近いと思っています。シェアハウスは、1Kマンションの集客方法と運営方法とはまったく違うからです。   結局は、満室時の利回りだけで考えても、居心地の良い住民コミュニティーが作れていないと長く続きません。「隣の部屋がうるさい」「だれだれさんが嫌」など、住民同士の関係性ができていれば起こりにくいクレームが多くなり手間がかかり、結果人件費が増えてしまいます。   一見、表面上の利回りは良いように見えますけど、実はすごく手間がかかります。ソフト面での差別化もできず、結局は価格競争になって家賃を下げざるを得ない。そうすると収益性が下がる。「こんなことなら普通の1K住宅にしたほうが良かった」と撤退するところも多いようです。 事業としてやるなら一軒家のシェアハウスはおすすめしません ▲お菓子教室を開催したさいの写真   ――コンセプトを立てる以外に運営のポイントはありますか?   コミュニティのあるシェアハウスを作ろうと思うなら、住人の人数をある程度多くするのがポイントかもしれません。人数が少ないと、コミュニティができにくいか、できるまでに時間がかかります。シェアハウスは20代から30代前半の社会人が多いので、どうしても仕事の終わる時間にばらつきがあります。たとえば一軒家5〜6人の規模だと生活リズムの違いで普段顔合わせなかったり、コミュニティーが出来にくいようです。   現在、私たちは15人以上の規模のシェアハウスでないと新しく手をつけていません。人数が多いといろんなタイプの人がいて、コミュニティとしてのバランスが取れるので、大人数の方がコミュニティも早く育っていきます。15人程いると自然とリーダーシップをとれる人が住民から出てきますし、その中で特に気の合う小さなグループがいくつかできて自然とコミュニケーションが生まれます。   また、ある程度の規模だとこちらの運営費から定期的に外部から清掃業者が入ってもらえるので、ともすればトラブルのもとになるような掃除問題も未然に防ぎやすくなります。   ――人数が多い方がコミュニティが自然と育ちやすいということですね   あとは、内見時にどういう考え方のシェアハウスなのかはっきり説明してミスマッチを少なくするのもすごく重要ですね。住んでいるのは背景が違う人たちばかりだから、内見のときに「絆家シェアハウスでは、コミュニケーションを重視してるシェアハウスです。考え方の違い、価値観の違いを受け入れることを楽しめるかどうかが大切。それができないと絆家には合わないかもしれません。あまり交流を求めないなら、1人暮らしみたいにプライベートをより重視するシェアハウスもたくさんありますからそのほうがいいかもしれません」とはっきり説明します。   シェアハウスのコンセプトを理解せず、好き勝手にやる人が1人でもいると居心地の良いコミュニティは壊れてしまうこともあります。内見時に面談というわけではないですが1時間くらい「シェアハウスにどんな暮らしを求めているか」「どういう人が苦手と感じるか」「チームやグループではどんなポジションが居心地が良いか」といった話題を雑談を交えてします。   そうすると、自然とミスマッチなく、お互いにとって不幸なシェア生活を送る必要がなくなります。「安いからシェアハウスに住みたい」というだけの方にで、こちらが難しいと判断した場合は、審査の末こちらからお断りすることもあります。   安さや立地だけで判断して入居希望される方は、すれちがっても挨拶がなかったり、誰かがリビングを使ってたら煩わしい人間関係を避けて部屋から出てこなかったり、コミュニティーが生まれませんので。今のシェアハウス住民の居心地の良さを守る上でも大切にする部分の判断基準は大切にしています。 シェアハウスごとに1人リーダーを任命する   ――どういう人に住んでもらうか。そこからコミュニティー作りはじまってるわけですね   そうですね。人はとても大切なポイントです。現在5つのシェアハウスを運営していますが、それぞれのハウスには母親的な存在の住人ハウスマネージャーがいます。   ――ハウスマネージャーの役割はどんなことでしょうか   新しく来た人を受け入れてみんなに紹介したり、ごはん会を設定したりと、いたら安心できる存在ですね。母性を感じるタイプの女性が多くて「この人のためなら何かしたいな」と自然と思わせるような人徳のある人にマネージャーをお願いしています。   月一回私たちとハウスマネージャーでミーティングをして、現状の課題をシェアして解決案を出し合ったり、こういうイベントやろうと決めたり。決まったことはハウスマネージャーを介して各ハウスに伝えてもらいます。   私たちもすべてのハウスに住めるわけではありません。やっぱり実際に住んでて、良くしたいと思ってる人にやってもらったほうがいいコミュニティーができるなと思い、できるだけ住民の中からお願いしています。   みんなでワイワイやるイベントや学び場などはシェアハウスの一番楽しい部分ですから、ハウスマネージャーにリードしてもらえたら嬉しいと思っています。 逆に言いづらいような部分は私たちから住民に伝えるようにしています。 まとめ ・入りやすくて出やすいシェアハウス業界では居心地のいいコミュニティーをいかに作るかが安定した運営に繋がる。 ・交流をうながすために料理教室やヨガ教室を開催。共通のコンテンツで会話のきっかけを作る。 ・ホテルみたいなゴージャス設備がないなら、ソフト面で差別化する ・活発なコミュニティを育てるにはある程度の住居人数が必要 ・シェアハウスごとに母親的なハウスマネージャーがいることが大切 「シェアハウス運営は不動産業というよりサービス業」とおっしゃっていた真意が見えてきました。     ...

  連日30℃を超える熱い夏。 せめて足元だけでも涼しく過ごしたいものですよね。 そこでオススメのトレンドアイテムが「便所サンダル」です。   いま、ひそかに便所サンダルが盛り上がっているのです。便所サンダル、略して便サン。愛好者たちが履いて出かけるのは便所だけではありません。町にくり出し、デートに出かけ、どこにだって便サンを履いていきます。マキシマムザホルモン マキシマムザ亮君さん、ゴールデンボンバー鬼龍院翔さんらの著名人も便サンの愛好者として知られています。   今回はお話しを伺ったのは便所サンダル専門通販サイト「ベンサン.JP」の飯田正勝店長。倉庫を兼ねたオフィスは天井までうず高く便サンが積まれています。当初はご自宅でやられていたそうですが、流通規模が広まってきて、便サンの段ボールで部屋が埋めつくされ、日常生活に支障をきたしてきたので、オフィスを持つようになったとか。 ▲便所サンダル専門通販サイト「ベンサン.JP」   実店舗は持たず通販サイトだけでの販売ですが、2016年は年間19,000足もの便所サンダルを売っています。世界一便所サンダルを売る男・飯田さんに、ニッチ商品をネットで販売するポイントをお聞きしました。 便所サンダル専門通販サイトをはじめたきっかけ   ――便所サンダル専門通販サイトをなぜはじめたんですか?   もともとは便サンじゃなくてギョサンの通販サイトをやってたんです。   ――え?ギョサン?   漁業従事者用サンダル。略してギョサンです。 沖縄の友だちが「こっちではみんなギョサン履いてるのに本土で観たことない」って言うんですね。滑りづらいサンダルなのでサーファーや釣り人が好んで履いてるんです。   たしかに当時は誰も履いてなかったし、通販サイトもなかった。「おもしろそう、売れるんじゃない」と浅草の靴問屋街を歩いて2~3軒めぐって、40足買ってきたんです。そこからサイトを自力で作って、友人と2人で「ぎょさんネット」を立ち上げました。友人が店長で、僕はバックヤード業務担当でした。   ――すぐに売れたんですか?   それなりに売れました。 売り上げを購入資金にあてて3か月ぐるぐる回したらひと夏で200万円くらいまで増やせました。2年目も同じくらいですね。ギョサンはビーサンみたいな物なので、当時は夏しか売れませんでした。   ギョサンがブレイクしたのは2011年冬ごろで、嵐の大野くんがとあるテレビ番組で毎回毎回ギョサンを履いてたんです。冬の2月だっていうのに「ギョサン 大野」みたいな検索ワードで調べられまくってて、1日20~30PVだったアクセスが数千PVまでいきました。   ――順調だったのに、なぜ便サンに鞍替えしたんでしょうか   ギョサンってカラーバリエーションが結構あって色々集めるのも楽しかったんですけど、雪が振るとさすがに冷たい。でも「便サンなら靴下履けるし、雪の日でもいけるんじゃね」って思ったんです。   あと、ギョサンは型が2~3種類なんだけど、便サンは型が多い上に廃盤品などのレア物がたくさんあるんです。片っ端から集めてやろうと思ってホームセンターとか巡っても日本製の便サンはなかなか集まらなくて。どこにでも売ってそうなのに、現行品でさえどこにも売ってないんです。   となると、もう問屋に数十個単位で発注しないと手に入らない。根がコレクター気質なもんですから「じゃあ、大量仕入れして売っちゃったほうがいいや」と趣味と実益をかねて便サンを売りはじめたわけです。 ▲取材時も飯田店長はレアな便サンを履いていました   ――1つ手に入れるために何十個も注文しなきゃいけないなら売っちゃえと。   そんなことを考えてるときに、ギョサンや便サンのメーカー・丸中工業所に打ち合わせに行ったら「実はギョサンより便サンのほうが数は出てるんだよね」と言われまして、「それなら本格的にやってみよう!」と決意したわけです。   で、2011年に便サン絡みのドメインをバーッって10個以上取りました。取ったはいいけどそのまま放置して1年経っちゃって更新時期になりまして。更新料だけ払って何もしないのはもったいないので2012年にベンサン.JPを作って、ギョサンから便サンへ移ったわけです。いまは店長をやってた友人が一人で「ぎょさんネット」を運営してます。   ――はじめてみたら、どんな手応えでしたか?   便サンはどっちかっていうと業務利用が多いんじゃないかと思ってたんですよ。病院や介護施設、工場、厨房といったところが買うだろうと。丈夫で長持ちするのでマニアやコレクターじゃない限り、何度も買う物じゃないと思ってたんです。   でも、実際やってみると日本産の便サンを渇望してた人たちがたくさんいたんです。「前は近所で買えたのに、今はどこも売ってない!」と困ってた層がいた。最初はニシベケミカルの「VIC No.510ダンヒル」という種類の茶色と、丸中工業所の「PEARL...

  2017年5月、米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー「ディープマインド」(英国)の囲碁ソフト「アルファ碁」が世界トップ棋士・柯潔氏に3戦全勝したことで話題になりました。囲碁、その知名度に反して、ルールを知っていたり実際に打ったことがある人はそれほど多くありません。   そんな囲碁のプレイヤーを広げる活動をしている会社があります。その名も「IGOホールディングス株式会社」。なんともスケールの大きな社名です。誰でも参加できる囲碁イベントや囲碁の上達プログラムなど、囲碁にまつわる取り組みをしています。   2017年6月にはクラウドファウンディングプロジェクトを立ちあげて目標額を達成しました。募った資金で「囲碁打てます」と書かれたステッカーを作り、囲碁が打てる人を可視化しようと試みています。   今回はIGOホールディングスの井桁健太代表に、世にも珍しい囲碁ビジネスの今についてお話しをお伺いしました。 事業戦略その1. 「3ヶ月で囲碁初段プロジェクト」。成長意欲が高いビジネスマンがメインターゲット   ――IGOホールディングスはいつ立ちあげたんでしょうか   2015年5月15日設立なので今年で3期目です。ちょうど囲碁年(2015年)のGO囲碁(5月15日)の日に、囲碁仲間4人で立ちあげました。   ――いまもその4名でやってらっしゃるんですか   喧嘩別れではないですが、現在は私1人です。もともと私は食品メーカーの営業を1年8か月やってまして。趣味で囲碁イベントを主催してました。そのうちに「これを本業にしてみたいな」と思うようになってメーカーを辞め、イベント時など一緒に動いてたメンバー達と会社を作りました。   特に起業するつもりがあったわけじゃなかったんですが動けば動くほど「あなたたち4人はどういう関係なんですか?」とメンバーの関係を聞かれるようになりまして。囲碁という共通点はありましたがやってることはバラバラだったので、外から見たときに分かりやすいよう箱を作ろうと会社にしました。   ――どんなメンバーがいたんでしょうか   例えば、プロ育成の子供向け教室をやってるメンバーがいました。彼の場合は「人生を決めようとする子どもたちとその覚悟を受け止める自分がいる一方、ビギナーの方を相手にする自分もいて、その両立が難しい」と会社を抜けました。いまも、なにか一緒にできることがあれば手を組もうという関係です。   IGOホールディングスは業界の高齢化もなんとかしたいとも思っているので、どうしても現役で働かれている方が多くなり、ゼロから始める人に向けての働きかけが多いんです。ビギナーの方と対局したり、振り返りをする際にはまず良かったところを伝えます。悪かった手は「悪かった」と言わず言葉を変えて「改善すべきところ」として伝えています。   ――現在、IGOホールディングスはどのような事業をされてるんでしょうか   個人のお客さまへのレッスンが収益の柱です。特に「三か月で囲碁初段プロジェクト」ですね。ビジネスマンは仕事で忙しいですから、短期間に集中して取り組んで上達をしようというものです。囲碁は一度覚えれば一生楽しめますので、そういうスタイルの方が向いていると思っています。(現在は第六棋生を募集中)BtoBはこれからです。囲碁を企業研修に入れられないかなと考えています。   ――3か月で初段。普通なら初段取るのにどれぐらいかかるんですか?   1年半~2年かかるのが一般的ですね。囲碁初段をとる難しさは、マラソンでいえばサブ4(フルマラソンを4時間以内で走ること)と同じくらいです。初段プロジェクトではプロジェクトメンバーとして10名募集して、3か月フルコミットで挑戦します。認定大会という公式の大会がありまして、初段を目指す人同士で対局して4戦中2勝すれば初段です。これまで50人参加して10人が初段になりました。   少しでも囲碁を知ってる方をプロジェクトの対象にすれば、もう少し合格率が上がると思うんですが、本気で「やってやるぜ!」と奮起する人ってそれまでまったく囲碁に触れたことのない人が多いんですよ。   ――まったく囲碁やってない人のほうが多いんですか。初段プロジェクトって178,000円しますよね。まったく囲碁をやったことがなくて、その金額払うのはどんな層なんでしょう?   成長意欲が高い人が申し込んでくれます。30~40代のビジネスマンが多いですね。男女比率は半々ぐらいです。単なる囲碁教室なら他の教室でもいいわけで、それでは差別化になりません。囲碁教室側からすれば長く通ってもらえば長く通ってもらうだけいいわけですから、普通は「3か月で初段」みたいに期限を決めないんです。そこを我々はあえて決めてしまう。   プロジェクトの金額は囲碁教室の相場からすれば少し高めですが、ビジネスマンにとっては時間への投資でもあります。「こういうプロジェクトなんだよ」と明確で高いゴールを説明すると、成長意欲が高い人が「よっしゃ、とってやるぜ」と本腰を入れていただけるわけです。そういう方々にとって初段プロジェクトは非日常で学びもありますし、知的な出会いもあります。   ――成長意欲の高い人が新しい思考ツールを手にいれるための囲碁ってわけですね   そういう方たちは囲碁を打つことだけを目的にしてないんですよ。例えば以前、朝7時からスタバでやる朝囲碁を開催してたんですが、お越しになる方々と接していくうちに「早起き」に価値を見出してるんだとわかりました。   ――ああ、囲碁を動機に早起きできること自体が商品価値だと   そうですね。会社のビジョンとしても「知的な出会い」を掲げています。年齢・性別・言語・国籍・人種・身体能力の6つのコミュニケーションの壁を超えた出会いですね。囲碁に興味を持ってやって来る時点で気が合う。参加者にフィルターがかります。そういう人たちとの出会いも価値だと考えてます。 事業戦略その2....

  わたくし松澤は珍スポットと呼ばれる一風変わった観光地をめぐっては「東京別視点ガイド」で紹介しています。6年間で巡った総数は1,000ヵ所以上。年末にはその年巡ったスポットTOP10をランキング形式で発表しています。   2016年度ベスト1に選んだのが栃木県の「岩下の新生姜ミュージアム」です。テレビCMでおなじみの岩下食品が手がける企業ミュージアムなのですが、その展示内容があまりにもぶっ飛んでいるのです。オープンは2015年6月。経営者が高齢だったり客足が減ったりで、気がつけば無くなってしまいがちな珍スポット界隈において、あまりに突然でビッグな新風だったので度肝を抜かれたものです。 たとえばジンジャー神社。岩下の新生姜とおなじくピンク色です。狛犬として立っているのは角が新生姜の岩鹿(いわしか)ちゃん。 ご神体も新生姜ですし、お供えものも新生姜。この日はイースター企画で新生姜の神様に変わって、新生姜で色づけされた卵の神様が鎮座していました。 超巨大な顔ハメ看板もあります。 体を駆けめぐる新生姜気分を味わえるゲーム「ジンジャー・ツアーズ」。昔なつかしのテレビ番組、電流イライラ棒と同じルールです。 イースター企画でダチョウの卵が岩下漬けされていて、ピンクになっていたり。 極めつけは「新生姜の部屋」です。擬人化された新生姜と2ショット写真を撮れる展示です。 本棚には「100万個の新生姜を食べたねこ」「もしも高校野球部のマネージャーが岩下の新生姜を食べたら」「ゆきゆきて新生姜」などベストセラーが並んでいます。 岩下食品株式会社 4代目社長・岩下和了さんにお話しを伺った 企業ミュージアムでありながら、他を寄せ付けない独創的な展示の数々。いったいどういう狙いがあるのか、どういう想いが込められているのかを社長・岩下和了(いわした かずのり)さんに直接伺って参りました。 ▲岩下食品株式会社 4代目社長...

  肉、トマト、オニオン、チーズ、肉。   バンズのかわりにビーフパティでサンドした、肉バーガー「ワイルドアウト」をご存知だろうか?美味しそう×写真映え×ネタになるの三拍子が揃っていて、見るからにバズりそうだな!というのが、初見の素直な感想だ。   これは相当戦略を練って商品開発したに違いないと確信し、人気ハンバーガー店「シェイクツリー」に商品の開発秘話を伺ってきた。 行列のできるハンバーガー店「シェイクツリー」 2011年にオープンした「シェイクツリー」は、JR総武線錦糸町駅、地下鉄両国駅からそれぞれ徒歩10分のところにある。   多くのハンバーガーチェーンが駅近に店を構えるなか、シェイクツリーは、やや不便な立地に店を構えている。それにもかかわらず、連日盛況。週末には行列もできる。 店名の「シェイクツリー」は、「shake a person’s...

  「地球上になかった味」と評され、カレー通たちから支持される『火星カレー』。   池袋駅西口から徒歩3分ほどの場所にあり、かわいい看板が目印です。カウンターとテーブル席が4つのカレー屋さん。 火星カレーの特徴はなんといってもこのメニュー構成。さまざまなお肉がカレーの具になっています。鶏、豚、牛といった定番はもちろん、カンガルー、馬、鹿といった他では見たことないカレーがずらりと並びます。 ▲鴨カレー880円 + 豆トッピング100円 鴨カレーに豆トッピングです。 彩り鮮やかなお豆はチキンスープで煮ています。ごはんはかるく焼かれて焦げ目がついており、香ばしい匂い。ルーは水分の少ないタイプですが、ドライカレーともキーマカレーとも一味ちがいます。水をほぼ使わずに、野菜から出た水分で作っているそうです。ルー1皿あたりニンニクが1かけら半入っているそうですが、独自のスパイス配合が効いてぜんぜん臭くありません。たしかにいままで食べたことのない味。これはクセになりますね。 ▲カンガルーカレー1080円...

  ▲おふろの国「ゆ」のネオンが揺らぐ鶴見川。この川周辺にスーパー銭湯が3つもひしめき合う激戦区となっている。     私は1年程前からサウナが好きだ。 好きというより愛してる。いや、愛してるではなく空気のようにあって当たりまえ、完全に本妻としてサウナを迎え入れている状況だ。   サウナの良いところとして、一番に挙げられるのはリラックスできること。一人ハダカになって熱いサウナと冷たい水風呂を往復することで、日頃のモヤモヤや将来に対する不安などが、いつの間にかすべて汗とともに流れ出てしまう。   そんなサウナのこと、サウナ施設のことをもっと知りたいと思い、いろんなサウナを巡り歩いていたら、リラックスとは違う、自分の心に火を灯すような元気を与えてくれるサウナ施設と出会うことができた。 それが今回ご紹介する神奈川県横浜市鶴見区にある「おふろの国」。   「おふろの国」は、プロ熱波師の「サウナ皇帝」井上勝正をはじめ、全国の温浴施設看板娘で構成するアイドルグループ「OFR48」、歌うマッサージ師大西一郎など多彩なスタッフを抱え、No.1熱波師を決める「熱波甲子園」や「大サウナ博」、「熱波道プロレス」などユニークなイベントを多く打ち出す異色のスーパー銭湯だ。   ん?プロレスが入ってた?とお思いの方。正しい反応ですが、読んでいただければ腑に落ちると思います。この「おふろの国」の店長であり、これらの仕掛け人でもある林和俊さんに、イベントの意図や個性的な従業員の発掘方法などについてお話を伺ってきた。 スーパー銭湯「おふろの国」は温浴業界に熱い波を起こす ▲お話をうかがった「おふろの国」林和俊店長。     浴室の壁ごしに声をかけあう「愛してマス風呂」、お風呂にまつわる話しだけをする放送「オフロナイトニッポン」など、温浴業界の常識を打ち破るイベントをプロデュースしてきた。バケツで熱波!設備がなくてもとりあえずやってみる。   - おふろの国ができたのはいつですか?   林店長:2000年の11月ですね。僕はそのオープンの半年後に入社しました。   ...

  世田谷区経堂。にぎやかな商店街のどまんなか、ビル2階にある「パクチーハウス東京」は世にも珍しいパクチー料理専門店だ。   パクチーサラダにパクチーライス、お酒にもアイスにもパクチーがはいっている徹底ぶり。オープンは2007年12月。今年で開店10周年を迎える。   パクチー、すべての食物のなかでもっとも好き嫌いがわかれる食材ではないだろうか。好きな人は狂うように愛するが、嫌いな人からは忌み嫌われる。圧倒的なクセの強さ。ましてやオープン当初の10年前は、パクチー自体の認知度が低かった。いまでこそパクチーをウリにする店は増えてきたが、それでも専門店はめずらしい。   創業者の佐谷さんに繁盛の秘訣をうかがってきた。 「パクチーハウス東京」って、どんなパクチー料理があるの? ▲トマトときゅうり、そしてお皿が隠れるぐらいたっぷりのパクチーが盛られたカスピ海サラダ。 ▲パクチーの葉っぱと根っこを揚げたパク天。ぱりっとおいしい。 ▲生地にパクチーがはいってる緑のパクチーバケット。 ▲パクチーの種や葉っぱがはいってるお酒、カクテルならぬパクテルだ。「カンパク!」の合図で飲もう。こんな具合でなにを頼んでもパクチーがついてくる。 ▲パクチーハウス東京では追加パクチーも自由にできる。「追パクください!」と唱えれば、おもう存分パクチーが食べられる。 ▲イラン料理のチェロケバブ。「あれ?パクチーがない」と不安にお思いかもしれないが… ▲もちろんご飯のなかにパクチーとお肉が入っている。 「パクチーハウス東京」にはブルーオーシャンならぬグリーンフィールドが広がっていた - いろいろある食材から、なぜパクチーを選んだんですか?   パクチーハウス東京店長・佐谷 恭さん(以下、佐):2005年から「日本パクチー狂会」をやってたんですよ。といっても、パクチー好きを集めてオフ会を開くのがおもな活動ですけど。それでも名刺作って飲み屋で配ると「店長!パクチー狂会の会長が来てます」って具合に広がってくんです。   そこで「ここ、パクチーないじゃん!」とか「パクチー好きな人たくさんいるから、置いたら客来ますよ!」とか軽口叩いたりして。まあ冗談で言ってたことですけど、いざなにか店をやろうって時にその言葉たちがぜんぶ自分に返ってきたわけです。もってる資源でおもしろいことをやろうと考えていたら、自然とパクチーハウスの構想に行きつきました。   -...

  日暮里のお菓子屋さん「江戸うさぎ」で販売している「妖怪★いちご大福」が大人気だ。   テレビ番組・雑誌・ネットなど各種メディアにもとりあげられ、冬のシーズンになるとSNSでも写真をよくみかける。1日200~300個ほど手作業でつくっているが、日によって昼過ぎに売り切れてしまうことも。   開発したのは観光土産品及び進物用菓子食品類の企画卸売を行っている「大藤」。 妖怪いちご大福以外にも小判型のおせんべい「これでよしなに」、お尻型の生菓子「美尻」といったおもしろお菓子から、3種類の味が楽しめる飴「アメノミックス」といった政治家シリーズものまで幅広くとりあつかっている。   江戸うさぎ店長兼、大藤商品管理部の横尾さんにユニークな商品の開発秘話をうかがってきた。 江戸うさぎの「妖怪★いちご大福」ってなに? ▲妖怪★いちご大福 1つ258円   口からぴょこんとはみだしたイチゴ、ゴマ粒で作ったつぶらな瞳がかわいい。谷中霊園からやってきた妖怪という設定だ。いちごシーズンの冬限定商品。 ▲妖怪★くり大福 1つ285円   秋になると「妖怪★くり大福」が販売される。芸術の秋にふさわしく栗のハンチング帽をかぶっている。 ▲妖怪★あんず大福   通年販売の「妖怪★あんず大福」も人気だ。 江戸うさぎの「妖怪★いちご大福」はどうやって生まれたの? ▲お話しをうかがった横尾さん(「江戸うさぎ」店長兼大藤商品管理部)   ●社内は「気持ちわるいよ」とほとんど反対意見だった   - 横尾さんが「妖怪★イチゴ大福」を開発されたそうですが、どんなきっかけだったんでしょうか   商品管理部 横尾文乃さん(以下、横):新しく和菓子職人さんが入られたときに「イチゴ大福が得意です」とおっしゃったのがきっかけです。それじゃあイチゴ大福でなにかつくろうと。ただお店は人通りのすくない地味なところにありますし、コンビニのレジ横でも100円で売ってます。それならどうにかお客さんをお店まで呼ぶにはおもしろいものを作らないとって思いました。   でも、職人さんは別におもしろさを求めてないですよね。できあがった大福に「これ、なにがおもしろいんですか?」ってしょっちゅう揉めてました。 ▲開発当初はこういう形だった   -...

中央線の西側、高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪あたりにはラーメンの名店がひしめいている。   昔ながらの中華そば「春木屋」、濃厚塩スープが人気「チキュウ」など枚挙にいとまがない。うまいラーメンをだしてなお生き残りが難しいこの戦場でパイナップルラーメン1本で営業を続ける異色の店がある。西荻窪の「パパパパパイン」だ。 提灯だってパイナップル「パパパパパイン」 西荻窪駅から徒歩2分。通りを歩いているとパイナップルの提灯がひときわ目をひく。券売機をみると「パイナップル塩ラーメン」「パイナップルしょう油ラーメン」「パイナップルつけめん」「パイナップルえび塩ラーメン」と、本当にパイナップル メニューしかない。   2011年のオープン当初から6年間、パイナップルラーメン一本で勝負してる異色の店だ。繁盛の結果、2016年には2店舗目のラーメン店「81番」をオープン。こちらは一般的なラーメンを提供している。   私は「東京別視点ガイド」というサイトで、日本全国の変わった飲食店をめぐっている。なかにはコーヒーラーメン、ココアラーメン、青汁ラーメンを提供する店もあるが、あくまで数あるメニューのなかの1つで変わり種はいろいろだ。さもなければ商売が成り立たない。   しかし、パパパパパインはパイナップルラーメン一本のストロングスタイル。 看板にはこんな問いが投げかけられている。 「ラーメンとパイナップルが大好きだからラーメンの中にパインがはいってもいいんじゃない?」   こんなに力強く問われたら「はい、いいです」と肯定するしかない。 いまだ「酢豚にパイナップルを入れるのは是か非か」を論争している我々がちっぽけに思える。私は近くに住んでいたこともあり、何度か通っていた。   そんなおり流れてきたのがこのツイート。2017年4月末に閉店とのこと。           パイナップルラーメン屋さんパパパパパイン、明けましておめでとうございます!私事で恐縮ですが、店主高齢につき2017年4月末頃にパパパパパインを閉店とさせて頂きます。32回目の誕生日を年末に迎え、寝る間も惜しみ1時間程熟考して出した答えなのでどうか御理解頂けましたらと思います。— パパパパパイン...