福島県のご当地ソフトクリーム6つを食べ比べて、狙いの違いが見えてきた

課外活動

旅をすると、知らず知らずのあいだに1つ2つは食べてしまうもの。それがご当地ソフトクリーム
それ自体が旅の目的になることはないけれど、旅に少し彩りを加えてくれる可愛い存在。
 
陽気なフォルムに楽しい甘さ、旅のテンションにぴったり寄り添う。小腹を充たすのにもちょうど良い。どんな土地のどんな名産品ともコラボをし、普段それほどアイスを食べない人でもなんだか手が伸びてしまう。
1990年代のソフトクリームブームを境に、日本全国で増え始めたようだ。
 
かくいう私もご当地ソフトクリームは好きなくち。道の駅やお土産物屋で「お、これは」というのを見つけたら、お腹が膨れていても無理して食べてしまう。ソフトクリームはたんなる食物というよりも、作る工程を見届けたり、みんなでシェアしたりするのが楽しい、一種のエンターテインメントだ。

これは伊豆のわさびソフトクリーム
わさびが練りこまれたものはよくあるけれど、バニラソフトに擦りたてワサビがぴったりつけられているものは初めてだった。新鮮なワサビの辛さがバニラの甘さと案外マッチする。

これは高知の漁港で売ってたじゃこソフト。ソフトクリームにこれでもかと茹でたじゃこが乗っている。塩気の強いじゃこと甘いバニラが案外イケる。家でやったら家族に怒られるような組み合わせも旅のノリで許される。それでいて、ワサビもじゃこも意外に合うのが面白い。
 
われわれ観光会社・別視点は9月12日から10月12日までの1ヵ月間、「福島県猪苗代町1ヵ月住みます会社」と銘打って、福島県に逗留し続けていた。その間に6つのご当地ソフトクリームを食べたのでご紹介したい。

福島県のご当地ソフトクリーム6選

 

◎地ビールソフトクリーム


猪苗代地ビール館で食べられるのが「地ビールソフトクリーム」だ。このビール館、地ビール羊羹なども製造していて、甘味とビールの融合になかなか積極的で攻めている。その名のとおり、猪苗代の地ビールが練りこまれたソフトクリーム。はたしてビールとアイスは合うのだろうか。

ビール特有のほろ苦さがある。ソフトクリームが口の中からなくなった後にビールの香りが鼻に抜ける。なるほど、悪くない。
 

◎ひとめぼれジェラート


ジェラート屋さん「モンジューいなわしろ店」。専門店だけに和栗や焼き芋、コーヒー黒豆など定番以外のメニューも豊富だ。

なかでも気になったのが、福島県産ひとめぼれを使ったジェラート

まだ粒の状態でひとめぼれが残っている。プチプチとした食感が楽しい。
 

◎和紙ソフトクリーム


道の駅「安達」の看板。和紙ソフトクリームって一体なんだ。この道の駅があるのは、手すき和紙の伝統が1000年以上あるエリア。和紙の原料であるクワ科の楮(こうぞ)という葉っぱを練りこんでいるそうだ。てっきり、ちぎった和紙が入ってるのかと思った。

お茶のような香りと味わいがほんのりしている優しいソフトクリーム。この優しさ、暖かみ、和紙と通じるものがある。
 

◎桐炭ソフトクリーム


道の駅「尾瀬街道みしま宿」で売っているのが、漆黒のフォルムが心の中学生を呼び起こす桐炭ソフトクリームだ。三島町は昔から桐が名産品で、桐タンスや桐ゲタが作られていたとか。桐製品を作る過程で生じる木っ端を活用したのが桐炭で、このソフトクリームにも練りこまれている。

色彩こそ強烈だけど、味はいたってノーマルなバニラ味。とても甘い。
見た目はいかついけど接してみたら優しい山の男って感じ。
 

◎甘味噌ソフトクリーム


道の駅「つちゆ」にあるのは甘味噌トッピングのソフトクリーム。見た目的にはミスマッチに思えるのだが、これもこれで悪くない。味噌のしょっぱさとソフトクリームの甘さが妙にマッチしてるのだ。ソフトクリーム、案外受け幅が広い。なんでも受け入れるその器の広さは、ここ最近のキティーちゃんを連想させる。あの猫も仕事を選ばないからね。
 

◎喜多方ラーメンソフトクリーム


トリをつとめるのは、喜多方ラーメン神社のソフトクリームだ。言うまでもなくラーメンでおなじみの喜多方市。ラーメン神社は観光客向けのラーメン紹介スポットで、鳥居もお箸で組まれている。

はい、喜多方ラーメンソフトクリーム。麺状に細長く盛られたソフトクリームは醤油味。なるとが乗っていて、ブラックペッパーを振りかけて出来上がり。見た目が面白いし、おもわずSNSにアップしたくなる1本だ。
 
ひとくちにご当地ソフトクリームと言っても、味を重視した物から名産品をむりやり組み合わせた物、SNS映えしそうな話題性狙いの物までさまざまだと分かり頂けると思う。
今後、どこかを旅するさい、各地のソフトクリームに注目してみて欲しい。