インバウンドビジネス|DSP広告で中国人向けマーケティング?

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最近、海外からの観光客が多いと感じるのは自分だけでしょうか。以前に比べ、街中の外国語案内の量も増えるのと合わせ、訪日外国人の数もどんどん増えているのを肌で感じると思うこの頃です。
 
とりわけ、訪日中国人の方も、ニュースやメディアで取り上げられた、爆買いの時期から落ち着いたともいわれるなか、最近では、爆買いのようなツアーではなく、個人の旅行客として訪れる方が多くなってきているとのことです。
 
今回は、これからますます盛り上がりそうな中国インバウンド市場について、関連事業のDSP広告を中心とした対中国人向けマーケティングに詳しいマッドハウスCEOのエリック・ウェイン氏にインタビューして参りました。

中国向けインバウンドビジネス


-まず、どんな事業に取り組まれているか簡単に教えていただけますか。
 
エリックCEO-私は現在、マッドハウスという会社の日本法人のCEOとして、モバイルDSP広告の事業を手掛けています。特に、昨今盛り上がるインバウンド市場に対して、自社の認知度を上げたり、サービスを提供したりと、訪日外国人向けにアプローチすることを主眼に置いています。
 
また、越境ECなど、訪日中国人や中国本土の住む中国人、在日中国人に広告を打てるのは、中国人向けのマーケティングを行う際に大なベネフィットがあると思います。
 
-ん、DSPって何ですか?
 
エリックCEO-マーケターの方はご存知だと思いますが、要するに広告枠のひとつとして捉えていただけたらと思います。例をあげれば、フリーペーパーの空いたスペースだったり、新聞のページ下にある、本の宣伝などを思い浮かべていただけたらお分かりかと。
 
利用シーンでいくと、ゲームなどのアプリを使う際に、ときどき広告が入ると思うのですが、そこにサービスの宣伝を広告として配信するわけですね。アプリ制作会社が開発する際にマネタイズ戦略としてDSPのモデルを取り入れると思うのですが、我々マッドハウスは特にインバウンド、とりわけ対中国人向けのDSP広告に長けています。
 
-なるほど、越境ECや中国10億人の市場など注目されてますが、なかなか難しいとの声も聞きますよね…。
 
エリックCEO-おっしゃる通りです。ただ、私たちの提供するDSPは中国本土で絶大に支持されているアプリ内でDSP広告として日本のサービスや自社の宣伝を配信できることです。
 
中国は独特のマーケットがあります。あの世界の名だたるGoogleでさえも、中国国内ではMicrosoftが提供する検索エンジンBingが主流です。Twitterではなく、ほとんどがWeiboを使っています。そのため、なかなか中国人に対してのアプローチがやりたくてもやりにくかったというのがあると思うのです。そこで、中国にいる現地の方に対して、日本のサービスを宣伝し、クーポンをつけるなど付加価値を加えることで興味を持ってもらい、日本に観光に来た際に、来店動機やサービスの利用するなど購買喚起に役立てることができます。
 
-ただ闇雲に広告を打っただけでは、なかなか効果がないのでは?
 
エリックCEO-実は、年齢や性別ほかあらゆるユーザー属性に合わせて、ターゲット選定してDSP広告を配信することができます。そのため、より最適化されたユーザーのもとへ広告をアプローチすることで、精度の高い結果を生むのに貢献できると考えています。

爆買の次にくるインバウンドビジネス


-ひとつ聞いておきたいのですが、爆買いってもう終わりなんですか?
 
エリックCEO-そうですね。メディアでも爆買いはもうないなどと報じられていますが、これからの潮流としては、銀座や新宿などの免税ショップしか回らない、いわゆるツアー旅行がいままで主流だったんですね。
 
しかし、中国国内でFIT(Free Independent Tourist)が一般化してきており、従来のツアー旅行では行くことのできなかった日本の場所へ訪れる中国人の方が増加しています。そういった訪日中国人に対して、DSP広告を通じてアプローチすることで、日本のクオリティーの高いサービスや商品の訴求に効果があると思っています。
 
つまり、より日本の良い商品やいままであまり知られていなかった日本の観光地を、 DSP広告を通じて発信することで、日本の魅力をさらに中国の方に知ってもらうチャンスがあるのです。
 
-なるほど、では爆買いの次にくるのは、個人個人に合わせたFIT向けのサービスということですかね。
 
エリックCEO-まあ、いままでは限られた場所でしか購買意欲をかきたてるものがなかった。言い換えると情報を知りうる手段がなかったともいえるかもしれませんが、何も免税品だけでなく、日本の伝統文化や地方の魅力、観光情報をもっと訪日ないしは現地中国人の方に知ってもらう機会が増えることで、爆買いとは違う新しい市場が生まれると思っています。
 
ある企業では、DSP広告を配信することで、月間の売り上げの8割が中国インバウンドの消費だったりと、中国市場の可能性はどんどん高まるばかりです。
 
また、世界的にみてもairbnbもTripsという体験型のサービスをリリースしたように、日本でしかできない体験についても今後、中国インバウンド市場が盛り上がるのではと考えています。
 
話題の映画『君の名は』でモチーフとされる四ッ谷の神社に中国人観光客が聖地巡礼として押し寄せるのも、日本に来ないとその空間の良さがわからないため、実際に現地にいくことが人気を得ているのでしょう。そこで、またSNSで発信することで、さらに拡散され、訪れるきっかけになる。こういった事例は、十分に地方創生などにも生かせることだと思います。

今後の中国インバウンドビジネス

 
-では最後に、今後の目標などを伺ってもよろしいでしょうか。
 
エリックCEO-現在、年間の訪日中国人の方はおよそ500万人と呼ばれ、東京オリンピックが開催される2020年は1.5倍の700から800万人になるといわれています。
 
それに合わせて、このDSP広告を使って多くの日本企業が中国人に対してのマーケット拡大ができる担い手になれればと思います。中国人の方はどんなに良いものであっても、分からないものは買わないのです。しかし、日本のものはクオリティーが高いということも同時に知っているので、要はその魅力を提供側(企業)がいかに伝えることができるかがキーとなるでしょう。
 
例としては、いままで北海道旅行といえば、札幌やニセコくらいしか中国人の方は訪れていませんでした。しかし、夕張市のPRとしてDSP広告を配信することで、夕張の魅力を訪日、中国本土の中国人に知ってもらうことで、夕張に訪れる中国人観光客の動線をつくりました。このように、日本にはまだまだ魅力が発信しきれていない、ものやこと、情報などが多いので、それらをもっと伝えていける仕組みがつくれたらと思っています。

編集後記

インタビューを終えて感じたことは、どのような広告に、どのような内容を記載するかで、新たに開拓できる層が変わるということです。モバイルファーストといわれるなか、いかに効果的なマーケティング施策を打てるかで結果が違ってくるのではと感じました。
 
 
取材協力:マッドハウス株式会社(http://www.inter-ads.jp)
 
 

ニアセクリエイターズ所属のライター/エディター
週末に東京タワーで行われる、朝活イベント「モーニング女子会」を主宰(http://www.cinderella-tokyo.com/)
執筆は世の中のトレンドやオモシロいことを、様々なカテゴリーからピックアップして参ります。

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