世界一ゆるいバーの経営
みなさんこんにちは、「えらいてんちょう」です。飲食店経営及び経営コンサルタントをしております。私はイベントバーエデンという店を経営していまして、エデンは開店から2年で系列店が5店舗もオープンして順調です。
今日はエデンの経営手法の話をしていきます。
うるさく言わない
エデンの経営手法を一言でいえば「細かいこと言わない」ということです。普通の店ならお酒のマニュアルなどいろいろあるのでしょうが、エデンはバーテンダーに丸投げです。ほっておけば儲かるから管理せずうるさく言いません。人気にあやかって稼がせてもらおう、という感じです。一番のお客さんは人気のバーテンダー。そこと繋がっていれば永久に儲かりますので。
お客さんに関してもひどいセクハラなどがなければ、お金さえ払ってくれればどんな人でもOKです。なので普通の店では言いにくいこと、宗教や政治や性、そんなイベントをしたい人も来るようになりました。
私はお金さえ貰えば宗教勧誘しようがナンパしようが全然かまわないと思っています。もちろん大きな侵害などは総合的に損になるのでNGですが。
好きなことを話して勝手にやってていいから私に儲けさせて、と言っています。そうすると普通のバーではやりにくいイベントが多くなって、人も集まるようになりました。
苦手なイベントの日は避けて別の日に行けばいいので店のお客さんも離れない。我ながらすごい仕組みだなと思います。口うるさく言わないと勝手に人は集まってくる、ということですね。
エデンの特徴
エデンにはお客さんが手伝ってくれる、という文化があります。そもそもエデンは何もない店でした。最初はビールとソフトドリンクしかなく、酒を置き始めると言ったのも私ではありません。店として成り立っておらず、店ができていないような状態でした。
しかしそれが時勢を捉えた店でした。みんなで店を作っていくというのは、文化祭のような、それ自体がエンターテイメントです。例えば開店前に店にペンキを塗るのは普通なら業者に頼んでお金を払わないといけません。しかしお客さんとみんなでやるのであれはエンターテイメントですしお金も払わなくていい。これは以前お話した正しい「やりがい搾取」ですね。
<過去記事>
みんなやってる?正しい「やりがい搾取」の方法論
普通の店は勝手に改造したり持ち込んだら怒られますが、エデンは最初から何も無いので感謝されます。私は店にこだわりが無いのでどのように改造されても構いません。かなり余白を大きくしています。
バーテンダーも自分が立ちたくないので、いろんな人に投げてとにかく人に任せました。それで利益が出たらシェア、出なければシェアしないという形を徹底しました。そうしているといろんな技術者やバーテンダーが得意な人が自主的に来るようになりました。
イベントも自由なのでやりたいイベントをやって、その人がエデンで価値を高めていく。エデンに毎回いる人みたいな感じでその人自身のブランドが高まっていく。お客さん任せにするということを全体的にしてきた。
その結果としてお客さんの価値も店自体の価値も高まってきた。そのような循環ができたのは良かったですね。これからの店はそういう形態にしたほうがいいと思います。店にこだわりを持たず、完璧にせずに改造の余地を残しておくことが大切です。
▲お客さんたちが勝手に盛り上がる店内
【まとめ】 人と売上を集める為に
2回にわたり世界一ゆるいバー「エデン」の経営について解説をしてきました。いかがでしたか?
売上が上がる段階でいろいろやってヒットした中では、フォロワーが付いてる人を呼ぶのが一番でした。
最初はイベント単体でバズったけど続かなかった。イベントが飽きられたら終わりです。次にインターネット有名人を呼びました。1日バーテンダーは1、2ヶ月に1回だと飽きられないので継続性があります。2ヶ月に1回バーテンダーをする人を60人捕まえていればこのイベントは永久にできます。インターネット有名人を呼べるようにして場を提供すると儲かります。
店を作ってSNSで宣伝するというよりは、SNS空間を店にする、というイメージですね。
エデンのシステムとしても、場所代を取るのではなく儲かったらシェアという形にしています。店に立つ敷居を下げ、人を呼ぶことができるようにする為です。
最後の飛躍は、店長がコンテンツ人間になることです。そうすると店長目当てに人が来るようになります。お客さんは人につくもので、どのような人が店にいるかに興味を持っています。ですので人の選定さえ間違えなければ繁盛します。その為にはTwitterやYouTubeを十分に活用していくべきです。
SNSというのは自分の発言を何倍にも増幅されて沢山の人に届きます。最終的に一番儲かるのは自分がネット有名人になることですね。
この手法はいくらでも応用が効くと思いますので、みなさんもやっていきましょう。