皆さん、こんにちは。
最近は「考えてみれば生命誕生こそ異世界召喚の形で、そう、僕はいわば異世界で働いているのでは」と思い込むことによって生産性を上げる方法を実践しています。正訓(まさくに)と申します。普段はHamee株式会社でネクストエンジンの開発、運用、組織運営に携わっています。よろしくお願いします。
縁あってこのニアセで執筆の機会をいただけました。最初なのであまりふざけずに無難にタスク管理術のお話などをさせていただきます。頑張って書けば、そのうち「ニューアキンドセンター」と書かれたTシャツなどがもらえるかもしれません。
さてこのニアセこと、ニューアキンドセンター、読者の皆様はEC事業者に関わってらっしゃる方が多いとうかがっています。僕はエンジニアとして、ECの運営を支える立場ですが、まーーーー、ECに関わる業務って多種多様大量ですよね。
そこでいま僕が実践しているタスク管理術をご紹介したいと思います。エンジニアなので基本PCに向き合っているのですが、同じようにPCで作業されるEC運営者のどなたかのご参考になるかもしれません。
それではいきましょう。
Let’s 仕事消化〜〜〜〜!
考え方のベースはずっとGTD
僕は10年ほどまえにGTD(Getting Things Done)というタスク管理術に出会ってから、仕事消化はずっとGTDを根底におこなってきました。GTDはデビット・アレンとう方が提唱して、「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」などで語られている仕事術の一種です。
ネットでも検索すると膨大な情報が出てきますが、GTDは簡単にお伝えすると下記のようなフローでタスクを整理し、上から取り掛かっていくという方法です。
- 把握する
- 気になっていること、頭に入っていることをすべてどこかに書き下します。すべてです。ちょっとしたタスクや、将来やりたいと思っていることすべて書き下して、頭のなか空っぽにします。
- 見極める
- 把握時に出てきた内容を、すぐにやるか、いつまでにやるか、誰かにお願いするか、タスク分割すべきか、などタスクの具体性を上げます。
- 整理する
- 見極めたタスクを適切な場所に置きます。何らかのTodo管理ツールかもしれませんし、メールかもしれませんし、付箋紙を貼ることかもしれません。
- 更新する
- GTDのタスクは常に最新に保たれている必要があります。1、2、3を少なくとも週次ではレビューし、整理までをしておくとよいとされています。
- 選択する
- ここまでで整理されたタスクを自分で決めた順序で実行します。さまざまな関連情報はすでに集められているはずなので、何も考えずロボットのようにタスクを完遂します。
GTDをやっていて難しいもの
上記のものがGTDではあるのですが、ずっと、ずーっと実行していると物足りなさが出てきます。実施している方々の多くも様々な限界は感じているようで、GTDの習熟がまだ足りないのだ、いやいや、ここがGTDの限界なのだという話題は数ヶ月に一回見かけるようになりました。
僕が抱える課題の一つは、「少し手のかかる(5分で終えられない)タスクが一日の中でいくつも発生する」ということでした。いわゆる割り込みにGTDは弱いと感じます。いま把握して、今日中にやらなきゃならないけど、MTGが入っていて後回しになってしまうのは確実、でもこのタスクをどこに保存しておこう、というシーンです。
これはエンジニアである自分だけではなく、ECに関わる方々の多くが直面する課題なのではないでしょうか。商品の説明を急遽取り替えなければならない、クレーム対応をしなければならない、などが日常的に発生し、さらに新しい情報をどうやってストックしておこうという課題です。
GTDは絶対的なものではなく、単なる仕事術のベースでしかないと考えているため、常にやり方、ツールはアップデートしているのですが、そろそろこの課題を本格的に解決したいと思い、GTDをベースとしたアップデートをかけることにしました。
次のタスクにはURLがあることが多い
仕事でAPIの設計をしていたときに気づいたのですが、現在のタスクの多くが、そして閲覧する情報のほとんどがURLに紐付いていることに気づきました。これはリモートワークが進んだ現在ではさらに顕著になっていると思っています。
皆さんもこんな日常を過ごしていらっしゃらないでしょうか。
売れ筋の商品ページを更新するために一日何度も同じページを開く。お問い合わせに答えるためにCRMで顧客情報を開く。ECの最新情報を得るためにYoutubeを開く。Slackで上司が指示してきた内容を再確認する。
など、多くの「次の仕事のきっかけ」にURLがあります。そもそもURLというのは、「Uniform Resource Locator」、日本語では「統一資源位置指定子」といいます。リソース(資源)の場所を示すための統一的な規格ということなんですね。
で、現在URLのルールを生み出すのはWebエンジニアに近しい人だと思います。ただ、この「リソースの場所」は皆さんも日常的にルールに沿って生み出しているはずです。例えばネクストエンジンでは受注を受け取ると、受注伝票として以下のようなURLを生み出しています。
https://[ドメインはお客様によって違います]/Userjyuchu/jyuchuInp?kensaku_denpyo_no=12345
他にも例えばGmailはメールごとにURLが決められていますし、当たり前ですが商品ページのURLは商品ごとに違いますし、Google DocumentもドキュメントごとにURLが違いますし、SlackやChatWorkもメッセージごとにURLが用意されていますし、YoutubeのURLも当然動画ごとに違いますね。
PCで仕事をしていると現代ではタスクのほとんどが「URLに対してアクションをする(読む、書き込む、返信する、など)」が「次のタスク」として表現できるようになってきたのではないか、と気付いたんです。
そこから、このURLをどこかにストックしておけば、あとでやるタスクを把握するのに便利に扱えるのではないかと考えました。
Chromeのエクステンション(拡張機能)で把握するようにした
では、そのURLはどのように保存しておけばよいでしょうか。タスク管理ツールにいちいちコピーするのは面倒ですし、どの程度の規模のタスクなのかまだ分からないことも多いので、あとの時間でそのURLを開ければいいのです。
そこで僕は「OneTab」というエクステンションを入れることにしました。
OneTabは上記のように、もともと開いているタスクを一覧で保存しておくためのエクステンションで、Chromeのタブをグループとリストで保存しておけるようになります。ここからクリックして開くことで、リンクを入れて出す、ということが楽にできるようになります。
このため5分以上かかると見積もった、あるいは別予定があってすぐできないタスクについては一度このOneTabに送っておいてあとで着手するようになりました。
それではURLがないタスクはどうすれば良いでしょう?
これはタスク管理ツールにそのまま入れるのが早いとは思いますが、それよりも簡易的に残したいということであれば、Google Keepに記録を残し、そのメモのURLを保存しておくのがよいでしょう。
下記のURLにアクセスすると、keepを簡単に新規作成できるため、ショートカットで開けるようにすると瞬時にメモをとることができるようになります。
※Googleアカウントが必要です。
ぜひお試しください。
GTDの運用と合わせるうえで大切なこと
このツールとGTDを絡めて、いまは下記のようなフローでタスク消化をしています。
- 日次
- 日中はタスクを選択する
- タスクを上からこなしていく。
- 5分以内で終わる新しいタスクは即座に完了させる。
- 5分以内に終わらない新しいタスクのURLをOneTabに保存する。
- OneTabに残っているURLは可能な限り次の日に持ち越さず、空き時間を作って消化する。
- 一日の終わりにタスクを更新する
- OneTabに残っているURLがあるなら規模の大きいタスクとして、タスク管理ツールに移し、他のタスクとの優先度調整をおこなう。
- 日中はタスクを選択する
- 週次
- 週の終わりにタスクを更新する
- 週末にタスク全体の把握〜見極めを再度おこなう。
- 少なくとも一週間分のタスクを整理しておく。
- 週の終わりにタスクを更新する
ここで大切なことはタスクは積むことが目的ではなく、消化することが目的なのです。分かってる、分かってるとは思うんですが、このような「あとで実施するための仕組み」を整えると、心のどこかで油断してあとに回すだけのタスクが増えます。
そうならないように5分で終わると見きったタスクは確実にその場で終わらせましょう。GTDでは「2分で完了するものは」と言っているのですが、ずっとGTDをやっていて、気づけばこの「すぐ終わらせられるタスクの判断」が緩くなっていたので、マイルールで「5分以内」に変えて瞬殺することに気をつけるようになりました。
タスク管理に正解はない
タスクをどうやって消化していくかは個人個人違う方法があると思います。皆さんはどのようなタスク管理をおこなっていますか? どんな方法だとしても、PCで仕事をする以上は、「次のタスクにはURLがある」という考え方を導入することで、タスクの着手速度が向上したり、情報が保存しやすくなったりすると思います。ぜひお試しくださいね!
それでは! タスク管理なんてしなくてもタスクを瞬殺できる未来を目指して!
Let’s 仕事消化〜〜〜〜!
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