ZOZOTOWNの革新的な取り組みで変わるファッション販売業界

ECノウハウ

公式サイト:ZOZOTOWN
 
ファッション販売業界に革新をもたらしたと言っても過言ではないZOZOTOWN
 
今回は、株式会社スタートトゥデイが運営するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の取り組みについて見て行きます。

服の買い方を変貌させた「返品し放題」

ZOZOTOWNの魅力は、まず取り扱いブランドと商品数の多さです。
 
 
複数のECサイトをまわって個々に決済する必要がなく、1度の注文でさまざまなブランドの商品を一括購入できる利便性は大きな魅力。僕の周りでもZOZOTOWNで服を買っている人は本当に多いです。
 
 
そんなZOZOTOWNが新たに始めたサービスが話題を呼んでいます。
 
 
ZOZOプレミアム」という有料の会員サービスです。月額350円を支払うと、¥4,999未満の買い物の送料も無料となり、さらに返品を行う時にかかる送料が無料になります。
 
 
ユーザーが通販で服を買う際に障壁となるのが、
 
 


「サイズが合わなかったどうしよう?」
「色やシルエットがイメージと違っていたらどうしよう?」
「生地が気に入らないかも…」

 
 
といった、実際に商品を手にとって見ることができないことによる不安です。
 
 
ところが、気に入らなければ返品が自由にでき、しかも返品にかかるコストがゼロとなれば、今まで服を通販で購入することに難色を示していたユーザーを取り込むことができる革新的なサービスといえます。
 
 
考えようによっては、ネット通販であるにもかかわらず「試着し放題」を実現していることになります。
 
 
ところで、皆さんは実店舗で試着する時、けっこう気を遣いませんか?
 

「何着も試着させてもらったし、何も買わないで帰るのは悪いよな…」

 
とか、
 

「試着した後に店員さんにいちいち話しかけられるのがちょっとウザい……」

 
とか、
僕はけっこう思ってしまうタイプです。
 
 
自宅で誰にも気を遣うことなく試着することができるこのサービスの誕生は、実店舗で服を買う必要がなくなってしまうほどの大きなインパクトをアパレル業界に与えることになるかもしれません。

出店者側からすると返品地獄!?

ユーザーの視点に立てば、この「返品し放題」は大きなメリットです。ところが、出店者側から見たこのシステムはいかがでしょうか。
 
 
メリットを考えてみると、利用者の数を活かした売上アップが期待できるでしょう。服の通販に抵抗のある新たなユーザー層を取り込むこともできるかもしれません。
 
 
そしてデメリットですが、ZOZOTOWNの仕組みとして、まず出店者(ブランド)から商品を買い取り、ZOZOTOWNの物流センターで発送や返品対応をしているので、「返品地獄」となれば逼迫(ひっぱく)するのはZOZOTOWN側です。
 
 
商品はすでにZOZOTOWNに買い取ってもらっているので、返品による直接的な影響は、出店者側にはないものと思われます

ZOZOプレミアム
 
ですが、今後ZOZOTOWNの運営方針が変わらないとも限りません。返品が横行し、ZOZOTOWNの負荷が増せば、方針変更もあり得ますし、その影響は出店者も被ることになります。
 
 
また「返品し放題」というのは、場合によっては悪用可能な危険な側面を秘めています。
 
 
たとえば、
「今週末デートなのに勝負服が無い……。あ、ZOZOTOWNで注文して、デートが終わったら返品しちゃおう!」
なんてことも、やろうと思えばできてしまいます。
 
 
悪質な行為の影響は、良心的なユーザーにもおよびます。新品の服を買ったつもりなのに、実は誰かが着た服だったと分かれば、もうZOZOTOWNで買おうとは思わないでしょう。
 
 
こういった悪質なユーザーへの対策は、今後ZOZOTOWNの重要課題になってくると思われます。革新的なサービスでファッション通販業界を牽引し続けているZOZOTOWN。今後の動向にも目が離せません。

 
 

 
 

2014年に東京から静岡県三島市に移住してきました。現在は自宅でネットショップ運営の傍ら、記事の執筆をしています。

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