マイクロD2Cとは?個人や小規模事業者が始める方法、成功させるポイントを紹介

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D2Cは大企業が始めるものと考えられがちですが、マイクロD2Cであれば個人や小規模事業者でも始められます。

今では大きなD2Cブランドになった企業も、マイクロD2Cからスタートしているケースは少なくありません。

この記事ではマイクロD2Cの事例、始め方や成功するためのポイントを紹介します。

個人事業主や小規模事業者で、D2CやマイクロD2Cに興味のあるかたはぜひ参考にしてください。

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マイクロD2Cとは?D2Cと違うポイント

D2Cとは中間業者を介さず企業が直接販売するビジネスモデルを意味します。

その中でも小規模事業者などのマイクロブランドが、小さな市場にターゲットを絞り、ニッチな層へと商品を届ける業態をマイクロD2Cと呼びます。

点数の少ないハンドメイド品や小ロットの製品の展開がしやすく、よりストーリー性を込めたパーソナルなサービスや、質を高めた商品展開ができるのが魅力。

D2Cと聞くと数億円売り上げがあるような大企業が行うイメージがありますが、「ニッチな層に」「小ロットで」展開するのが一般的なD2CとマイクロD2Cの大きな違いです。

今では大きな規模のD2C企業のなかにも、マイクロD2Cから始めて規模拡大へと至った事例が多数あります。

マイクロD2Cを始める方法

マイクロD2Cは、小規模事業者でもすぐに始められるビジネスモデルです。さまざまなケースが当てはまりますが、大きく分けると2つのパターンに分類できます。

●元々商品があってそれをネットで売ってみたい

例:老舗和菓店がネット販売に挑戦する

→すでに商品があるがターゲットがないパターン

●WebサイトやSNSアカウントを運営していて自社ブランドを始めたい

例:ダイエットインスタアカウントのオリジナルお菓子を作る

→ターゲットはいるが商品がないパターン

それぞれ立ち上げの目的は異なりますが、マイクロD2Cを始める際の根本的な考え方は同じです。では具体的に始める方法について触れていきましょう。

商品を企画する

マイクロD2Cでは、目を引く商品性やストーリー性があることが成功の鍵となります。これから商品を企画するという段階であれば、その商品にどのような思いを込めるのか、コンセプトをしっかりと設計することが重要です。通常のD2Cと比べ、よりニッチな層へのアプローチや深堀した企画をできる点がマイクロD2Cならではのポイントです。

商品企画の際には、実際に届けたいユーザーに商品を試してもらい、改善意見やアイディアをもらうなどして商品を一緒に作り上げると、よりターゲットに支持されやすい商品を作り上げることができます。

またターゲットユーザーに近いインフルエンサーに企画段階から、その開発風景を拡散してもらうなど、影響力のある人を巻き込んで開発することで発売開始時に拡散してもらえます。こうすることで企画段階から宣伝につながり、初回販売までの導線を作ることもできます。

商品を企画する上で重要なのは、他社に負けないポイントを作ることです。

しかし、いくら商品力があっても、目標がなければいくつ売れるか検討がつかず見切り発進になってしまいます。

そうならないよう、商品を企画する段階でしっかりと販売目標を設定することも大切です。

定期販売や購入者限定割引など、継続して購入してもらう仕組みを作るというように購入してもらった後まで考えた商品展開にしましょう。

梱包、配送方法を考える

梱包は商品が到着した際のファーストインプレッションとなるため、印象に残るような化粧箱やデザインを用意しておくことが大切です。

またマイクロD2Cでは、商品の流通コストについて考えることも重要です。梱包サイズで配送料が大きく異なるため、可能であればコンパクトな梱包など、コストを抑える工夫もしましょう。

ただし、食品の場合は梱包状態によって、製品の質が大きく変わるため注意が必要です。

例えば、簡易包装により発送中にクッキーが割れてしまったり、冷凍商品を配送する際に、隙間ができる梱包で冷気が入り冷凍焼けして風味を損なってしまうことなどが考えられます。

コスト削減も大切ですが、食品などの場合には品質や安全性を保つことに配慮した梱包方法を検討することも重要です。

パンフレットやメッセージなど、同梱物もこの段階で考えておきましょう。

商品発送に関しては、必ずユーザーに届ける前にテストを行いましょう。トラブルを防ぐためにも、商品の品質を保ったまま安全に届けられるか確認しておくことが重要です。

生産、配送などの体制を整える

マイクロD2Cは、小規模ロットなど、少ない在庫で商品販売できる点が魅力です。しかし欠品や在庫不足が続けば、消費者の「欲しい」という気持ちを削いでしまう結果となり、機会損失にもつながりかねません。

企業が大ロットで生産するようなD2Cとは違い、マイクロブランドという形態上、売り切れはある程度仕方ありませんが、次回生産予定などがアナウンスできるよう、体制を整えておくことも重要です。

たとえば生産を委託する際は、受注ロット数やどれくらいの期間で生産できるのかを確認しておくことが大切です。自社生産の場合も、どれくらいの範囲であれば生産できるのか、把握しておきましょう。

生産だけでなく、受注後の配送体制を整えておくことも大切です。初めは受注数も少ないため、梱包や発送を個人で行えます。しかし発送商品数が増えると伝票発行の手間が増えるほか、工数もかかるため、ミスや遅延が起こりやすくなります。

このような問題を防ぐためにも、初期段階で配送業者と契約を結んでおいたほうがスムーズです。配送業者によって異なりますが、契約締結までに1〜2ヶ月ほどかかる場合もありますので、できるだけ早く準備をすることが大切です。

ECサイトを開設する

消費者に直接商品を販売するためには、ECサイトなどの媒体は欠かせません。ECサイト開設にはAmazonや楽天市場などのモールに出店する方法や、自社で構築する方法などさまざまな選択肢があります。

マイクロD2Cの場合は、登録料や月額コストがかからない、もしくはコストが安価なECサイト構築サービスがおすすめです。まずは安価なサービスを活用し、規模が大きくなり始めたら、別の手段を検討するとよいでしょう。

安価なECサイト構築サービスには、さまざまなメリットがあります。たとえば初期費用がかからず決済サービスとの連携が簡単である点や、各種発送方法の一括登録と互換性があり発送作業が楽などといった点です。

デザインテンプレートなども用意されており、デザインのプロでなくともブランドイメージに沿ったECサイトを制作できる点も魅力。SNSなどとの連携もできるため、販路の拡大などにも有効です。

なお、ECサイトを開設したら、各種決済システムと提携する必要があります。それぞれ審査や認証が必要なため、連携までには時間がかかることを理解しておきましょう。ECサイトを開設してすぐに販売開始できるわけではないため、注意が必要です。

ではここから、安価で利用しやすいECサイト構築サービスを紹介します。

BASE

公式サイト:BASE
登録料無料
月額費用無料
手数料3.6%+40円+サービス手数料3%

BASEは登録料・月額費用が無料で利用できるECサイト構築サービスです。初期費用や固定費がかからないので、これからEC販売を始めるという場合にも負担が少なく済みます。ただし「決済手数料3.6%+40円」+「サービス手数料3%」と手数料が高めに設定されています。

有料・無料のデザインテーマが豊富なため、サイト制作の知識がなくても直感的にECサイトの制作やカスタマイズが可能。自社のイメージに合ったECサイトが簡単にできます。

STORES

公式サイト:STORES
フリースタンダード
登録料無料無料
月額費用無料2,178円※初月0円
手数料5%3.6%

STORESでは、月額無料で利用できるフリープランと、月額固定2,178円のスタンダードプランの2種類のプランが用意されています。無料プランは手数料が5%と高めの設定となっているのに加え、利用できる機能にも制限があります。

スタンダードプランは月額費用がかかるものの、フリープランよりも手数料が安く設定されています。商品管理機能やアクセス解析など、機能も充実。数か月分まとめて契約すると、費用がディスカウントされるためオトクに利用することも可能です。

どちらのプランもテンプレートはすべて無料。おしゃれで機能的なECサイト制作が可能です。サイト制作の知識がなくても直感的にサイトを制作できます。

shopify

公式サイト:shopify
ベーシックスタンダードプレミアム
登録料無料無料無料
月額費用$29 米ドル$79 米ドル$299 米ドル
取引手数料 (Shopify ペイメントを利用していない場合)2.0%1.0%0.5%

shopifyは一定の月額費用がかかるものの、カスタマイズ性が非常に高いのが特徴です。無料または有料の専用アプリをカスタマイズして、機能を追加していくことが可能。ストアの売り上げアップにつながる機能やツールも充実しているので、さまざまな施策を取り入れたいという企業にもおすすめです。

無料・有料のサイトテーマの複数利用が可能。カスタマイズ性に富んでいますが、コード編集にはCSSやHTMLなどの専門知識を必要とするケースもあります。

販促活動を行う

どんなにいくら商品力が高くても、認知されなければいつまでたっても売れません。

自社の商品をたくさんの人に認知させるためには販促活動を行う必要があります。

通常のD2Cの場合は、大きな費用をかけてWeb広告を出稿したり、テレビCMを打ち出すこともできますが、マイクロD2Cは販促に大きなコストをかけることはできません。

マイクロD2Cでは自社で賄うことができ、費用もかからないInstagramやTwitterなどのSNSを利用した告知や、インフルエンサーやYouTuberに紹介してもらうなどの販促方法もおすすめです。

商品販売前からSNSで制作の様子などをアップすると、ブランディングにつながりファンも増えます。マイクロD2CはSNSとの相性がとてもいいビジネスなので、SNSを最大限活用し、積極的な販促活動を行いましょう。

マイクロD2Cを成功させるポイント

マイクロD2Cを成功させるためには、いくつか気を付けるべきポイントがあります。

スケジュールには余裕をもつ

マイクロD2Cを立ち上げるには、スケジュールに十分な余裕をもつことが重要です。商品生産にかかる期間や、決済システムとの提携、配送業者との契約など、思いのほか時間のかかることがたくさんあります。

スケジュールをギリギリに設定すると、日程がずれこむなどし、販売予定日までに間に合わない可能性もでてきます。スケジュールが遅れると焦りにもつながり、思わぬミスや失敗を招きかねません。すべてのスケジュールに余裕を持たせることが成功のポイントです。

マーケティングをしっかりと行う

販売する商品やサービスに関する、マーケティングをしっかりと行うことも重要です。始め方でも紹介したとおり、いくら商品力が高くても認知され、ユーザーに欲しいと思ってもらえなければ商品は売れず、継続的に利用してもらうこともできません。

商品やサービスに対するニーズやファン層、求められるものや競合など、消費者目線でマーケティングを行うのがポイントです。

しっかりと売上をたてるためには、短期・長期、それぞれの販売目標を設定することも重要です。また目標を達成するためにも、PDCAをまわすことも必要です。販促活動は単発で終わらせるのではなく、リサーチや分析を元に、アップデートしながら継続していくことが重要です。

品切れにならないようにする

マイクロD2Cは小規模でも始めることができ、ロット数も少なくてよい点が魅力です。ただしメディアで取り上げられたり、一度に注目を集めた場合には、一気に在庫がなくなる可能性もあります。

自社で商品生産をする際も委託する際も、なるべく品切れにならないようにすることや、品切れになってしまっても次回販売のメドが立つようにしておくことが大切です。

関連法規に関する理解を深める

単に「商品を開発→販売する」ということは、行動力次第となるため簡単です。

しかし、商品の内容や販売方法に関して法律で厳しく規制されていることもあると知っておくことが重要です。消費者へ商品やサービスを販売する以上、「知らなかった」では済まされません。

個人でマイクロD2Cを行う場合は、そうした関連法規を知らず、見落としてしまう可能性もあります。あとからトラブルに発展することのないよう、販売開始前に一度、専門家に確認依頼することがおすすめです。

商品不備によりユーザーに危害が及んでしまった場合には、賠償金を支払わなければならない可能性もあります。万が一の備えとして、PL保険の加入を検討してみるのもおすすめです。PL保険は売り上げに応じて値段が変わるので、売り上げが少ない初期は保険料が安く負担が少なくて済みます。

まとめ

マイクロD2Cは小規模事業者でも、無理なく商品やサービスを販売できるビジネスモデルです。小規模や少ない在庫で始められるのが大きな特徴。ECサイト構築サービスなどを活用すれば、費用的な負担もかけずに始められます。

マイクロD2Cを成功させるためにも、マーケティングやリサーチ調査などは大切です。準備に日数を要することも多いため、スケジュールにも余裕をもって進めるようにしましょう。

SNSはマイクロD2Cの販促に最適なツールですので、企画がある段階からプロモーションをかけるのがおすすめです。ECサイト構築サービスやSNSを駆使してぜひマイクロD2Cをスタートしてみてはいかがでしょうか。

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