今回は夏といえば海水浴、海水浴といえば江の島といわれるように海好き、サーファーがこぞって集まる江の島をこよなく愛し、江の島の魅力やローカルなお店をPRする「江ノ島さんぽちゃん」の生みの親である藤沢愛さんにお伺いしてきました。
江ノ島さんぽちゃんについて聞いてみた
-こんにちわ!はじめまして。
藤沢氏-はじめまして。藤沢愛と申します。
-あれ、江ノ島さんぽちゃんじゃないんですね、でもTシャツ着てるってことは…?
藤沢氏-はい、私が「江ノ島さんぽちゃんの生みの親」ですよ!
-ああ、なるほど!その気持ちわかります(笑)
藤沢氏-ありがとうございます。こんなにすんなりご理解いただけるなんて…(笑)
-早速、お話していきたいと思うのですが、江ノ島さんぽちゃんてそもそも何なんですか?
藤沢氏-はい。江ノ島さんぽちゃんは、江の島を中心に藤沢市の魅力を広めるために、地元のおいしいお店や綺麗な景色、おすすめのお土産などをSNSで紹介している藤沢市の非公認キャラクターです。
-え、非公認だったんですか?てっきり公認キャラだと思ってました(笑)
藤沢氏-そうなんですよ。市非公認ながら、公式マスコットキャラクターのふじキュン♡とも仲良しです♪
-ええ、すごいですね。江ノ島さんぽちゃんのルーツは何なんですか。
藤沢氏-はい。江ノ島さんぽちゃん誕生のきっかけをお話しますね。江の島は多くの映像作品のロケ地として登場していまして、江の島がアニメの舞台になることも多いんです。
私はアニメが好きなので、とても嬉しいことなのですが、いざアニメの放送が終わってしまうと関連のお土産や展示物が早々に撤退してしまい熱が冷めてしまっていたんです。一過性の盛り上がりではもったいない、『いつも地元を応援してくれるキャラクターがいたら良いのにな』この想いから江ノ島さんぽちゃんが生まれました。ちなみに名付け親は私の母で、「よく散歩してるからさんぽちゃんでいいじゃん♪」ネーミングはこんな感じで決まりました(笑)
-なるほど、写真で見る2.5次元のさんぽちゃんは最初からあの姿だったんですか?
藤沢氏-初めの頃は、twitterでつぶやくのみでした。2014年に江ノ島さんぽちゃんのアカウントが誕生して、藤沢市の魅力を発信し始めたんです。イラストは幼少のころから描いていたのでさんぽちゃんのイラストは全て自分で描いています。あるとき神奈川新聞さんや湘南よみうりさんに取り上げていただき、フォロワーさんがグンと増えましたね。さんぽちゃんの衣装が出来上がってからは同年の9月に秋葉原にあるPLUM LIVE SHOPさんで初の(通称)リアルさんぽちゃんをお披露目でき、様々な地域のイベントに呼んでもらえるようになりました。
-すごいですね。これまでの苦労話とかあるんですか?
藤沢氏-えぇと…。なかなか思い浮かばないですね。自分の好きなことを楽しんでやっているから見つからないのかな…
-なかなかのメンタリティーなんですね!
藤沢氏-いえいえ、でも強いて挙げるとすれば…活動したての頃に作った紙粘土さんぽちゃんは外だと簡単に風で吹き飛んでしまうので撮影の際は苦労しましたね(笑)オリジナルグッズが一つもなかった頃、一枚一枚さんぽちゃんの型に沿ってラミネート栞を製作していたときは家族総出で夜な夜ながんばっていました。
-大変とは思わないほど、好きなことだったんですね!
藤沢氏-はい、本当に夢中でしたね。皆さんが喜んでくださるから出来たことです。
江ノ島さんぽちゃんがもたらすその普及効果とは
-江ノ島さんぽちゃんをプロデュースするようになって変わったことはありますか?
藤沢氏-江ノ島さんぽちゃんの活動を通して、大勢の方と出逢い、色々な場所へ出向きました。
次第に協力してくれる方が増え、twitterを通して反響のコメントをいただいたり、江ノ島さんぽちゃんグッズ製作に名乗りを上げてくださる企業さんや、江ノ島さんぽとみんなのノート(江の島観光の思い出やさんぽちゃんへのメッセージを書くノート)を置いてくださるお土産屋さんと巡り会えたり。今着ているTシャツも江の島限定で販売中なんですよ。さんぽちゃんや私に、藤沢観光のおすすめを尋ねてくださる方も多くなりましたね!
-本当にすごい反響ですね、非公認とは思えないほどに!
藤沢氏-はい。江ノ島さんぽちゃんの活動に共感してくれる方や同じ志を持った方がどんどん増えてきました。そして、ご当地キャラ同士の横の繋がりができたことはとても嬉しく思っています。お互いの地域をご当地キャラ同士で盛り上げたりとさらに楽しくなっていきましたね。公認キャラに憧れはないのですかと言われることもあるのですが、さんぽちゃんにはこれからも自由に、今のお散歩スタイルを貫き通してもらおうと思っています。地元を愛する気持ちに公認も非公認もないんだなと強く感じています。
-なるほど!ファン作りに非常に参考になることばかりですね。今、俳優としてお芝居をやられているそうですが、その集客についても変わったんじゃないですか?
藤沢氏-前回出演した舞台では、江ノ島さんぽちゃんの生みの親として私を知ったお客様が多く訪れてくださいました。初めての舞台観賞だった方が、次回の出演舞台もご予約くださって…地元藤沢市を応援したい想いが伝わり、共鳴していただけた方にお芝居の楽しさも伝えられるなんて最高に幸せです。これからはその逆の機会も増やしていけるようより一層頑張りたいです。
-今後の展望と「好きなことを仕事にする」と思っている方へ何かメッセージがありましたらお願いします。
藤沢氏-そうですね。旅先で地元の話をすると「藤沢ってどこ?」って聞かれてしまうことが多いので、そんなショッキングなことをなくしてみんなが知ってる藤沢市へ!そのお手伝いがしたいです。
江ノ島さんぽちゃんには、藤沢市とその他の地域を結ぶ架け橋になってもらいたいです。また、町中に張り出されるポスターや商店街のマップの挿絵になって、愛され続けるキャラクターに育てていけたら良いなと思っています。先ほどの回答とも重なってしまいますが、藤沢愛本人としてはお芝居や旅ブロガーとして等様々な活動を通して地元を知ってもらうきっかけを増やしていくことが目標です。「好きなことを仕事にする」ですか、私が聞きたいくらいですが、好きなものは好きと声を大にして叫ぶ!誰もやらないなら私がやるぞ〜!と積極的に行動することなのかなと思います。
-今日はお時間ありがとうございました。今後も江の島を盛り上げていってください。
藤沢氏-はい!ありがとうございました。
江ノ島さんぽちゃんのこだわり
終始楽しそうにインタビューを受けていただき、江ノ島さんぽちゃんの想いがひしひしと伝わってきました。インタビューしてわかったことは、一見ただ趣味の延長でやっていると思ったら大間違いで、しっかりとしたプロモーション戦略を行っていることでした。
1.リアルな接点を大事にしている
SNSなどオンラインの取り組み以外に、写真を現像して持ち歩いたり、さんぽちゃんノートというファンとのリアルな接点を持つようにしている
こうすることでオンラインだけでは伝わらない人情味やさんぽちゃんの思いがダイレクトにファンに届きより深い交流につながります。
2.徹底したさんぽちゃんブランディング
江ノ島さんぽちゃんの衣装は、ただ派手に着飾っているわけではなく、写真のように江の島を表現したファッションになっています。また、愛くるしいさんぽちゃんのイラストはグッズ展開もしやすくあのイラストを見れば江ノ島さんぽちゃんだと一目でわかるよう工夫されています。またネーミングに関しても藤沢さんぽちゃんにしなかったのは、藤沢市内でも認知度の高い「江ノ島」を名字にしつつ、肩書きは「神奈川県“藤沢市”非公認キャラクター」とすることで江の島=藤沢市との認識を深める狙いがあります。Googleのキーワードボリュームを調べて市況を確認することと一緒ですね。
3.非公認を貫くことで公認キャラクターではカバーできない江の島の魅力を発信している
これはスタートアップを創るときと似ていると思いました。大企業ができないことをスタートアップならではのスピード感でサービスを作っていく。江ノ島さんぽちゃんは非公認だからこそ多くのメディアに露出することができ、また他の地域との交流に繋がったのだと思います。フットワーク軽くチャンスが来たら積極的にアクションできるからこそ、知名度がどんどん上がっていったのでしょう。
編集後記
このように、ご当地キャラクターの活動一つとっても日頃のビジネス活動の大きなヒントになるのです。アイデアが行き詰まってしまった方やどうブランディングしていこうかお悩みの方はご参考になったのではないでしょうか。
これから江ノ島コスプレ祭やお芝居の公演、そして萌えキャラグランプリへのエントリーなど益々ご活躍される藤沢愛さん。江の島好きの方や江ノ島さんぽちゃんの活動が気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
コメント
[…] アイデアが行き詰まってしまった方やどうブランディングしていこうかお悩みの方は参考になると思います。江の島の魅力やローカルなお店をPRする藤沢市の非公認キャラクター「江ノ島さんぽちゃん」の生みの親である藤沢愛さんにお伺いしてきました。 https://new.akind.center/201609/enoshimasanpo/ […]
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