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ホーム > EC  > 「デジタル回路」と「アナログ回路」|脳の認識回路で左右されるブランディング

こんにちわ。Aya Wadaです。
 
以前、星のや東京についての記事を書かせていただいたときに、時代の気分について少し触れさせていただきました。今回はこの時代の気分についてもう少し深くお話ししたいと思います。
 
時代の気分とは大衆の脳が作り出していく傾向で、流行や良いと思われる価値観が年月が経つに従って変わっていくという考え方です。これは「男性脳」「女性脳」にも関係し、そしてこの時代の気分は長いサイクルで繰り返されるのではないか、というお話です。

 

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「女性脳」「男性脳」

 

「デジタル回路」と「アナログ回路」

脳細胞で認識を担っているのはニューロンと呼ばれるものです。これには軸索と呼ばれる他のニューロンへとつながるソケットのような部分があります。そしてこの軸索には大脳の皮質を超えることができる長軸索と皮質を超えない短軸索の2種類があることがわかっています。
 
長軸索はアナログ回路を担い、脳全体をふんわりと使う全能型のソケットであり、短軸索は脳の競書を手ってして使う局所脳型に多く見られるとされています。この回路のどちらが優位かによってアナログ型の女性脳、デジタル型の男性脳というようにいい分けています。それぞれの特徴を整理すると、
 

アナログ回路

長軸索を使って脳の離れた場所を結びつけて、複雑な事象を認識する回路です。自然現象からの事象の変化を読み解く、危険察知、獲物の出現を感じ取ったり、顔を認識したり、空気を読んだりする、直感、やインスピレーション、情を作り出すのもこの回路
 

デジタル回路

短軸索を使って近い概念の高速処理を行う回路です。数値計算や論理計算、損得勘定や空間認識など合理的な思考を作り出す回路。
 
ということになります。デジタル回路が優位だと頭が良さそうに見えるわけですね。そしてこのアナログ回路デジタル回路は同時同質には動かない性質があります。アナログ回路が強く動く時とデジタル回路が強く動く時があるのです。その比率は性別や年齢によって変わります。
 
そして、どちらが優位に動くかというのは時代によっても少しずつ変わってきます。一人ひとりの脳の気分が集まって大衆の感性となり、どちらの回路が強く動くかという比率傾向は時代によっても変わってくるのです。

「デジタル回路」「アナログ回路」が作り出す時代の流れとは?

時代が作り出す感性の波、この現象を車で捉えてみましょう。1980年代、デジタル期ピークです。この頃の車は今では考えられないほど直線的。カクカクとした角が気持ちいいと人々が感じていた頃です。
 
しかし時代はゆっくりと流れていきます。2003年に日産から販売されたマーチを覚えていますか?この車は角なんてどこにも感じさせない、丸いデザインが人々に支持されました。年月を経て、大衆の感性はデジタル優位からアナログ優位な時代へと移ったのです。
 
その後の動きを見ていくと、2008年にはカクカクシカジカというコピーが人気となった四角いCONTEが登場しました。でも、まだ1980年代のスカイラインほど直線的ではない、アナログな気分を引きずっている時期です。
 
女性で言えば、ファッションで見ると、1980年代は肩パットがガッツリと入ったデザインが流行りました。ところが少し前に流行った森ガールなど、ふんわりとした可愛いイメージのナチュラル系が流行ったのが少し前。この頃に肩パットの入ったスーツを着ている人なんて皆無でした。時代はアナログピークを迎えたのです。このファッションの傾向は感覚指向が強いので、他の商品よりまだ装飾の時代が続きますが、確実にひらひらからハードの時代へと向かっていきます。

「デジタル回路」「アナログ回路」にみる感性の波

この感性の波は長い年月をかけて繰り返されるものなのです。ファッションやデザインに限らず、考え方や社会の動向まで大衆の感性に支配されているところがあります。
 
建築物を見てみると、現在の通天閣が建てられたのは1956年、東京タワーが建てられたのは1957年。縦へと長い直線的な建物が相次いで建てられました。ところが、1988年には東京ドームや瀬戸大橋はアーチ型のゆったりとしたカーブを描くデザインの建築物が好まれるようになり、そして再び、2012年には縦に長いスカイツリーの工事が完成しました。このように、感性や好み、時代傾向は繰り返されるのです。
 
2016年の今はアナログピークを過ぎ、徐々にまた1980年代の頃のデジタル期へと移りつつある端境期です。ファッションの世界などアナログ的要素が強い商品ではまだ極端にアナログに振れたり、デジタルへと振れたりとする不安定な時期でもありますが、時代の流れはこれからはしばらくの間「引き算の時代」に入っていくでしょう。
 
これからはユーザーのニーズを超えたプロの提示が必要とされる時代がやってきます。時代はわかりやすさと伝統への回帰を好む方向へと進んでいるのです。付加価値志向の比重が重く、主観性が重んじられる時代から、本質価値志向の客観性が求められる時代に入りました。
 
顧客のニーズを掘り起こすのではなく、先回りをした上から目線の提示や機能性が求められるのです。そしてブランドに必要なのは顧客を教育していくような言葉です。たとえそれが屁理屈であったとしても構いません。それを言葉にしてきちんと説明していく能力が必要とされます。
 
これまでが自己愛の時代であるとするならば、これからは自己犠牲の時代。夢や仲間という言葉よりも、使命感や孤高といった言葉がカッコイイ。そんな時代に人々の心に刺さるのは、トップバリューやオーソドックス。そしてマニア垂涎のトップブランド、プロ指向、世界初の技術といった憧れを誘うものに価値を感じるようになります。

終わりに

2016年以降は提供する側は科学技術やデザインの粋を凝らし、憧れの提示をしなくてはならなくなる時代がやってきます。これからは凛々しさの時代。異端であることを恐れるのではなく、誇るべきことなのです。
 
かけがえのない人間になるためには、常に他の人とは違っていなければならない
 
デジタル期を牽引した、ココ シャネルの言葉です。このように時代の流れを長いズパンで見ていくと、大衆感性が作り出す、時代の気分がわかってきます。多少のズレはあるものの、だいたいがこのサイクルを作り出しているのは、人間の脳が持つサイクルが関係しています。これを時代を読むために利用するか、こじつけだと一蹴するかはあなた次第ですが、これからの時代を見ていくことによって自ずと答えは出てくるでしょう。

 

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この記事を書いた人

アパレル企画に20年携わった後、マーケティング、行動心理学等の学びを通して聴くこと、書くこと、伝えることに興味を持ち、2015年よりライターとして活動中。インタビューや取材、プロフィールライティングを主にやらせていただいています。ヨットが趣味です。

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