こんにちは、トイアンナです。前夫の海外転勤をきっかけにフリーランスのマーケターという一風変わったキャリアを開始。これまでベンチャー企業を中心としたマーケティング戦略立案に携わってきました。
そしてこの数年にBtoC(Business to Customer=個人消費者向けのビジネス)分野で起業された方なら、ECを無視できる業種はそうないかと思います。そこで今回は、ECの基礎固めともいえる20個のポイントをご紹介させていただきます。
ECショップを運営している方やこれから開く方は、自分のお店が基本的なコトをできているのか、是非チェックしてみてくださいね。
ECでの売上爆増!20個の基礎固め
さて、私の連載ではスパム記事のようなダラダラした序文は排除して、結論を列挙しましょう。この図にある20個の要素が、「ECの基礎」です。
①ECショップが公開されている
②コーポレートサイトがある
③特定商取引法に関する表記がある
④プライバシーポリシーが掲載されている
⑤ターゲット層に合ったSNSを開設した
⑥SNSでお客様と交流している
⑦どの商品を選ぶべきか一発でわかる配置
⑧他社ではなく自社を選ぶ理由が明確
⑨公式サイトで買う理由づけ
⑩リンク切れがない
⑪クレームを減らす「よくある質問」の設置
⑫自社製品が何をしてくれるか便益が明確
⑬レスポンシブデザイン
⑭商品名で検索するとトップに公式サイトが出る
⑮リアルタイムイベントをSNSで共有している
⑯決済がオンラインで簡潔にできる
⑰7秒以内に表示される
⑱誤字脱字の削減
⑲Amazon/楽天への出店
⑳第三者の口コミがある
一番上の①をご覧いただくと、「 ECショップが公開されている ? そんなの当たり前だろう」と思われるでしょう。けれど20個すべてをご覧いただくと……「これはまだ、できてないな」と引っかかるポイントが出てくるかと思います。
ここからは、各要素が「なぜ必要なのか」をご案内させていただきます。
①ECショップが公開されている
■なぜ売上アップに必要なのか?
オンラインショップが完成していないと、「ECショップ経営者」を名乗ることはできません。コーポレートサイトだけではお問い合わせまでつながってもなかなか購買までいたらないため、オンラインショップは必要です。
■解決策
STORES.jp、BASEなど簡単かつ安価にオンラインショップ機能をつけたウェブサイトを作る仕組みは整っているので、簡素なものでもまずは作りましょう。Amazon/Yahoo!ショッピング/楽天への出店も含めた本格的なECサイトの仕組みを作りたいならネクストエンジンやEC Cubeで管理するのがおススメです。
②コーポレートサイトがある
■なぜ売上アップに必要なのか?
BASEやSTORES.jpなどを利用してECショップを作るのは簡単です。ただ、消費者は「この会社、信頼して大丈夫かな」と購入前に企業情報を調べることがままあります。その際にコーポレートサイトが存在しなかったり、前時代的なサイトだと不信感をあおってしまいます。
■解決策
wixやwordpressなど簡単なシステムもあるので、コーポレートサイトを作りましょう。ただしブログやSNSを公式サイト代わりにしないように注意してください。信頼性を獲得できる「ウェブサイト」としてコーポレートサイトを確立させることが大切です。
③特定商取引法に関する表記がある
④プライバシーポリシーが掲載されている
■なぜ売上アップに必要なのか?
これらが無いと法律違反となり、ショップ閉鎖を余儀なくされるリスクがあるからです。
■解決策
まずは他社の見よう見まねでも構わないので、特定商取引法に関する表記を作ってみましょう。嘘の表記をしないよう注意しましょう。また、法人と個人では書き方が変わるのでそれぞれ調べてみましょう。
⑤ターゲット層に合ったSNSを開設した
⑥SNSでお客様と交流している
■なぜ売上アップに必要なのか?
やみくもにSNSを開設しても自分の商品を好むユーザーがいないところへばかり宣伝してしまい労力がムダとなりがちです。40代ならfacebook、20~30代ならTwitter/Instagram、10代ならLINE@を中心に告知する、などターゲットに応じて使い分けることが重要です。さらに、お客様へ一方的に発信するのではなく、交流することで「ファン」を作ると、より効果的な訴求ができるようになります。
■解決策
無駄なSNSはクローズして、ターゲット層がいるSNSで集中的な施策を考えてみましょう。
⑦どの商品を選ぶべきか一発でわかる配置
⑧他社ではなく自社を選ぶ理由が明確
■なぜ売上アップに必要なのか?
消費者は全部の商品をくまなく閲覧してはくれないからです。だから、「自社は何が売りなのか・どの商品が売りなのか」を一発で見せる必要があります。ずらずら商品が羅列されているだけのECでは、購買されずそのまま他社サイトへ移動されてしまう可能性が高まります。
■解決策
売りとなる商品を1つ決めて「とにかくこれを買って」とコミュニケーションしてみましょう。
⑨公式サイトで買う理由づけ
■なぜ売上アップに必要なのか?
なぜ自社サイトで買ってほしいのかを明確にしなければ、消費者は使い慣れたAmazonや楽天で購買します。利益率を最大化したければ、自社サイトならではの売りを作るべきです。
■解決策
安いだけでは、消費者は自社サイトを選んではくれません。「割引率」以外での売りを考えたり、自社サイトで買う特別感を演出したりしてみましょう。公式サイト限定商品がその例です。
⑩リンク切れがない
■なぜ売上アップに必要なのか
どんな良い商品でも、たどり着けなければ購買してもらえないからです。大手サイトでも「意外とリンク切れがある」ことは覚えておきましょう。
■解決策
「リンク切れチェッカー」で、自社サイトのリンク切れを確認してみましょう。
⑪クレームを減らす「よくある質問」の設置
■なぜ売上アップに必要なのか
消費者はオンライン購買で頻繁に「このサイトが安全か」を確認することがわかっているからです。その際、「よくある質問」が存在するだけでも不安を払しょくし、購買率を上げられることもわかっています。
■解決策
他社を参考にしつつ「よくある質問」を作ってみましょう。適宜更新も必要です。
⑫自社製品が何をしてくれるか便益が明確
■なぜ売上アップに必要なのか
他社との差別化や「自社イチオシはこれ!」だけでは、消費者が買った結果何を得られるか想像できないからです。買った結果を妄想できない商品は購入されません。
■解決策
「これを買ったあとの世界」を想像させる言葉やイラスト、写真を入れてみましょう。機能的なメリットではなく生活がどう変わるかという感情的な変化を語るのがキモです。
⑬レスポンシブデザイン
■なぜ売上アップに必要なのか
スマホが半数以上のアクセスを占めるECショップも増えてきており、PCとスマホの両方で見られなければ、売上が半減するリスクがあるからです。
■解決策
ECサイトの設計時からレスポンシブデザインを想定しておきましょう。
⑭商品名で検索するとトップに公式サイトが出る
■なぜ売上アップに必要なのか
消費者は公式サイトへたどり着くためにGoogleを何ページも開いてはくれないからです。表示されないサイトへは誰もたどり着かず、そして購入もされません。
■解決策
Googleの検索表示でトップにくるようSEM(Search Engine Optimization)をおこないましょう。代表的なSEM例はリスティング広告といって、検索結果のトップに表示されるテキスト広告です。検索結果に自社リンクを表示させることが重要です。
⑮リアルイベントをリアルタイムでSNS共有している
■なぜ売上アップに必要なのか
リアルイベントはSNS経由で訴求することで、リアルイベントへの集客が見込めるからです。実施には手間も費用もかかるリアルイベントなので、せっかくやるからには集客も意識したいですね。
■解決策
リアルイベント、PRチームとWebの担当者が分かれているなら、日頃から連携をとる仕組みを考えておきましょう。なるべく即時投稿ができるようSNSへ投稿する決裁フローを簡単にしておくことも重要です。
⑯決済がオンラインで簡潔にできる
■なぜ売上アップに必要なのか
消費者は決済までのステップが1つ増えるだけで購入をあきらめてしまうことがあるからです。
■解決策
決済システムを自社構築すると高くつきます。ネクストエンジンをはじめとする外注システムを活用して決済システムを手配する方が効率的です。
⑰7秒以内に表示される
■なぜ売上アップに必要なのか
モバイル向けサイトでは「完全に表示されるまでに3秒以上かかるだけで、直帰率(そのページから離れてしまう率)が53%になってしまう」ことをご存じでしょうか。さらに「 表示速度が1秒から7秒に落ちると、直帰率は113%上昇 する」というデータもあります。モバイルに限らず、表示速度は速いほど良いといえるでしょう。(参考:https://www.suzukikenichi.com/blog/speed-matters-for-mobile-sites/)
■解決策
表示速度を上げるため不要な画像や動画を減らしましょう。画像は見た目に影響しない程度、画質を下げるのも効果的です。このサイトは画像を20個までドラッグ&ドロップすると圧縮してくれるため、とても便利。専門家に頼れるなら不要なCSS/Java Scriptのコードを減らしてもらうのも手です。
⑱誤字脱字の削減
■なぜ売上アップに必要なのか
誤字脱字が多いと「そのサイトが公式かつ信頼できる」と思われず、購買率が下がるからです。
■解決策
掲載前にWordへ文言を貼って「自動校正」させるなど 、機械的に校正する仕組みづくりをしましょう。ヒューマンエラーはどうしても発生するため、それを見越した対策が肝要です。
⑲Amazon/楽天への出店
■なぜ売上アップに必要なのか
公式サイトのみでの購買には限りがあります。購買意欲の消費者をいかに自分の店舗に連れてくるか、つまり集客の面で苦戦する店舗が多いのではないでしょうか。
■解決策
すでにネットで購買をするつもりの消費者がいる場所へ出店することで、大幅な売上アップや認知度拡大へつながります。 まだできていないモールへ出店手続きを開始してみましょう。
⑳第三者の口コミがある
■なぜ売上アップに必要なのか
ECショップでの購買は、消費者にとって「ここで買って本当に大丈夫か」と不安を感じやすいものです。その不安を払しょくするためには口コミが有効です。それも、第三者が公平にしたコメントであることが望ましいです。すべての商品が絶賛されすぎていると、かえって怪しいので注意しましょう。
■解決策
口コミを増やすには、「AmazonやGoogle Mapなどへ口コミをしてくれたら抽選で〇名様へXXをプレゼント」などキャンペーンを実施するという手段があります。ただし、口コミの内容をポジティブなものだけに制限すると、規約に触れて出店禁止となるモールも多いため注意しましょう。また、景品やクーポンを渡す企画をする際は、景品表示法に抵触しないように注意しましょう。
まとめ
以上、ECショップを開設するなら最低限押さえておきたい、それでいながら多くのECサイトが見落としがちな20個のポイントをご紹介しました。冒頭のリストを印刷して、終わったら項目にチェックマークをつけるなどしてご活用ください。
次回はトップページのレイアウトについて詳しく説明します。お楽しみに。