【解説】OMOとは?O2Oとの違いやメリット・デメリット、導入事例について分かりやすく解説します!

ECトレンド

最近、OMOという言葉を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?

筆者もつい先日、オンライン勉強会にて初めてOMOという言葉を知り、また新しい概念が登場したのだなと思ったところです。

そこで今回は、OMOってなに?オムニチャネルやO2Oとの違いとは?という人向けに、OMOという新しい概念について分かりやすく解説しています。

OMOの定義とは?

まず始めにOMOとは、Online Mergers with Offlineを略したものです。

Mergers(マージ)とは「併合する、溶け合わせる」という意味の単語で、OMOとは「オンラインとオフラインの融合」という意味を表しています。

2021年最新の論文によると、

Online と Offline の連携を進め て両者の境目をなくし、より良い UX(ユーザー体験)を提供する。そのため、データを起点として適切なチャネルを適切なタイミングで使うこと

2021(安岡)『AI および 5G 時代のデジタルビジネスの戦略と組織の研究』

と定義されています。

重要なポイントは、オンラインやオフラインという垣根を超えて、より良いユーザー体験を提供するためにデータを活用するという点です。

それらを踏まえた上で、OMOについて分かりやすく図解に表してみました。

↑OMOの図解

図の通り、オンライン、オフライン関係なく、ユーザーの行動全てをデータとして分析し、その分析結果をもとにユーザー体験を最大化できるようなキャンペーンなどを実施する。

そういった、よりシームレスなマーケティング施策による顧客体験向上を目指しているのがOMOという概念です。

オムニチャネルやO2Oとの違いは?

OMOに似た用語として、オムニチャネルO2Oというものがあります。

ここでは、OMOと類似する用語とその違いについて解説していきます。

オムニチャネルとは?

オムニチャネルとは、シングルチャネル、マルチチャネル、クロスチャネルといったチャネル理論の推移において、近年よく使われている概念です。

オムニチャネルの遷移図解

①シングルチャネル

ユーザーとの接点が1つのチャネルに限られている。

②マルチチャネル

ユーザーに応じて、異なるチャネルでの接点を持っている。

基本的に、一人のユーザーに対して、一つのチャネルで接している。

(例:電話対応のみやメールのみといったユーザーが存在している)

③クロスチャンネル

一人にユーザーに対して、複数のチャネルで接点を持っている。

各チャネルに対して個別の管理となっている。

(例:広告やSNS、メルマガといった複数のチャネルで対応している)

④オムニチャネル

クロスチャネルに加えて、複数チャネルをシームレスに連携している。

チャネル理論における最新の考え方。

(例:メルマガを開封してくれた人に対し、架電をする)

オムニチャネルとOMOの違い

上記を読んで、「あれ?オムニチャネルとOMOって同じじゃない?」と思う方もいるでしょう。しかし、オムニチャネルでは、あくまでどのようにしてユーザーと接点を持つかということに重きを置いています。

それに対して、OMOはユーザーとの接点を持った上で、どのようにユーザー体験を最大化できるのかを重視するため、オムニチャネルとは着眼点が異なります。

OMOはオムニチャネルの考え方をベースに、より優れたユーザー体験を目指す、新しいマーケティングの概念と言えるでしょう。

O2Oとは?

もう一つ、OMOと似た用語があります。O2Oというものです。

O2Oとは、Online to Offline(オンライン トゥー オフライン)の略語ですを略したものです。

これは、オンライン(WebサイトやSNS、アプリ)を通して、オフライン(主に店舗)へ誘導するマーケティング手法のことです。

例えば、ユニクロなどオンラインで購入できるアパレルブランドで、実店舗限定で使えるクーポンが送られてきた経験はないでしょうか?

これはまさしく、実店舗へユーザーを誘導するO2Oの事例です。

O2OとOMOの違いは?

では、O2OとOMOはどういった違いがあるのでしょうか?

基本的に、O2Oはオンラインからオフラインへ顧客を誘導することで、実店舗での購買を促すという目的があります。一方で、OMOは何度も言っているように、ユーザー体験というものに焦点を当てているという点において異なります。

ただ、ユーザー体験を最大化させるために、実店舗へ誘導するという場合もあります。

そのため、O2OとOMOは全く異なるものという訳ではなく、OMOはO2Oの概念も含んだ新しい概念と言えるでしょう。

OMOの導入事例

これまで、OMOやそれと似た概念について説明してきました。

では実際にどのような導入事例があるのか、ここでまとめてみました。

BEAMS(ビームス)の事例

ビームスは輸入品やオリジナルの衣料品、雑貨を販売するセレクトショップで、国内外で約160店舗を展開している日本の企業です。

ビームスが本格的にOMOを実践し始めたのは、2016年辺りからです。

特に、公式スマートフォンアプリ「WeBEAMS」をリリースしたことで、オンライン、オフライン問わずにアプリである程度のことが完結できるようになりました。

今では当たり前になりつつあるのですが、アプリ上での会員証の表示や、イベントや商品情報の配信といった取り組みをアプリで一貫して実施していました。

アプリ上でただ情報を配信するだけでなく、来店時にアプリでチェックインすると「バッジ」が貯まり限定ノベルティと交換できる仕組みなど、ビームスでの買い物を楽しくする工夫がされていました。

まさに、ユーザー体験の最大化を目的としたOMOの事例ではないでしょうか。

参考:ビームスプレスリリ-ス2016

Amazon GOの事例

Amazon GOは2018年1月にアメリカのシアトルに1号店を開業しました。

一番の特徴はなんと言っても、店内で支払いをしなくてよい無人レジのシステムです。

買い物客の大きなストレスであるレジの行列を、そもそもレジをなくすという逆転の発想で解決しようと試みた画期的なシステムです。支払いやそれに使う時間がなくなることで、顧客はより気軽に楽しい買い物の体験ができる点は、まさにOMOの事例と言えるでしょう。

また、Amazon GOでは店内に人の動きをトラッキングできるセンサーを設置し、買い物中の行動や購入された商品のデータを取得し分析することで、さらなるユーザー体験の最大化を目指しています。

まとめ

ここまで解説してきた通り、OMOとは「オンライン、オフライン関係なく、ユーザーの行動全てをデータとして分析し、ユーザー体験の最大化を目的としたマーケティング手法」です。

しかし、こういった言葉の定義自体は大して重要なポイントではなく、また、全ての企業がOMOを取り入れなければならないという訳ではありません。

重要なのはチャネル(ECやSNSあるいは実店舗なのか)に関係なく、より良いユーザー体験を提供するという点が今後のマーケティングのトレンドになっていくということです。手法にばかり目を向け、結果的にユーザー体験を毀損してしまえば、それは本末転倒と言えるでしょう。

今後、事業を行っていく上では、「ユーザー体験をより良いものにするには?」といった視点で忘れずにチャレンジしていきましょう。

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