NPSとは・・・。
N(ネット)P(プロモーター)S(スコア)の略で、顧客のロイヤルティを測るための指標に使われています。今回は顧客の気持ちを知りたいセンター長が、その道の暗黒面「ヤスユキ」にNPSの計り方について話を聞きました。
某社男子トイレ横階段
センター長- 売上が上がらない。顧客の気持ちがわからない・・・もう、どうしたら・・・
センター長- あぁ!!
「ふふっ」
センター長-!?
ヤスユキ
・・・ふふっ。顧客の気持ちがわからないだって?
センター長
え?(なんでわかったの?)
ヤスユキ
難しく考える必要はないさ。
顧客が商品・サービスに対してどの程度好意を持っているか、を数値化する「NPS」という計測方法があるのさ。ふふっ。
顧客が商品・サービスに対してどの程度好意を持っているか、を数値化する「NPS」という計測方法があるのさ。ふふっ。
ヤスユキ- 「・・・N」
ヤスユキ- 「・・・P」
ヤスユキ- 「・・・S」
センター長
え、NPS・・・
NPSの概要を教えてあげよう
センター長
なんですか?NPSって?
ヤスユキ
NPSはネットプロモータースコア、つまり顧客ロイヤルティを計るための数値だ。
NPSの調査方法は割と単純で、「商品やサービスを友人や家族にどの程度、勧めたいと思いますか?0点~10点で点数をつけてください」なんていう設問アンケートが一般的だ。
君も一度はこんな質問に答えたことがあるんじゃないか?
センター長
そういえば・・・。
ヤスユキ
NPSを計測するにはまず、前述の質問から得た回答のうち、0~6点をつけた人を「批判者」、7~8点を人を「中立者」、9~10点をつけた人を「推奨者」と分類する。
ヤスユキ
そのうえで「推奨者」の割合から「批判者」の割合を差し引いた数値が、そのままNPSとなる。たとえば「批判者」15%、「中立者」25%、「推奨者」60%だとすると、NPSは“45%”という結果になるのさ。
センター長
中立者は数に含めないんですね。
ヤスユキ
似たような調査で顧客満足度調査っていうのがあるだろ?「どれくらい満足していますか?」といった設問が含まれているアンケートだ。
「いかに商品、サービスに満足してもらうか」という視点で、企業は日々努力している。それに加えて、「既存顧客のリピート率」や「新規顧客獲得」なんかを視野に入れて計測するのが顧客満足度調査だ。
これがNPSだ。
センター長
「既存顧客のリピート率」や「新規顧客獲得」を向上させるためには、NPSと顧客満足度調査、どちらを実施すればいいんですか?
ヤスユキ
ふふっ。答えは「ワシ的には両方」。
両者に強い相関はないが、逆にそれぞれに特性があるので、両方のデータを見て、分析したいってところだ。
ヤスユキ
NPSと顧客満足度調査の違いについて教えてやる。
根本的には算出されたデータ(数値)をもとに企業活動に生かす、という点では同じだ。ただし、顧客満足度調査(以下CS)は短期的な満足度を測るのに対し、NPSは長期的な満足度を測れるもの、という意味合いが強い。
ヤスユキ
CSは直近のエクスペリエンスに基づいた回答を得る可能性が高い。たとえば、「満足」と回答していたとしても、それは直近のとあるやりとりの印象から回答している可能性が高く、それがイコール、「他者に勧める意向がある」「他のサービスも購入する可能性がある」ということには繋がらない。
ヤスユキ
一方、NPSについては批判・推奨要素を定量的に算出ができて、それらの根本としては一定の期間が回答に影響を及ぼします。あくまでCSとNPSは互いに補完しあうもの、という認識は間違いなく持っていたほうがいい。
NPS調査のやり方
センター長
でもNPSを出すためのデータはどう集計すればいいんですか?
ヤスユキ
まずはアンケートを取ると言うところだな。商材やサービスにもよるが、メールやお知らせでアンケートを募集をするのだ。
ヤスユキ
ワシが行った事例でいうと今年の3~4月にかけて、ある企業のサービスの顧客満足度調査を実施した。
前述のとおり、NPSについても知りたかったので、「このサービスを同業者に勧めたいですか?」という設問も盛り込んだり、
他には「総合的な満足度」や「機能や操作性」「サポート体制」に関して、「継続利用意向」なんかも盛り込んでみた。
ヤスユキ
どんな数値がはじき出されるのか楽しみな一方、思いもよらない意見をもらったらどうしよう、なんて思いも密かにあったんだ。
センター長
ドッキドキですね。
ヤスユキ
調査は1ヶ月間ほどの回答期間を設けて実施した。
回答対象者としては、すでにサービスの契約をしている企業すべてを対象とし、インターネット上で回答できるように回答フォームも内製した。
ヤスユキ
結果、500を超える企業(ご契約者の約25%)から回答をもらった。
幸いにも、全体的に満足いただいているといった回答を多くいただいた反面、機能面やサービス面で今後の課題も見出すことができたので、とても有意義なものだった。
センター長
設問数ってどれくらいが理想ですか?
ヤスユキ
NPS調査で最適な設問数は、「顧客属性(性別や年齢、購入回数など)」「推奨度合い(批判・中立・推奨を判別するもの)」これらを網羅していれば、数値の算出は可能だ。ただ、これらに加えて追加してもらいたいのが、定性的分析を行うための設問。いわゆる、自由記述回答項目だ。推奨度合いを受けて、「なぜそう思いますか?」といった設問だ。
ヤスユキ
NPSは効果的な数値だが、絶対唯一の指標ではないため、それを補完するものとして定性的なデータもほしいところだ。そのためには、可能な限り回答者の「生の声」はほしい。特に「非常にいい/悪い体験をした人」は自ずと回答率はあがり、自由記述についても記載してくれることが多いんだ。これらの「生の声」を分析し、強みや弱みを見出すことも必要ということになる。
分析必須。NPSはあくまで数値だぜ
センター長
アンケートに答えてもらってNPSが計れたら、次はどうすれば?
ヤスユキ
集計したアンケートの分析方法・考え方だが、分析に関しては、単純な集計をまず行い、総体的な数値の把握を行った。
その次に、NPSの数値を算出して、満足度との違いにも目をつけた。
ヤスユキ
そのあとに、クロス集計をして、ポートフォリオ分析なんかも実施した。その分析から、「サービスを提供する側として、最優先すべき項目はなんなのか?」というのを、はっきりと認識することができたのは、本当に大きかった。
ヤスユキ
サポート部門、営業部門、開発部門それぞれが自分たちの畑の感覚だけではなく、実際の利用者の声から導き出された確固たる結果なので、受け入れざるを得ない。
顧客満足度調査だけで終わらせず、ちゃんとNPSを多角的に分析する事が重要。
センター長
他にもわかることってあるんですか?
ヤスユキ
ふふっ。あとは回答者の属性別だったり、利用期間による満足度との相関関係なんかも詳しく分析できる。
「あ~長く使えば使うほど満足度は上がってるな」とか「処理している件数が多いほど効果が出ているから、これは営業ネタに使えるぞ!」とかも気づける。
ヤスユキ
当たり前だが、仕事をするにあたって“気づき”って本当に大事だ。
直感的に気づくことができるシチュエーションは往々にしてあるとは思うが、それは自らが動かないと偶発的になってしまったりする懸念点がある。
ヤスユキ
たくさんの人に利用してもらっているサービス・商材だからこそ、待っていてはダメだ、と思って、自ら“気づき”を掴みにいけるシチュエーションを作り出すことが出来るのがNPSであり顧客満足度調査なのだ。
センター長
なるほど・・・ちなみにNPSが向いている、向いてない商材、サービスってありますか?
ヤスユキ
まぁ、モノやサービスを提供する企業であれば、どんな企業でも活用できる。
車や家といった、一生のうちで決して何度も何度も購入するわけではないモノを販売していても、何かしらのヒントは隠されているはずだ。
ヤスユキ
ただ、「勧めたいですか?」と1つの質問だけでは、改善に役立つ「何か」を導き出すのは難しい。様々な側面からの質問も同時に行う必要がある。
ヤスユキ
顧客がいないビジネスはない。だからどの商材・サービスにも適用できる。まずは自分でやってみることが大事だ。
センター長
は、はい。
ヤスユキ- じゃあの。
「ふふっ」
早速、NPS調査に取り掛かるためPCの前に向かった。
数日後・・・
結果が出た。
センター長- ふふっ。
ヤスユキ
NPSの計測を自社でやる余裕がない!という読者諸君、下記のような企業が代わりに実施してくれるぞ。
参考にしてほしい。
・生命保険業界(by NTTコムリサーチ)
http://research.nttcoms.com/database/data/002026/
・業界別NPS調査(by アイ・エム・ジェイ)
https://www.imjp.co.jp/lab/report/2015/0730/
・スマートフォンコンテンツのNPS調査(by ビデオリサーチインタラクティブ)
https://www.videoi.co.jp/release/20160518.html
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