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ホーム > EC  > 未来食堂に学ぶ『Pay what You want』という考え方

公式サイト:未来食堂
 
こんにちは!ニアセクリエイターズ古田島です。
 
今日は日頃、生活しているあなたの身の回りをちょっとだけ見直してみる必要があるくらい新しい通貨に関するお話ができたらと思います。
 

任意料金制「Pay what You want」とは?

Pay What you Wantとは、
客側に価格設定を自由に任せる「お客さまが払いたいと思った分だけ払ってください」という価格付けのことです。
 
 
資本主義社会が始まったのは、明治維新から数えるとおおよそ150年間続いており、貨幣という通貨で、物を売り買いしたり現在ではサービスの恩恵を受けたりしています。
 
 
いわゆるこれが、資本主義の考え方になり、通貨が指標として様々な尺度を表します。通貨をより多く持っている人が富めるものとなっており、資本=通貨すなわち巨大な資本を持つ国家、人ほど権力を持つ傾向があると思います。
 
 
一方で、等価交換というモノとモノの交換や、お金と情報の交換など必ずしも通貨同士の等価交換でない場合もあります。昔の生きる術として、物々交換をしてお互いの食料を交換し合っていたことが、のちの等価交換という概念を生むきっかけとなります。
 
 
しかしここにきて新たな任意料金制「Pay what You want」という考え方がでてきました。
 
 
というのも、欧米諸国ではこの考え自体、チップに近いものでもあるので、躊躇なく受け入れられているのですが、まだまだ日本では懐疑的な部分が多くあまり浸透していない状況ではあります。
 
 
昨今、モノの価格がネットを通して瞬時に把握でき、いかに安くお得にものを手にいれるかという考えが多い中、このPay what You wantが今後の消費マーケティングの領域にどのような影響を与えるのか考察していきましょう。

未来食堂に学ぶPay what You want

この新しい貨幣に対する考え方は、ある種、究極のブランディングになりうると思います。
 
 
立ち上げ間もないサービスや企業が取り組むべきものではなく、Pay what You wantによって、さらにブランドイメージを高めるといった効果が期待できると思います。まだ認知度がないのにPay what You wantを取り入れるのは、日本では非常に勇気がいることでしょう。
 
 
現在の日本のあらゆる業界のお店を見回しても、ほとんど販売者の意図した価格(原価に利益を乗せた)で販売されています。
 
 
これがショッピングモールや百貨店の店舗などのお店になると、テナントへのロイヤルティ分も上乗せしなくてはならないので、Pay what You wantを取り入れてしまうと、思うように利益が上がってきません。
 
 
では日本の中でPay what You wantをうまく取り入れた実例はないのでしょうか?
 
 
主にマーケティングの実験事例として、ラーメンの価格や野球観戦のチケット、もしくは一回限りの不定期のイベントとしてPay what You want制を取り入れたレストランをオープンする場合が多いようです。
 
 
もちろん例外もあり、ご存知かもしれませんが多くのメディアが取り上げられ注目を集めた神保町の未来食堂はPay what You wantからインスパイアされ、面白い制度を取り入れて認知度を爆発的にあげた好例です。
 
 
しかも日本の市場にあった形で、上手にPay what You wantの考え方を取り入れているのです。
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公式サイト:未来食堂(本当のまかない)
 
それが「まかない」制度で、50分お店の皿洗いや食器洗い、片付けなどを手伝ってくれた人には、一食分に相当するただめし券をもらうことができます。ここまではモノと時間の等価交換とも見ることができますが、この「ただめし券」を他の誰かに譲ることもできるのです。
 
 
これを最近よくテクノロジー業界の先進企業が取り入れている「How might we〜?」というデザインシンキングのフレームワークに基づいて考えてみましょう。
 
 
この「How might we〜?」とは「どうやったら実現できるか」という意味合いを持っています。
 
 
未来食堂の経営を仮に考えるとすると、Pay what You wantは非常に面白い取り組みで、お客さんが興味を持ってくれるかもしれない。
 
 
けれども開業時からその考えを用いたメニュー展開をしてしまうと肝心の利益が生まれるかは未知数だ。それでは「How might we〜?」、どうしたら未来食堂の利益を確保でき、かつPay what You wantの考えを取り入れるかを考えていくわけです。
 
 
次に実際にブレスト(ブレインストーミング)していき、何個もアイデア出しをしていき、ディスカッションしていきます。
 
 
そして、飲食業界の当たり前である「まかない」について、もっと違う視点で捉えると良いのではないかという仮説を立て、従業員だけではなくお客さんにまかないを味わってもらうにはどうしたらいいかを考えます。
 
 
ただ飯というわけではいかないので店の中で働いてもらう。しかし、店の広さは限られているので、雇ってしまうとより多くの人にまかないは食べてもらえない、ではどうしたらいいか。
 
 
雇用契約を結ぶのではなく、スポットで空いている時間に、挙手制でお店の掃除や配膳を手伝ってもらい、その見返りとしてまかないを食べてもらうのはどうだろう。

さいごに

このように、常に「実現するためにはどうすればよいだろう」というデザインシンキングを進めていくことで、クリエイティブな発想が生まれるというわけです。
 
 
実際の未来食堂のシステムとしては通常の定食屋みたいに多くのメニューがあるわけではなく、1品のみでそれ以外はすべて「あつらえ」として今日ある材料の中から選んで、自分の好きな一品メニューを作ってもらうことができます。
 
 
Pay What you Wantの考えを応用しているのが、経済的に苦しい方も未来食堂の美味しいご飯を味わってほしいという思いのほか、誰かのために贈与・奉仕の精神を持って恩送り(pay it forword)をする連鎖を作るシステムをデザインシンキングを用いて考え出し、見事に実践させているのです。

 
 

 
 

この記事を書いた人

ニアセクリエイターズ所属のライター/エディター 週末に東京タワーで行われる、朝活イベント「モーニング女子会」を主宰(http://www.cinderella-tokyo.com/) 執筆は世の中のトレンドやオモシロいことを、様々なカテゴリーからピックアップして参ります。

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