『Amazon 出品』Amazonに出品するメリット・デメリット【出品準備】

ECノウハウ

今回は、Amazonに出品する際の攻略法について、全3回に分けてお送りします。
 
最初の第1回目は【出品準備編】として、出品前にAmazonに関して最低限知っておくべきことを重点的に解説します。Amazonへの出店を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

Amazonの特徴

Amazonは言わずと知れた、世界で最も有名なECサイトです。インターネットの黎明期より書籍を中心とした通販サービスを開始し、以来、数々の革新的な試みを成功させ、ネットショップ業界を牽引してきました。日本国内のネット通販全体に占める流通総額シェアも、楽天に次いで第2位の規模を誇ります。
 
Amazonの特徴的なサービスに「Amazonプライム」という会員サービスがあります。Amazonプライムに加入すると、「お急ぎ便」という配送サービスが無料で使えたり、「プライム・ビデオ」という、動画を無料で視聴できるサービスが受けられたり、対象の電子書籍を月に1冊無料でダウンロードできたりします。
 
年会費3,900円でこれらのサービスが受けられるため、頻繁にAmazonを利用するユーザーには十分元が取れてしまう破格のサービスと言えます。日本のプライム会員数はこれからもまだまだ増加すると見られており、Amazonの勢いはしばらく続きそうです。

Amazonに出品するメリット

では、Amazonに出品するメリットを詳しく見ていきましょう。
 

出品の手軽さ

Amazonは、楽天やYahoo!ショッピングとは比較にならないほどカンタンに出品できます。それはAmazonが優れているということではなく、楽天やYahoo!ショッピングとは、店舗の形態そのものが異なることによります。楽天等は「店舗を出店する」というイメージですが、対してAmazonは「店舗」という概念は薄く、「商品を出品する」というイメージです。
 
楽天等ではまず、店舗のWebサイトを作る必要があります。でもAmazonは、出品者アカウントを作るだけで、商品1つからでも、すぐにAmazonに出品できてしまいます。Amazonはオークションサイトではありませんが、出品の形態はオークションサイトに近いと言えます。とても手軽に出品できてしまうので、個人の方や、副業でネット通販をやりたい人にも最適です。もっとも、法人として本格的にAmazonに取り組んでいる会社もたくさんあります。
 

初期費用や固定費が安い

Amazonに出品するには、まずセラー(出品者)登録をします。出品プランは「大口出品サービス」と「小口出品サービス」の2通りがあります。固定費は「大口出品サービス」の場合、月間登録料が4,900円かかりますが、「小口出品サービス」は無料です。
 
大手ショッピングモールの3社(楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon)で固定費を比較すると、楽天は月額19,500円〜100,000円、Yahoo!ショッピングは無料なので、楽天とYahoo!ショッピングの間くらいの料金設定になっています。
 

FBAを利用できる

Amazonの特徴的なシステムに、FBA(フルフィルメント by Amazon)というものがあります。FBAというのは、在庫管理や、商品の梱包・発送といった作業を、Amazonが全てやってくれるという、夢のような仕組みです。当然、いくらかの手数料はAmazonに支払わなければなりませんが、自宅に大量の在庫を抱える必要がなく、面倒な梱包や発送も丸投げできるというのは、店舗運営者としてはものすごく大きなメリットです。
 
またFBAを利用すると「商品が売れやすくなる」というメリットもあり、この点からしてもFBAは、Amazonを攻略する上でとても重要なポイントになります。

Amazon出品のデメリット

 

最強の競合相手はAmazon

他のショッピングモールには無い特徴として、Amazonでは、Amazon自身も商品を販売しているという点です。Amazonは非常に価格競争力があり、対抗してもなかなか勝ち目はありません。
 
しかもAmazonには「カートボックス」という概念があり、1つの商品に対して1店舗だけが「カートに入れる」ボタンから商品を販売できる権利を獲得できる仕組みになっています。この「カートボックス」の権利を獲得できると、圧倒的優位に販売ができるのですが、Amazon自身が出品している商品の場合、この「カートボックス」の権利をAmazon自身が有していることが普通です。Amazon自身も商品を売りたいのですから当然です。
 
「それじゃあAmazonに出品してもどうしようもないじゃないか」と思われるかもしれませんが、Amazonと張り合わずにうまくやっていく方法もあります。これらについても次回以降に詳しく解説したいと思います。
 

リピーターを獲得しにくい

先述の通り、楽天やYahoo!ショッピングと違って、Amazonは「店舗」という概念が薄いです。ユーザーも「Amazonで買い物をしている」という認識があるだけで、どの出品者から購入しているかということは、ほとんど認識していないでしょう。
 
一応、Amazonにも出品者ごとにストアページが用意されてはいますが、単にその出品者が出品している商品が羅列されるだけのページなので、わざわざそのページに行って購入する人はほとんどいないかと思います。
 
ユーザーから「店舗」と認識されにくく、「店舗」としても独自のカラーも打ち出しにくいAmazonは、通常のECサイトのようなリピーター獲得のセオリーが通用しません。ただし、それはリピーターがいないということではもちろんありません。Amazonユーザーのほとんど全員が「Amazonのリピーター」である、というだけです。Amazonである商品を気に入ったユーザーは、またAmazonでその商品を買います。このときに重要なポイントは、その商品ページにおいて、先述の「カートボックス」の権利を獲得しているか否かということのみです。
 
言い換えると、リピーター獲得はAmazonがやってくれるので、出品者たちは「カートボックス」獲得に全力を挙げる必要があるということになります。このように独自の攻め口が必要なので、「自分だけのオリジナリティ溢れるショップを作りたい!」と考えている方には、Amazonは不向きかもしれません。
 

ロイヤリティが若干高い

Amazonは、商品が売れるたびにAmazon側に支払うロイヤリティ(上納金)が若干高いです。まず販売手数料として、売値の8%〜15%がかかります。
次に、本やCDやDVDなどの特定のカテゴリに該当する場合、1商品につき60円〜140円のカテゴリ成約料がかかります。また「小口出品サービス」の場合はさらに、基本成約料として1商品につき100円かかります。これらのロイヤリティをあらかじめ計算して価格設定をしないと、思った以上に薄利、あるいは赤字なんてこともあり得るので注意が必要です。
 
一方、楽天の場合は、出店プランにもよりますが、おおむね2%〜7%ということで、Amazonよりも安いです。ただ楽天は、決済手数料やその他サービス利用料なども入れると、結局8%~13%くらいになるので、あまり変わらないと言えるかもしれません。

「Amazon出品」手続きの流れ

Amazonは、楽天やYahoo!ショッピングとは違い「出店審査」のようなものはありません。なのでアカウント登録さえ済ませてしまえば、即日商品を販売できるようになります。
 
まず「Amazon出品サービス」というページにアクセスし、「大口出品サービス」か「小口出品サービス」かを選択します。そして、お店の名前や、販売者情報(氏名、住所、電話番号等)、クレジットカード情報を入力すれば登録完了です。あとはどんどん商品を登録していきましょう。楽天やYahoo!ショッピングのようにショップページを作る必要もないので、驚くほどカンタンに販売を開始する事ができます。

最後に

今回は準備編ということで、Amazonの特徴を解説させてさせていただきました。Amazonは他モールと異なり、「出店」というよりは「出品」という認識のほうが近く、出品までの道のりは他モールよりも手軽、ということがわかりました。次回は、実際にAmazonに出店した後の運営方法等について書きたいと思います。

 
 

2014年に東京から静岡県三島市に移住してきました。現在は自宅でネットショップ運営の傍ら、記事の執筆をしています。

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コメント

  1. […] こんにちは、satoshiです。   今回は、Amazon出店攻略法のシリーズ第2回目です。 第1回目は【準備編】として、出品前にAmazonに関して最低限知っておくべきことを解説しました。今回は【店舗運営編】ということで、実際の店舗運営方法ついて解説したいと思います。   […]

  2. […] こんにちは、satoshiです。   Amazon出店攻略法のシリーズ第3回目(最終回)です。 第1回目は【準備編】、第2回目は【店舗運営編】をお送りました。今回は【応用編】ということで、より踏み込んで、SEOやAmazonで成功するための方法等について触れていきます。   […]

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