「ネットショップを立ち上げたものの、お客様が来てくれない」というのは、ショップオーナーの方からよく聞かれる言葉です。「集客」はほとんどのショップが頭を悩ませている問題です。集客力をアップするにはどうすればよいのでしょうか。
集客が少ないときに見直すべきポイントとは?
ネットショップに限らず、リアルな店舗においても、物販の基本となるのが「集客」です。どんなに良い商品でも、お客様の目に留まらなければ、決して売れることはありません。逆に、商品それ自体の価値はそれほど高くなくても、緻密にマーケティング戦略を練って集客に成功した商品が大ヒットを飛ばした、という事例はたくさんあります。
集客が少ないということは、競合他社のネットショップにお客様が流れているということです。買いたいお客様はたくさんいるのです。お客様を自分のネットショップに呼び込むには、まずお客様の目に触れ、知ってもらうことが第一です。ネット上に数多く存在するライバルショップの中でいかに露出を増やし、差別化を図って目立つことができるかという視点で、集客に取り組んでいきましょう。
集客力アップのための5つの方法
集客する方法はたくさんありますが、ここでは実施が比較的容易で、かつ効果の高い方法を5つご紹介します。
1.リスティング広告を出す
リスティング広告とは、検索エンジンでキーワード検索した時に、その検索結果に応じて、画面の右側などに表示される広告の事で、検索連動型広告とも呼ばれます。キーワード単位で広告を出せるので、そのキーワードに関心のあるユーザーをダイレクトに獲得できる強力な広告形態です。
代表的な媒体は「Yahoo!プロモーション広告」と「Google AdWords(アドワーズ)」の2つです。広告費用はクリック数×クリック単価で決まります。クリック単価はCPCとも呼ばれ、オークション(入札)形式でCPCが決まります。よって人気の高いビッグキーワードほど高値になりますが、平均すると約30円程度と言われています。
今現在、運営代行を依頼している方は、現在予算と運営代行業者がそこから得るフィーを確認してみてください。問題なのは、代行業者にお願いしており、かつ一ヶ月のリスティング予算を5万円など、少額に設定している場合です。小さく始めるのは鉄則ですが、この規模ならご自身で運用することをおすすめします。というのも、一般的には20%ほどをフィーとしますが、5万円の20%だと1万円程度しか代行業者の売上になりません。この売上だと運営業者のシステムまかせの片手間運営しか期待できないかと思います。もしくは、運用費固定報酬型の代行業者もありますので、そちらも検討してみてください。
業者選定についての詳細はこちらの記事もチェックしてみてください。
2.SEO(検索エンジン最適化)施策を見直してみる
リスティング広告を実施していると、「自然検索では流入していない(少ない)が、購入が発生するキーワード」というのが見つかることがあります。
ここについては、重点的に対策を行い、自然検索で集客できるようにしてみましょう。そうすると、広告費をかけずとも集客を実現することができます。
SEOについて、何らかの外注をされている場合、このあたりは月次のレポーティングなどで重点的に対策されることが一般的ですが、前述の予算の問題もあり、業者側で問題を発見できるほど時間をかけられていないケースも散見されます。このような場合には、自分たちでポイントを発見して、施策依頼を行っていきましょう。
SEOについては、次の記事も参考にすると良いかと思います。
3.SNSを利用する
FacebookやTwitterといったSNSは、情報の発信、ブランドイメージの構築、お客様との双方向コミュニケーションと、集客に有効な手段が数多くとれる強力なツールです。費用もかからないので積極的に活用すべきでしょう。代表的なSNSと利用者数(2014年時点)は以下のとおりです。
・LINE 約5,200万人
・Facebook 約2,400万人
・Twitter 約1,980万人
※参照LINE 2014年10月 – 2015年3月媒体資料
※参照http://gaiax-socialmedialab.jp/socialmedia/368
これら3つのSNSは、それぞれに特徴があり、利用者の年齢層も異なるため、3つとも押さえておいたほうが良いと思います。
また最近ユーザー数を増やしているのがInstagram(インスタグラム)です。2015年9月に利用者が世界で4億人を突破し、Twitterを抜いたことで話題になりました。日本では約810万人ということで、まだTwitterの半分以下ですが、これからさらに利用者が増えるでしょう。
SNSについては、「友達の友達」にアプローチすることが活用の神髄ではないかと思います。そのため宣伝・広告の「ニオイ」がしない「参加したくなる」コンテンツ作りがポイントになるでしょう。最初のフックは「集客(新規顧客獲得)」よりも「追客(リピート促進)」に近いかもしれませんが、施策がハマれば、大きく新規を獲得可能です。
「参加したくなる」SNS企画の参考に、scopeさんの記事をどうぞ。
4.バナー広告
アクセス数の多いウェブサイト上にバナー広告を貼り付けるのも、古くから行われているインターネット広告の代表格です。顧客のセグメント化がしっかりできていて、掲載するサイトの利用者層と合致すれば、高い効果を出すことができます。
バナーの大きさは業界団体IABによって定められており、最も一般的なのは、468 x 60 ピクセルの「フルバナー」と呼ばれる大きさです。
バナーは画像編集ソフトで作ってもいいですし、バナー作成専用ソフトなどを使ってもよいでしょう。または見栄えの良いバナーを自作するのが難しいようなら、業者に依頼するのも手です。安いところでは1,000円程度で制作してくれる会社もあります。大量に作成するなら、Lancersなどのような、クラウドソーシングサービスを使うのも手かと思います。
掲載先の獲得にはいくつか手段があります。
- 個別に交渉を行う
- Google / Yahooなどのディスプレイ広告を利用する
- その他代理店を利用する
個別に交渉するのは言わずもがなです。好相性の媒体があり、関係性を構築できるならそれにこしたことはありません。また、前述のリスティング広告には、バナー広告を出稿することのできる機能もあるので、そちらを利用するのも手でしょう。最後のその他代理店では、たとえば「自治体バナー広告SEO」など、出稿先と内容の組み合わせで、別な付加価値としていることもあります。
目的に沿った選択をすると良いでしょう。
5.折り込みチラシ
集客はなにもネット上でやるものとは限りません。従来のアナログな手法でも思わぬ効果を発揮することがあります。その一例が新聞などの折り込みチラシです。それなりのコストはかかりますが、新規顧客を一気に集めたいオープンの時などにはとても有効な手段です。
ただし折り込みチラシが真価を発揮するのは、エリアを絞って広告を打ちたいときです。ですからお客様の住所はどこでも関係ないという商品では、費用対効果は低くなります。逆に、リアル店舗も構えているお店であれば費用対効果の高い広告といえます。
費用は、B4チラシを1万部配布するとして、印刷料が5万円〜6万円、配布料が3万円〜4万円程度かかります。オムニチャネルやOtoO(Online to Offline / オンラインからオフラインへ)などとも言われますが、複数販路があるのであればそれを活用するのも手段のひとつです。
以上、ネットショップの集客方法を5つ紹介させていただきました。「この方法なら効果があるよ!絶対売れるよ!」、というようなコトは言えません。むしろそのような主張をする業者の方々とは、おつきあいを継続するか真剣に考慮してください。大切なのは、いろいろな方法を試し、その効果をきちんと計測した上で、都度やり方を修正するというサイクルを回すことです。
また、一度成功したからといって、その手法が今後も通用するとは限りません。継続的に見直すことが大切です。PDCA(計画・実施・評価・改善)を繰り返し、安定的に集客を見込めるよう活動していきましょう。
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