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ホーム > アキンド探訪  > 【お客様対応の「質」にこだわる】リピーター戦略の鍵はLINE

ネットショッピングがはかどりますね。
ところでネットショップって、問い合わせをする時に緊張しませんか。特にキャンセルする時とかは、「怒られたらどうしよう」と怯えませんか。そうでもないですか。でもそんな時に優しく対応してもらえると「いい店だ!」ってなりますよね。
 
今回は実店舗を持ちつつ楽天市場、自社ECサイトにも展開しているアパレルショップ「ファースト」店長の佐野陽平さんに、お客様対応の質リピーター戦略について聞いてきました。

苦しい状況を乗り越えながらネットショップ開店へ

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-佐野さんは2代目の店長になるんですよね。
 
佐野氏:そうです。2代目ですね。私の父が1980年に創業して、実店舗は2店舗あります。アメリカンカジュアルやアウトドアブランドを取り扱っているファーストというお店と、ストリートブランドを扱っているスタジアムです。スタジアムの方は、オープンが1998年ですね。
 
-30年以上やられているんですね。山あり谷ありでした?
 
佐野氏:そうですね、僕はまだ入って10年も経ってないのであれなんですけど、常に父の言動をずっと側で見ていたので、あったと思います。何度も辞めようかと思ったこともあるみたいですし。それでも経営しかできないみたいな、しがみついてやってきたってことは聞きました。
 
でも正直家の中が荒れてる時はありました。良い時は良いけど、下がる時はどうしても下がっちゃうんで、そういう時期はありましたね・・・ありましたというか、今も波はあるんですけど(笑)
 
-今は楽天市場とカラーミショップにも出店されていますが、ネットショップ出店はいつ頃進出したんですか?
 
佐野氏:ネットショップは、6年前ですね。2010年くらいですかね。ECサイトの立ち上げは、僕が大学生の時からで、最初はカラーミーの方をやっていました。でも最初はあんまり売り上げも伸びない感じだったので、どうしようかなと。ちょうどネットが普及し始めるタイミングだったんですが、僕の中ではそこが第1回目のお店の危機到来というか、店頭の売り上げがどんどん下がってた時期でした。
 
その頃までは、店頭でお客様は洋服を買うっていうのが普通だったんですけど、お客様と話をしてると、最近、楽天で洋服を買うっていう会話がちょっとずつ増えてて。じゃあちょっと楽天やってみる?っていう感じで楽天は始めました。
 

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実店舗「ファースト」の店内

 
-楽天を始めて、そこから売れるように?
 
佐野氏:売れるようになりましたね。すごかったですね。僕の感覚ですけど。当時の商品ページとかは今もう残ってないですけど、画像1枚だけとか、着用とか何もない、平置きの画像1枚でアップして、それが売れてたっていう。多分寸法とかも書いてなかったんじゃないかな。
 
ネットって「すごいな」っていう感覚でした。でも売上比率としては実店舗の方があります。実店舗が3分の2ですね。

お客様対応では密度を濃くする

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-既存のお客様にもう1回来てもらうためにアプローチしていることってあるんですか?DM送ったりとか。
 
佐野氏:今はもうLINEですね。リピーターのお客様は、LINEでのやり取りがほとんどです。LINEでセールの情報を告知したり、新しい商品の入荷情報などを密に送っています。LINE@を上手く活用しています。
 
といってもコピペの文をに一気に送るだけではなく、基本は一人ずつ個人間のやりとりしています。接客の延長線上ですよね。基本接客が勝負だと思っています。
 
来店してくれた時に、いかに「あれ気になってるんだよね」っていうニーズを引き出すか。引き出せたらチャンスです。お客様が気になっている商品を調べて、入荷したら連絡する、というのをしっかりメモって、「入荷しましたよ!」というやりとりをLINEでこまめに個人間でしてます。
 
外で情報を仕入れて、これって入荷できないの?という問い合わせをくれるお客様もいます。それはすごく嬉しい。商品を知ったその場所で買っちゃえばいいのに、うちに問い合わせをしてくれるっていう。
 
-ファーストさんでしか買いたくない、というこだわり、信頼があるんですね。

 
佐野氏:本当に有り難いし嬉しいことです。もちろん、そういったお客様は実際の物を見たいっていうのもあると思うんですよね。だからうちも、入荷したんだから絶対買ってよっていうんじゃなくて、物見て判断してみてっていう感じで言ってはいますね。

お客様対応でレスポンスの早さをこだわる

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-楽天市場店の評価高いですね。お客様への対応で1番注意しているところがあればお聞きしたいです。
 
佐野氏:お客様へのクイックな対応じゃないですかね。メールの問い合わせに対してのレスポンスの早さとかを意識しています。
 
お問い合わせに対する返答までに時間が空いちゃうと、その分色んな思いを積み重ねてる可能性があるじゃないですか、お客様って。だから、できるだけクイックな対応をっていうのは心掛けてますし、あとはクイックに対応できない事例もあったりすると思うので、そういう時は社員と話し合いながらこういう対応した方がいいんじゃないかとか、きちんと考えながら対応してます。
 
どうしてもメーカーに在庫確認する必要がある商品とか、例えば靴も同じサイズなんだけど左の方がきついとか、そういうこともあったりするんですよ。そういったメーカーにしか対応できない場合は、メーカーの連絡先教えるからそっちに送ってくださいとか、そういう細かいことの早さを心掛けています。
 
-丈直しのサービスもありましたが、あれはネットショップを立ち上げた当初からやられてるんですか?
 
佐野氏:そうですね。実店舗の方でもずっとやっていた事なので。特にファーストの商品を買うお客様は、股下何cmで丈上げお願いしますとか、人に合った細かい指定があるんです。デニムなんかは、詰まりもあるからそれを考慮して丈上げしなくちゃいけなかったり。
 
お客様としてもこだわりを持って買いに来るし、それは我々としてはわかってるんで、そこはちゃんとやんないとねっていう。ファーストの商品は経年変化を楽しむ商品なので、こだわりが強いお客様が多いですね。
 
-自分だけの物を。ネットからの注文もそういう細かい要望は結構多い?

 

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実店舗内にある商品

 
佐野氏:多いですね。備考欄に「何cm詰めるかを書いてください」っていうような事を促してます。デニムとかは、商品を1回発送して、お客様に洗ってもらってうんです。そうして詰まった状態でもう1回こっちに送ってもらって、丈上げをしてもう1回お客様に送ってます。じゃないと洗った時変わっちゃうから。
 
-送る前にお店で洗って丈直ししたらダメなんですか?
 
佐野氏:デニムの洗い方も個人差があるんで、詰まり方も人によって違うと思うんですよ。お客様が、どういうやり方で洗濯されてるかがわからないので、洗ってもらって詰まった状態でうちで裾上げてまた返すっていう。
 
-なるほど。注文を受けて送るだけで終わらないんですね。思ったよりも手間がかかっていますね。
 
佐野氏:そうですね。でもそういうお客様にとってこだわりのある物を我々は販売しているので。

お客様対応の”質”にこだわる

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-最後に、今後チャレンジしていきたいことをお聞きできればと。
 
佐野氏:地域により根差したいなってことはしっかり継続してできる利益を生み出してくってことをしたい。それをずっと続けたいっていうのはあります。
 
その中でもし大きく展開できるっていうチャンスがあるのであれば、そこはちゃんとキャッチしていきたいなって思いますけど、今お店を増やすとかは特にないですし、むしろ中身をよくしたいので、接客力を上げるとか、そういうところですかね。
 
-今後ネットショップの方で店舗数を増やすなどもしないんでしょうか。
 
佐野氏:今はないですね。極端なこと言うかもしれないですけど、ネットショップ・・・無くならないかなって思ってます(笑)無くならないと思うんですけど。
 
僕個人としては、お店に来てほしいし、試着しながらスタッフと話してあーだこーだ言いながらテンション上げてもらって、満足して帰っていただきたいというか。ネットの購入って、それができるのかなっていう。
 
そこが今持っているネットショップの課題で、そのお客様との触れ合いができるならネットにも力入れたいと思うんですけど。なので、ネットでの販路を広げていくっていうのは、今のところは考えてないですかね。むしろ実店舗での接客にもこだわって、店頭に来てもらえるように仕向けるというか、そういうことに力を入れていきたいですかね。
 
-販売のチャネルを増やすというのではなく、接客の質を上げていくんですね。
 
佐野氏:そうですね、お店としての質にこだわっていきたいです。我々が意識している部分は「お客様の事を知る」と言う事、お客様の名前覚え、接客中に名前を呼んで接客をしたり、前に買って頂いた物を覚えるようにしています。その他に下記を質問するようにしています。
 

  • デザインは何が好きなのか?
  • 既に持っている洋服はどんな物か?
  • 靴はどんな物をもっているのか?

 
お客様の事を知って提案が出来れば、お客様との距離はより縮まると考えています。(現在、ECの存在でそれも難しくなってきているのかな?と感じる所もあります)やはり、人と人とのコミュニケーションの基本だなと思っています。完璧ではありませんが、そういった考え方・思いで接客しております。
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編集後記

来店したお客様とのやり取りや対応の質にこだわって、お客様の満足度を重視する。そういった姿勢は、実店舗に限らずネットショップでも生かされてお客様からの評価につながっているのだと感じました。「ちょっとこだわった服買いたいなぁ」と思われた方、ぜひファーストさんに足を運ばれてはいかがでしょうか。

 
 

この記事を書いた人

商売繁盛を応援するWebメディア・ニューアキンドセンターのセンター長をやっています。 もっとエッジを効かせたい、もっとトンガリたいです。どうぞよろしくお願いします。

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