こんにちは。ニアセクリエイターズ古田島です。
今回は、ここ数年で一気に知名度をあげてきたネット通販サイトであるBUYMAについて、老舗ネット通販サイトの楽天、アマゾンの違いを簡単にご紹介するとともにどういうシーンで利用するのが適切かということにも触れていければと思っています。
昨今、ECサイトの伸びが著しく、買い物をECショップで済ます人が増えています。それはスマホの普及とともに、どこででもインターネット環境に接続することができ、好きなものを好きなときに購入することができる社会になりました。
もうわざわざ実店舗に足を運ばなくても、好きなものを購入できる時代になったわけです。またネット通販黎明期のころは、「ネットで買うのは危ない」といわれていたことも、流通体制や追跡番号、出品者の評価システムの信憑性など可視化できる部分が増え、だいぶ不安は払拭されたのではないでしょうか。
今回のBUYMAについては、主にファッションブランドに強いECサイトという印象が強く、日本未上陸の海外ブランドや日本より安い海外価格で購入できるとあって好評を得ているECサイトなので、早速詳しくみていきましょう。
1.BUYMAとは
株式会社エニグモが、2005年からサイトを立ち上げたBUYMA。「Fashion is Borderless」を表題に掲げ、なんといっても日本にいながらにして世界中のありとあらゆるファッションが、現地バイヤーを介して手に入るという画期的なサービスです。立ち上げ当初では商品ジャンルを特定にしていなかったのですが、2006年には海外ファッショントレンドに敏感な女性をターゲットに絞り、サービスを展開。現在ではレディースのみならずメンズやキッズのほかインテリアなどの雑貨を扱うまでの商品量に広げている。というのも、現在では会員数は300万人を超え、世界120ヵ国以上の商品を扱うまでの巨大マーケットに成長したからだともいえます。
BUYMAの一番の魅力は、「誰でもバイヤーになれる」プラットフォームなのではないでしょうか。特に海外旅行や海外ブランドが好きな人にとっては一度ならずともバイヤーになって世界中を周りたいなどと考えた経験はあると思います。バイヤーになれる人はそんなに多くはないですし、企業に属したバイヤーならまだしも、フリーのバイヤーともなると食べていけるのはほんの一握りなため、現実的にはバイヤーになる夢を諦めたり、現実的ではないので他の職種を選んだりする人が多いのです。
しかし、BUYMAは、極端のことをいえば商品画像を撮影して出品登録してしまえば、誰でもバイヤーになることができます。日本にいながらにしてネットで海外から安く仕入れ、BUYMAで売ったり、現地買い付けにいきBUYMAで売ったり…。あこがれのバイヤーにBUYMAというプラットフォームを通して販売できまる。このプラットフォームはまさにファッションをこよなく愛する人にとっては格好のサービスだといえるのでしょう。違う見方をすれば自分の目利きを生かしていかに売れるファッションアイテムを仕入れ、販売するかといった個人の力量を活かせる、オンラインファッションバイヤーとしてのセンスが問われる時代となっています。
2012年にBUYMAを運営する株式会社エニグモは上場し、それに伴いBUYMAは急成長します。最近ではBUYMAの英語版のリリースやプロモーション動画が、世界で最も権威のある国際広告賞であるカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルでの入賞など広告戦略も好調なため、今後も顕著なユーザー数の伸びや市場規模の拡大が期待されるECプラットフォームとして見ることができます。
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2.楽天・アマゾンとの違い
それでは既存ECサイトである楽天やアマゾンと何が違うのでしょうか。
消費者側としてみれば、ファッションモールである楽天やアマゾンは欲しい商品ごとにカテゴライズされており、自分が買いたいものを選ぶことができます。BUYMAはどちらかというと日本の実店舗には売っていない、もしくは日本未上陸のファッションブランドがあるので、ファッション好きが見る傾向にはあると思います。
つまり、消費者目線での購買に至る流れはさほど変わらないでしょう。強いていえば楽天、アマゾンの配送サイクルは基本的に国内のため、注文してから手元にくるまでの期間が短いですが、BUYMAの場合は海外配送の手間が生じ、1〜2週間待つケースがほとんどです。もちろん円レートの関係も当然ながら生じるため、買う時期によって値段が違うこともあります。
では、これを販売者側の観点から考えると、BUYMAは転売、複業として個人事業の領域、楽天・amazonはショッピングモールという特性を生かしたBtoC事業に向いているのではないのでしょうか。
BUYMAは自分のショップの運営費用が一切かかりません。商品が売れると、代金(売上)の5.4%を手数料として引かれますが、それ以外の維持費用なども全くかからないのです。また、注文が入ってから商品を仕入れ、販売することを認められているので、在庫を抱える心配がありません。楽天・アマゾンの場合だとどうしても在庫を持たなくてはならない場合が多いのと比べると(自動化ツール、アマゾンのFBA倉庫を使えば別)、とても出店者側にはありがたいルールですね。
この2つの要因がBUYMAの参入障壁を下げ、初心者でも安心して自分のBUYMAのショップを持つことができるのです。ただ、販売に慣れてくれば本場アパレル業界のバイヤーさながらにトレンドを読み、ある程度、在庫に投資することで仕入れにかかる時間のコストを短縮し、多くのお客様に販売していく戦略をとる方がより売上を上げることができます。
一方で、楽天はある程度、売れる商品を扱い、かつ薄利多売で売っていく戦略を取らないと難しいと感じるかもしれません。ショップ開設に関しては初期費用が6万、さらに月額固定費はプランや見込み月商にもよりますが安くて2万×12ヶ月でざっと30万円程度です。
アマゾンはそれに比べ、マーケットプレイスに出店する際の月額費用は4900円と安いですが、販売手数料が8%〜20%と意外と高いです。アパレル関連のジュエリー・時計・バッグ・衣類は15%とBUYMAの3倍かかりますね。
ランニングコストが高い楽天、販売手数料が高いアマゾン。もちろん、巨大な市場、ユニークユーザーを持つ楽天やアマゾンはある程度のお金を払ってでも出品することで多くの人の目に触れるチャンスはありますが、確固たる自信がないと出店しにくいかもしれません。
だいぶざっくりとした分け方なので語弊があるかもしれませんが、少なくとも取り上げたECサイトは、中国でいうアリババのようなBtoB向けではないので、コンシューマー(消費者)がいかに他のショップよりも安くものを買えるかという価格競争が生まれるコモディティ化になりやすい市場といえるでしょう。BUYMAはその意味では、まるでメルカリやヤフオクのように気軽に一から始めることができるCtoC領域のビジネスとして取り組むのはありかと思います。特にファッションに常にアンテナを張っていて、トレンドを追いかける人にとっては面白いプラットフォームなのではないでしょうか。
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3.EC事業として取り組むのならズバリ
本格的な参入を考えているのであれば、BUYMAに関しては、まず他のECサイトとは違う大きな特徴があります。それは人気バイヤーのランキングがあることです。これは楽天の人気ショップを決めるショップオブザイヤーみたいな年間を通してではなく、いま一番取引がされている人気バイヤーをいつでもチェックできることです。実際のアパレル業界でも名物バイヤーと呼ばれる人はいますが、どのような商品をどこで仕入れているのかなど、手の内はなかなかわからないもの。
しかしBUYMAの人気バイヤーのページにいけば、さすがに仕入れどころはわかりませんが(笑)いまどんなファッショントレンドがあって、どのような価格で売れば売れるのかという全体像をつかむことができます。これがメルカリだと専用ツールを使うことを除けば、なかなか売れている出品者を探すのは困難です。そのため初心者でも、どのようなファッションアイテムを扱えばいいのかがわかるようになっています。
また商品代金のやりとりに関してもBUYMA側が一旦預る形で、商品代金を確保してくれます。そのため出品者(バイヤー)は購入者の商品代金不払いの不安を感じることなく、安心して商品の買い付けができます。
さいごに
BUYMAでECサイトでの販売に慣れてきたら、アマゾンでの販売や自分のオリジナルブランドがあれば、無料で構築できるBASE、STORES.jpなどの独自ECサイトに挑戦してみてもいいかもしれません。企業であれば、ますは市場でどういうアイテムが受け入れられるのかという検証で、BUYMAを利用してみるのも面白いかもしれません。トレンドがつかめれば、ECモールでの出店を検討できますし、薄利多売にはなりますが集客力や楽天やアマゾンで扱っているという安心を消費者にアピールできます。
このように状況に応じてBUYMAを賢く使い分けて使うことができるのが、このBUYMAがまだまだ可能性に満ちたECプラットフォームであることを物語っており、今後も様々な活用ができると思うサイトです。ぜひBUYMAのサイトをうまく活用してみてください。
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